598.インド出張2: インドに到着 (2006/09/18)

「近くて遠い国」とは韓国のことを指しますが,「結構遠くてやっぱり遠い」のはインドでしょう。


クアラルンプールまで関空から6時間半,4時間の乗り継ぎ時間があってそこからさらに3時間半のフライトでした。家を出てから延べにすると20時間ほど掛かってしまいました。アメリカの東海岸に乗り継いで行って24時間でしたから,同じアジアの中といってもかなりの距離感があります。


クアラルンプールでもかなりヒンドゥーやイスラム的な雰囲気がありましたが,インドへのフライトはかなりスパイシー。機内食も「ベジタリアン」「ノンベジタリアン」のチョイスで,ノンベジタリアンのカレーはなかなかのお味でした。これはインドのカレーが楽しみです。


バンガロール空港に着いたのは23時半。真っ暗の中に浮かぶ建物は,それだけでここがインドであることを気づかせるには十分で,これから飛び込んで行く街が、ただものではないことを暗示しています。


確かに,すでに入国審査に並んでいるところでかなりインド的で,列はぴったり後ろについてかばんはボンボンぶつけて来るは,でかい声で携帯電話でしゃべっているは,最近は西洋諸国にしか行ったことがない身には堪えます。


バッゲージクレイムエリアもかなりの混雑で,やっと出てきたかばんを持ってさて両替をしようとしたら,怪しい感じのする窓口がありましたが,クレジットカードからのキャッシングはできないようです。税関の係官に聞いたら外にATMがあるというので,いったん外に出ます。


ATMでルピーを手に入れてから,プリペイドのタクシーを予約します。ホテルの名前を言って300ルピー(約900円)を払い,係りの人について建物の外に出ました。


うーん,すごい人だかりです。このときはこんなに物貰いがいるのかと驚いたのですが,後から聞くと予約したタクシーの運転手がお客の名前をカードに書いて持っていたらしいです。あまりの多さに(ざっと1000人はいたでしょう。)勘違いをしてしまいました。


空港の前はすごいことになっています。ちっさい車とバイクと歩行者が渾然一体となってうねっています。クラクションの洪水です。しばらくするとタクシーが来たみたいで手招きされた車に乗り込みます。


ものすごく小さい車で,人とバイクと車にほとんどぶつかりそうになりながら,かき分けかき分け進んでいきます。クラクションの応酬とバトル。イタリア人も真っ青の運転テクニックです。ひとたび他の車を引き離したら,もう制限速度なしの世界。真っ暗な大通りをすっ飛んでいきます。


さて,大通りから人気のない通りに入って行きます。確かゴルフ場の近くのホテルだったはずですが,どう見ても廃墟の中を進んで生きます。するとしばらくすると,そこだけが別世界のようなホテルが目の前に現れるのです。


しかし,空港からのタクシーの中では,どんな街なのか思わず乗り出して周りをきょろきょろ見てました。それほどエキサイティングな街に見えました。日本にはこんなところはないです。(当たり前。)21年前に行った中国に少し似ていると思いました。


これは,明日明るくなってから見る街が楽しみになってきました。

597.インド出張1: 明日出発 (2006/09/16)

仕事が踏んだり蹴ったり、一体誰が収拾をつけるのかと叫んだところ、「インドに行って来い!」とのこと。今更インドに行っても収拾出来るとは誰も思っていないのに、行かざるを得ないと言う何とも殺生な事となってしまいました。


いや、最近経済誌を読んでみても、なかなかインドでビジネスをするのはタフであるとのこと。やれ中国の次はインドだとはやし立てているうちは良いが、実際インドに言ってみると予想とはかなり違うことがあるそうな。


まあ、ここはついでに観光が出来ると安易に考えて、とりあえず怖い物見たさで言ってみることに致しますか。


しかし、当サイトは旅行系パームサイトと称していましたが、その割にはあまり旅行のことが話題にならないおとなしいサイトになっておりますが、今回は少しエキサイティングな旅行になりそうです。


行き帰りに飛行機はマレーシア航空ですから、すこし期待しております。最近米国系の航空会社が軒並みコストダウンのためにサービスを低下させておりますから、さぞかし手厚いサービスが出迎えてくれるでしょう。


インドのメンバーには、朝ホテルまで迎えに来てもらわなければなりませんから、ホテルの名前を連絡したのですが、早速いくつかのアドバイスをいただきました。


「空港を出てからタクシーを探すな!」、「建物の中のカウンターでプリペイド・タクシーの予約をしろ!」、「預けた荷物がコンベアーから出て来るには最低45分掛かるので、多くの外人はロスト・バッゲージと勘違いするが、気長に待て!」等々。


23:15着の飛行機ですから、ホテルに入れるのはいつになるやら。日本との時差は3時間半(中途半端)ですから、思ったより遠いようです。


どうもインド旅行のガイドを見てみると、夜に出入国しないのが鉄則になっているようで、最初から危なっかしそうです。


さて、無事たどり着けますでしょうか? インドへの珍道中の始まりです。

586.インド人もびっくり!5: インドは西欧の一部 (2006/05/14)

