USでは、コンシューマーレポートなる雑誌があり、あらゆる消費者向けの製品の評価をしています。シカゴカッツレーの包丁は、そこで高い評価を得ていました。
ドイツのヘンケルも良い評価でしたが、シカゴカッツレーはほとんどの評価項目で上回っていました。これは買っておかなければ後悔すると思いました。
近くの店に行くと、鍵の掛かったショーケースに、いろいろな種類の包丁が並んでいます。その中から、少し小振りの使いやすそうな包丁を選びました。
家に帰って早速使ってみるのですが、これが冗談のように切れないのです。刃の背で切っているようでした。
日本では、良く切れる包丁と言えばスーと力を入れずに切れる物を言いますが、とてもそんな感じではなく、どちらかと言うと押し切ると言う感じでした。
その後、何度か研いで見たものの、さほど切れる様になる訳でもなく、すっかり切れない包丁のイメージができてしまいました。
そう言えば、USのどの家庭に行っても、切れる包丁にお目に掛かることはほとんどありませんでした。たいていの家庭では、8本ぐらいの包丁が木でできた包丁立てとセットになっているのを持っているのですが、まず切れる物がその中にあることはありませんでした。
元々切れないのに手入れをしないものですから、包丁は切っていると言うより押しつぶしている感じになります。確かに、日本のようにみじん切りをしたり、刺身を切ったりするわけではありませんから、それほど切れる必要はないのかもしれません。本当に切らなければならないときは、フードプロセッサーを使えば良いのです。
そもそも、まな板が木ではなく大理石だったりします。せいぜい角切りをするにしてもまな板は使わず、手で持ったまま切りますから、あまり切れる包丁は危険なのかもしれません。
まあ、切れない包丁と吸わない掃除機は、USの家庭で必ず見つける事が出来る定番アイテムといえるのではないでしょうか。