494.グアム旅行2: 国際航空安全認証 (2005/04/20)

もう2ヶ月ほど前のニュースになりますが、2004年に世界で起こった商業航空における事故件数が、第二次世界大戦以降で最も少なかったそうです。2002年に比べても、航空機事故による死者数が半減していますから、ここ2・3年で安全性が急に高まって来ているようです。


IATA(国際航空運送協会)が、IOSA (IATA Operational Safety Audit)と呼ばれる、国際航空安全認証の制度を開始したのが2003年でした。事故を減らすための安全基準の厳格化によって、事故の件数が着実に減ってきていることが、数字に表れ始めています。


このIOSAは、まだスタートしてから2年しか経っていませんから、全ての航空会社が既に認証の為の点検を受けている訳ではありませんが、多くの航空会社が認定獲得に動き出しています。


今年の1月、大韓航空は、IATA加盟航空会社270社中19番目となる認証を獲得したそうです。既に認証を獲得している航空会社には、シンガポール航空ルフトハンザ航空スカンジナビア航空などの、以前から安全性に高い評価を得ている会社が並んでいます。


大韓航空は、総合統制センターの新設等により、高い安全性の確保に努めてきたそうです。以前は安いけれども安全性に不安がありましたが、今や安全性を売り物にできる航空会社になっているようです。


同じような評価を受けていたアエロフロートも、2005年内にIOSAの点検を受ける予定になっているそうです。今やどの航空会社も、安全性の向上に余念がありません。


一方、我が日の丸航空は、今や落とし物の名人になってしまいました。大きな事故が起こる前に、早く何とかしてもらいたいものです。


また、大韓航空は、機内サービスも充実しています。決して定評のあるその他のアジア系航空会社に引けを取りません。日本ーグアム路線では近距離の為、どの航空会社も食事や飲み物を簡略化する傾向にありますが、大韓航空では十分な機内サービスを受けることができるでしょう。


言うまでもなく、大韓航空のハブ空港はソウル郊外の仁川(インチョン)空港ですが、世界の空港満足度調査2004年度版では堂々の2位にランクされています。設備が新しく機能的に配置されているのはもちろんですが、駐機中の大韓航空機の数の多さにも圧倒されます。


特に、飛行機を探さなければならないほど、まばらにしか見かけない関西空港から行くと、その差は歴然です。免税店やレストランが搭乗口に近い事もあり、USの空港にあるような華やかさを感じました。


日本から直接グアムに飛ぶと3時間ほどで到着しますが、仁川経由だと待ち時間も含めて、7時間近く掛かってしまいました。これでは日本から近いというグアムの利点を生かせないのですが、韓国の雰囲気を少しだけ味わえるのも楽しいものです。


今回はグアムと関係がない話になってしまいましたが、次回はグアムのショッピング事情について、簡単に触れてみたいと思います。

493.グアム旅行1: 日本から最も近いUSA (2005/04/19)

さて、グアム旅行を一言で片付けるならば、「安、近、短」でしょう。何と言っても安く行くことができて、近くて飛行時間も短いですし、時差も1時間しかありません。


それゆえに、外国に行った気分が出ないのが難点ですが、日本から近い海外リゾート地として、多くのリピーターに支持されているようです。


グアムの良いところは、年中変わらない気温です。ハワイでさえも、冬は海で泳ぐのはつらいものがありますが、グアムは最高気温が30度、最低気温が25度で1年を通して変化しません。


もちろん雨季はありますが、5月から11月に掛けて日中スコールがある程度で、日本のような長雨になることはないようです。


ただし、台風直撃すると中途半端ではなく、立派な高層ホテルでも、大半の部屋が使用不能になってしまうこともしばしばです。老朽化したホテルでは、そのまま廃業してしまうことも珍しくありません。


また最近では、付近の(と言っても200Km程はなれているそうですが)火山の噴火による火山灰が降って来ることがあるらしく、風向きによっては警報が発令されることもあるそうです。


グアムは、「日本から一番近いUSA」という触れ込みで観光に力を入れています。確かに入国書類は、USAと同じI-94Wを使いますし、入国スタンプにもUSAと書かれています。


