462.地獄からきた陪審候補 (2005/01/20)

日本でも裁判陪審員制度が検討されています。これはそもそも、裁判官の生活が一般市民の生活とかけ離れているため、判決内容に世間の常識から逸脱した部分があると指摘されたことが、発端だったと記憶しております。


確かにいったん判事になってしまうと、日常生活において俗世間から隔離され、社会人としての常識が養われないと言う可能性は、否定できないかもしれません。


住宅の例を挙げてみましょう。サラリーマンが、ローンを何年も払い続けた末に、住宅をやっと手に入れたとしましょう。しかし、裁判官は専用の官舎に住んでいますから、住宅を手に入れる苦労を知りえません。この裁判官が、住宅を手に入れる苦労を考慮しない判決を下すのは、当然の事と言えるでしょう。


そこで、このような一般的な背景を一般市民から選ばれた陪審員によって補い、判決をより常識的なものにしていこうと言うわけです。しかし、はたして一般市民には必ず常識が備わっているのでしょうか?


CNN.co.jpに面白い記事が載っています。「集まったのは地獄の陪審候補 弁護士が困惑」と言う記事は、USテネシー州の陪審員についての話ですが、市民から無作為に選ばれた陪審員候補者の中から、12人の陪審員を弁護士が選ぼうとしたところ、集まっていた候補者はとんでもない人たちだったと言うのです。


まず一人目がこう言ったそうです。


「おれはモルヒネをやってる。たこより高くブッ飛んでるぜ!」


次の男は、


「自分の甥を撃とうとして逮捕され、精神病院に入れられた。」


さらにもう一人は、


「アルコール中毒だったが、おとり捜査員を売春婦と思いこんで買春しようとして逮捕された。売春婦のくせに、歯がきれいに揃ってたから、おかしいと気付くべきだった。」


、、、


日本ではもう少し善良な市民の方々が、お集まりになられることを願っております。