517.無料メーリングリストを比較する2: 無料なのに広告はなし (2005/06/23)

さて前回の雑記で、今回求めているメーリングリストの条件を書きましたが、メーリングリストを開設されたことのある方には、無理があるように見えたかもしれません。


無料メーリングリストサービスYAHOO! JapanInfoseekなどたくさんありますし、広告がつかないメーリングリストも有料なら探すのに苦労しません。無料でかつ広告がつかないという、2つの条件を同時に満たすところに難しさがあります。


UNIX上でメーリングリストを管理するソフトウェアは、Majordomoを始めとして多くの無料ソフトウェアがあります。基本的な機能はこの管理ソフトウェアで決まってしまいますが、メーリングリストのプロバイダーは付加価値をつけながら差別化をはかり、独自の機能で魅力あるメーリングリストを提供しようとしています。


そもそもメーリングリストは、もとはひとつのメールが大勢の参加者に配信されますから、トラフィックの増大を必然的に伴います。サービスとして提供する為のシステムには、それなりのコストがかかります。


一方で、メーリングリストには共通の興味や属性を持った人が集まりますから、宣伝効果の高い広告を流すことが可能になります。


ですから、無料のメーリングリストに広告が入るのは、当然の事と言えるでしょう。


同窓会サイトのような身内が集うところでメーリングリストを設置する場合は、広告の入ったメーリングリストは相応しくないとされています。そのため、広告が入らない有料メーリングリストを利用するケースが、多いのではないかと思います。


しかしながら、世の中にはいろいろなビジネスモデルがあるものです。無料でありながら広告の入らないメーリングリストがいくつかありましたので、ご紹介して行きたいと思います。


検索サイトで、「メーリングリスト 無料 広告」などのキーワードで探してみると、QuickMLALLSERVER、そしてgooメーリングリストなどを見つけることができます。


QuickMLは、以前は大規模なメーリングリストを構築することができたようですが、サーバーの負荷が大きくなったために、参加者が10名までに制限されてしまいました。少人数でのメーリングリストには良いかもしれません。


gooメーリングリストは、QuickMLをベースにしたサービスで、50名までの参加者が可能です。


NTTの子会社が運営していますから安定したサポートが期待できそうですが、レスポンスが少し遅いのが気にかかるところです。特にウェブ上での管理画面の操作レスポンスが遅く感じました。


また、参加者の追加に必要な手続きも、少し解りにくいかなと思いました。さらに、広告ではないものの、いくつかのURLがメールの末尾に常に追加されるため、携帯メールでは利用しづらいように思えました。


管理者宛てのメールが、gooメールのアドレスにしか届かないのもマイナス要因でした。もっとも、gooがメーリングリストを無料で提供している目的が、gooメールの利用者を増やすことにあるそうですから仕方がありません。


gooメールのレスポンスが遅いので、メンバーの入れ替わりが多くなったり配信メールにトラブルがあった時など、管理する事が負担になりそうだったので、gooメーリングリストは断念することにしました。


さて、ALLSERVERですが、サイトを訪れると真っ先に出会い系サイトの広告が表示されたので、数少ない無料で広告なしのメーリングリストでしたが、試すのはやめておきました。


この段階で、無料メーリングリストのサービスは諦めて、とりあえず転送メールでメーリングリストの代用にしようと考え始めました。


しかし、さらに調べていくと、ある大手プロバイダーの無料メーリングリストがある事に気付いたのです。

516.無料メーリングリストを比較する1: 無料でもタダでは済まない (2005/06/23)

少し前の雑記でご紹介していましたが、今同級会のサイトを作ろうとしています。その中でメーリングリストを提供しようとしているのですが、なかなか期待通りのサービスはないものですね。


まあ、確かに年間1000円から3000円ほど出せば、小規模なメーリングリストには十分な機能を持ったサービスはたくさんあります。しかし、このサイトで使っているレンタルサーバーが年間1500円ですから、例え1000円だとしても、メーリングリストの為だけに払うには高く感じてしまいます。(かなりケチ!)