また、観光ガイドブックには、グアムはカリフォルニアの準州であると書かれています。ただアメリカ人の中には、グアムがUSAに属しているという認識が少ないように思います。


さて、今USAに入国する場合は、もれなく指紋の採取顔写真の撮影が義務付けられています。グアムの場合は特別に免除される場合がありますが、これがなかなかややこしいのです。


通常、ビザなしでUSAに入国する場合、I-94Wという入国カードを使います。「査証免除プログラム」に対応しており、ビザなしで90日以内の滞在ができます。ただし、指紋の採取と顔写真の撮影を避けることはできません。


グアムには、I-94W以外に「グアム査証免除プログラム」と言うのがあり、グアムのみに15日以内の滞在であれば、同じくビザなしで入国することができます。


この場合は、I-94Wではなく、ビザ所持者用のI-94I-736の入国カードを使用します。グアム査証免除プログラムによる入国の場合は、指紋の採取と顔写真の撮影の必要がありません。


今回はI-94Wで入国しましたので、しっかり指紋と顔写真を撮られました。今回は幸運にも愛想の良い入国審査官だったので、「カメラに向かってバケーション・スマイル!」と言ってくれたのですが、緊張でこわばった私たちの顔はさらに引きつってしまったようです。


最近では、到着前に機内で配られる入国の書類として、希望者にI-94+I-736を配る航空会社もあるようです。指紋の採取を嫌う方がグアムに行かれる際は、「グアム査証免除プログラム」で入国されると良いでしょう。


機内で入手できなかった場合は、同じ書類が入国審査場の記入台にも備え付けられていますから、行列に並んでいる間に記入するのも良いかもしれません。


ところで今回は大韓航空の無料航空券で行ったのですが、機内でI-736は配られてはいませんでした。大韓航空と言えば、昔は安いけれども安全性に不安があったのですが、最近はだいぶ変わってきているようです。そこで次回は、大韓航空についての感想を書いてみたいと思います。

462.地獄からきた陪審候補 (2005/01/20)

日本でも裁判陪審員制度が検討されています。これはそもそも、裁判官の生活が一般市民の生活とかけ離れているため、判決内容に世間の常識から逸脱した部分があると指摘されたことが、発端だったと記憶しております。


確かにいったん判事になってしまうと、日常生活において俗世間から隔離され、社会人としての常識が養われないと言う可能性は、否定できないかもしれません。


住宅の例を挙げてみましょう。サラリーマンが、ローンを何年も払い続けた末に、住宅をやっと手に入れたとしましょう。しかし、裁判官は専用の官舎に住んでいますから、住宅を手に入れる苦労を知りえません。この裁判官が、住宅を手に入れる苦労を考慮しない判決を下すのは、当然の事と言えるでしょう。


そこで、このような一般的な背景を一般市民から選ばれた陪審員によって補い、判決をより常識的なものにしていこうと言うわけです。しかし、はたして一般市民には必ず常識が備わっているのでしょうか?


CNN.co.jpに面白い記事が載っています。「集まったのは地獄の陪審候補 弁護士が困惑」と言う記事は、USテネシー州の陪審員についての話ですが、市民から無作為に選ばれた陪審員候補者の中から、12人の陪審員を弁護士が選ぼうとしたところ、集まっていた候補者はとんでもない人たちだったと言うのです。


まず一人目がこう言ったそうです。


「おれはモルヒネをやってる。たこより高くブッ飛んでるぜ!」


次の男は、


「自分の甥を撃とうとして逮捕され、精神病院に入れられた。」


さらにもう一人は、


「アルコール中毒だったが、おとり捜査員を売春婦と思いこんで買春しようとして逮捕された。売春婦のくせに、歯がきれいに揃ってたから、おかしいと気付くべきだった。」


、、、


日本ではもう少し善良な市民の方々が、お集まりになられることを願っております。

447.開拓者は詰めが甘い? (2004/12/30)