実は、この特集は前回で終わっていたのですが、日経ビジネスの5月8日号にインドの特集記事が掲載されていましたので、少しその感想を書かせていただきたいと思います。


記事の趣旨は、「経済・産業分野でインドが新しいブームになりかけているが、中国や他のアセアン諸国と同じように考える事は危険である」と言うことでした。


社会の近代化やインフラの整備が急速に進む中国に較べて、インドはすべての進化が思っているほど速くはないため、中国に進出した時と同じ方法は使えないと、安易なインド進出の危険性を指摘しています。


カルスト制度が、一部では弱まってきているとは言え根深いものがあり、ニューインドオールドインドの差が激しいこと、また本来資本主義であるインドにおいて発展していなかった産業を興そうとすることは、社会主義である中国が市場経済に移行するよりも、かえって困難であるとしています。


また、インドを英国が統治していたこともあって、全般的にアジアよりもヨーロッパ指向である為、概ね親日的だとしても、日本とインドがお互い理解し合えるパートナーになるためには、時間がかかるのではないかということでした。


インドから見ても、日本よりヨーロッパが地理的にも近く言葉の障害も少ないですから、何もわざわざ日本の企業と組まなくても良いと考えるでしょう。


インドの人件費が安いことに目を付けて、成長著しいITの分野でインドの企業と手を組もうとしても、うまく行かない事が多いそうです。ソフトウェアの外注先として開拓したとしても、日本国内向けのソフトウェアの仕様書が日本語であるため、翻訳作業や開発の作業指示を出すための労力が多大になり、コスト的なメリットを打ち消してしまうようです。


実際、インドの人たちと仕事を始めてみると、顧客が仕様書として作成した日本語のエクセルファイル翻訳作業が大変で、ファイルを送るたびに丸1日作業が遅れていくのは確かに無駄です。ファイルに少しでも日本語フォントが残っていると、受け取った先では日本語の部分が文字化けするだけでなく、ファイルサイズが0バイトと表示されてしまうことがあり厄介です。


単にすべての文字をアルファベットにするだけでなく、フォントも欧米文フォントに変えておかなければならないそうです。インターネットで調べてみると、「パソコン便利ツール集」というサイトの「海外にEXCEL・WORDなどの英文資料を送る場合の注意」というページに詳しく説明されています。このサイトには、他にも有用な情報がたくさんありますので参考になります。


さて、インド人との共同作業も準備段階がようやく終わって、そろそろ本格的な作業が始まりました。行き交うエクセルファイルも増えてきました。既に翻訳作業に悲鳴を上げそうになっておりますが、果たして今回のプロジェクトはうまく行くでしょうか?

585.インド人もびっくり!4: 血液型 (2006/05/05)

さて、インド人と一緒に何回か昼ご飯を食べる間に、食べることが出来るメニューも尽きてきました。最初はチキン料理の中から選んで食べていたのですが、バリエーションが少ないためさすがに飽きてきたようです。


男性のHさんは、訳の分からないメニューから探すことがめんどくさくなったみたいで、ほとんど考える間もなく、「今日もカレーライスにする」と言います。ビーフカレーと言いながら、実は肉は入っていなかったことに安心したのでしょう。


一方女性のPさんは、メニューの前でしばし思案しながら、「あの写真のメニューは何だ? こっちはどんな食べ物か?」と新しい食べ物に挑戦しようとします。そして、ついにハンバーグ定食を食べるという暴挙に出たのです。


さんざんビーフで出来ていることを説明したのですが、日本の牛はにお仕えしていないことを悟ったのか、メニューの中で一番肉肉しいハンバーグを食べることにしたようです。初日に嫌いだと言った日本のご飯もてんこ盛りなのに。


メニューが尽きてくるのと同時に、食事中の話題も無くなってきました。ですから今日は雑談に終始します。(って最初から雑談しかしていませんが。)


まず、インドにおけるパームの普及度について聞いてみました。余り期待していなかったのですが、やはりパームやPDAの言葉が最初はすぐに判らず、いくつかのキーワードを並べて理解してもらえたのですが、インドではいわゆる電子機器自体が高価であるため、所有している人は大抵USから手に入れることが多いそうです。


ところが、携帯電話の普及率を聞いてみると、何と90%ぐらいだと言うではないですか。10年ぐらい前から使われ始めて、ここ5年間で爆発的に普及したそうです。携帯電話ほど、世界中でほぼ同時に普及したものはかつてないのではないでしょうか。


キャリアによってCDMAGSMが選べるらしく、これならTreoも携帯電話として使えるかも知れません。日本のようにただ同然で本体をばらまくような売り方はしていないそうで、それなりの初期投資が必要なようです。