「詰め」と言えば将棋を想像してしまいますが、将棋はその緻密な計算と戦略によって勝敗が決まり、細やかな神経が要求される世界です。


日本人のように人間の内側からパワーをひねり出すタイプの人間(どんな人間なんだ?)に如何にも向いている競技であります。じっくり磨き込まれた経験によるものと言えましょうか。


対して、アメリカ人の戦略は、新規な発想に基づく一発勝負的なもののように思います。じっくり磨き込んだいぶし銀ではなく、これまでに見たことのない様な輝きを持ったものの方が得意なようです。


だからといって、すべてに新しいものを要求するかというとそうではなくて、気にしなければ古いものでも平気で使い続けるのです。


USに15年ぐらい前に行って驚いたのは、日本ではかなり旧式で、中古としてもかなり古い部類の一眼レフカメラが、新品としてカメラ屋のショーウィンドーに飾られていたことです。いまさらビキニ姿の宮崎美子はないだろうと思ったものです。もっと古いペンタックスのプラクチカマウントのカメラも新品として並んでいます。


要するに古くても十分間に合えばそれで満足して使うし、新しいものなら全く新規なものが好きだと言うことでしょうか。


自動車にしても、日本やヨーロッパなら排気量がどうだとか馬力がどうだとか、多少は気にするものですが、「新製品は馬力が5%アップした」みたいな些細な事にはこだわらないようです。


伝統を育てていくという風土がないからでしょうか。いったん世の中に出て一定の評価を得たとしても、それを磨き込んで改善していくことはせずにほったらかしにしておいて、それが駄目になったらまた全く別のものに乗り移ってしまうのです。


これがアメリカ人の強みであり弱みでもあります。パームのPIMに関しても全く同じ事が言えるのではないでしょうか?


詰めが甘い!


と言うより詰める気がないのでしょう。アメリカ人の開拓者魂が、そんなせこいことをさせないで、常に新規なものを探し求める事を要求するのかも知れません。

392.ナパ・ワイナリー紀行8: まとめ (2004/10/06)

JALのパイロットの皆さんがサンフランシスコに滞在する時には、よくナパまでワインの買い付けに行かれると聞いたことがあります。またワイナリー巡りは、サンフランシスコに住んでいる人たちの、週末のワンデイトリップとして人気があるようです。


今回訪れた時には時間がなくて寄れなかったのですが、"V.Sattui Winery"と言うワイナリーが St. Helenaにあり、地元の人たちに人気があります。


1885年から続く家族経営のワイナリーで、賞を取るほどの品質を誇りながら外販はせず、ここのワイナリーだけでしか手に入りません。ですから地元の人たちは、ここを訪れた時には箱単位で買い占めて行くそうです。


また、ランチとしてグルメ・デリが充実していて、ピクニックテーブルも用意されているので、家族で訪れる人たちには特に人気があります。


ナパには300以上のワイナリーがあり、またすぐ隣のソノマには250以上あると言われています。カリフォルニアではこれら以外にも、5つの地区でワインを製造しています。

ナパはその中で最も規模も大きく中心的存在であるわけですが、10数年前にはぶどうの木の病気で植え替えなければならなくなり、また地下水系にも問題があったそうです。


比較的歴史が浅いカリフォルニアのワイン産業も、今が転換期なのかも知れません。フランスでのワイン消費の低迷や、ワイン産地の新興勢力の台頭など、ワインの世界地図が大きく塗り替えられる時期に差し掛かっているのでしょうか?


今後、ロバート・モンダヴィオーパス・ワンが、何らかの変革を伴いながら変わっていくことは必至です。それは確かに寂しいものではありますが、今の姿も昔から変化してきた結果だと考えると、希望を持って受け入れて行かなければならないのでしょう。


さて、ナパのワイナリーをいくつがご紹介して参りましたが、これらのワインをもし店頭でお見かけられましたら、是非一度お試しください。


世界中のワインを、その土地、その気候、その歴史、そしてその人たちを思い浮かべながら楽しむことは、何と至福の極みでございましょう。(ただし飲み過ぎなければですが!自戒!)