さて、話題は血液型になりまして、「インドではB型が多いらしいが本当?」と聞いてみると、確かに多いそうです。現地の会社の社員証の裏には、それぞれの血液型が印刷されていて、女性のPさんはB+型、男性のHさんはO+型だと見せてくれました。


インドのIT産業が盛んなのは、B型は理科系に進む人が多いからかと聞いてみると、血液型によって違いがあるとは思っていないようです。「日本人が勤勉で真面目なのはA型の特徴だと言われているが、やはりA型が多いフランスは、、、」と言ったらすかさず、「全く逆!」と大笑い。あまり血液型判断は、信じてもらえそうになかったです。


ところで、男性のHさんの英語の訛りが強い訳を聞いてみました。(本当に本人に聞いたのかい?)Hさんの育った地域は学校の授業を現地語で行っていたらしく、英語を日常的に使っていた期間が短かったそうです。しかし、それでもバリバリに英語で仕事をしているのはさすがと言うしかありません。


日本が連休に入ってしまうのでいったんインドに帰り、3週間後に女性のPさんだけは再び日本にやって来て、今度は1ヶ月のマンスリーマンション住まいになります。今回はマンションの下見も兼ねていたのですが、マンションは駅からも近く結構気に入ったご様子です。


約1週間のおつき合いでしたが、インド人の第一印象は、真面目で、仕事熱心で、たくましさを感じました。今度来るときは、バリバリと仕事をやってくれそうです。日本人もうかうかしていられないと思いました。

584.インド人もびっくり!3: カレーライス (2006/04/30)

さて、何と言っても一日で一番困る(実は面白い)のが昼食の時間です。工場にある食堂に2人を連れて行くのですが、メニューを選ぶのに一苦労です。


外国の人に食事を勧める場合に気を付けなければならないのは、食べては行けないものが含まれているかどうかと、とんでもなくまずいものを食べさせてしまうことです。


メニューが写真で表示されているのですが、料理名が日本語でしか書かれていませんから、一通り説明をしながら食べられそうなものを勧めることになります。インドの方は肉を食べないですから、例えミンチであっても入っているメニューを勧めることは厳禁です。


一日目。写真を見て馴染みがあると思ったのでしょう、男性のHさんがカレーライスを指さして「これがいい!」と言いました。ただ、これはビーフカレーだからビーフが入っていると言うと、首を横に振って「それは駄目だ」と言います。


チキンは問題ないと言うのですが、鮭の塩焼き鯖の味噌煮には見向きもしません。タンドリーチキンなら食べられそうだと言うことで、3人で同じ定食メニューを選びました。


タンドリーチキンはカレー味のソースが掛かっていて、女性のPさんは味もOKとのこと。ただし付け合わせのインゲン豆はお口に合わないご様子です。みそ汁も味がよく分からないというか、得体が知れないといった感じです。ちなみにご飯が一番まずかったようで、ネットリした日本のご飯は大苦手のようです。


その日はタンドリーチキンという、如何にもインドの人に合わせたようなメニューがあってほっとしました。聞いてみると、行きの飛行機ではベジタリアンメニューを予約してきたそうで、チキンも普段はそれ程食べるわけではないそうです。


さて次の日、メニューを見回して食べられそうなのはやはりチキンしかありません。しかし、今回はチキンの照り焼き(醤油味)が乗ったどんぶりです。少し危険かなと思いながら列に並んだのですが、時間が遅かったせいかすでに売り切れていて、残っているのはビーフの挽肉の入ったコロッケか、ビーフカレーしかありません。


どうしたものかと、とりあえずカレーがビーフカレーかどうかを食堂の係りの人に確認してみると、やはりビーフカレーです。実はビーフは食べられないのですと説明して思案していると、係りの人が言いました。「ビーフカレーと言ってもビーフはほとんど入っていませんよ!」 


うーん、自慢してはいけないような気がするのですが。インド人たちにビーフはほとんど入っていないと言うと、それなら仕方がないと言って、3人でビーフカレーを頂いたのでした。


カレーライスは彼らにとって、一番味のリスクがないのでしょう。辛さが弱いと文句を言いながらも完食していました。確かに肉らしきものは見当たりませんでしたね。良いのだか悪いのだか???


ただせっかく日本に来たのだから、日本にしかないものも食べてもらいたいものです。肉が駄目な人でも豆腐から作ったものなら安心して勧められるので、小鉢に入った「がんもどき」はどうかと促してみます。


以前ドイツ人に豆腐を食べさせて、日本食の中で一番まずいと言われたことがありましたが、その時は味が全くないのが理由でした。


がんもどきの見た目に少し不安を感じていた様子でしたが、食べてみて結構気に入ったようでした。今回は豆腐と言っても手を加えたものでしたが、がんもどきを少しでも気に入ってもらえたのはうれしかったですね。


昨日の夜、晩御飯に何を食べたのかを聞いてみると、ホテルのレストランで中華のフライドライスを食べておいしかったと、うれしそうな顔で言っていました。


日本で無難な食べ物を探すのも、なかなか大変そうでした。