また、同級会サイトを勝手に(頼まれもしないで)始めるのですから、そのために費用を掛けるのはあまり好ましくありません。(やっぱりケチ!)


転送メールのアドレスを設定すれば、とりあえずメンバー全員にメールを配信することはできますし、いったいどのぐらいメンバーが利用してくれるか分かりませんから、最初から無理に有料メーリングリストを使う必要はないと考えました。


そこで、無料メーリングリストでどこまで希望する機能が満たすことができるかを、いろいろ検討することにしました。その結果をまとめてみたいと思います。


まず、今回のメーリングリストで必要とされる条件です。



  1. 無料であること。(しつこい!)
  2. 広告がメールに入らないこと。
  3. 参加メンバーが50人までであること。
  4. 携帯メールに対応していること。
  5. 管理・運用が簡単なこと。

特に注意を払った点は、携帯メールを辛うじて使えるレベルのメンバーでも、躊躇なく参加できるようにすることです。


不特定多数を対象にしたメーリングリストなら、それぞれのレベルや興味に応じて参加者が集まるのでしょうが、同級会のようにメンバーが限られていて、その中でできるだけ多くの参加者を集めるには、メーリングリストそのものが誰にでも受け入れられるものでなければなりません。


この条件を満たすのが、なかなか難しいのです。一度メーリングリストを設定してしまうと、そう簡単には変更できませんから、慎重に選ばなくてはなりません。


試行錯誤をした結果、これで行けそうかなと思うサービスが見つかりました。少しでもご参考にしていただければと思い、報告させていただきたいと思います。

489.独自ドメインを考える5: 独自ドメインをレンタルサーバーで使う (2005/03/20)

さて、独自ドメインを取得したら、DNS(Domain Name System)サーバーの設定を行って、ドメインをサーバーと関連付けなければなりません。ここでは、ウェブサイトをレンタルサーバーを使って開設する場合を想定して、説明していきます。


".com"や".net"などのgTLDや汎用JPドメインの場合は、セカンド・レベル・ドメインから独自に割り振られますから、各TLDを担当するDNSネームサーバーに、レンタルサーバーが使用するネームサーバーIPアドレスを返すように設定しなければなりません。


もう少し細かく書くと、DNSのルートサーバーから各TLD(".com"や".jp"等)のネームサーバーへの経路は既に出来ていますが、新たに取得したドメインへの経路は、".com"や".jp"のネームサーバーには存在していないので、登録してやる必要があるのです。この為には、ドメイン側とレンタルサーバー側のそれぞれに設定が必要になります。


通常は、ドメイン取得を代行する業者が、ドメイン管理画面をウェブサイト上に用意しており、そこからレンタルサーバーが使用するネームサーバー名を入力出来るようになっているでしょう。


次にレンタルサーバー側で、ドメイン名の追加をします。これも同様にサーバーの管理画面上で、ドメインの登録が出来るようになっていることが多いようです。これによって、レンタルサーバーのネームサーバーから自分に割り当てられたWWWフォルダまでの経路が、確立される事になります。


ここで問題になるのは、ドメイン管理業者やレンタルサーバー業者が、ドメインの持ち込み(ドメイン管理とサーバーを別々の業者で行うこと)を禁止している場合があることです。この場合、ドメイン取得とレンタルサーバーを一緒に契約しなければならず、各々選定するのに比べると自由度が下がるのは否めません。


そもそも、独自ドメインを取得するメリットのひとつは、レンタルサーバーの機能やサポート、あるいはコストなどに不満が出てきてレンタルサーバーを変更する場合でも、サイトのURLやメールアドレスが変わらないところにあります。ですから、たとえドメインの取得・管理とレンタルサーバーを同一の業者に依頼する場合でも、2つの契約は各々独立している方が好ましいと言えるでしょう。

レンタルサーバーの業者で、「ドメイン持ち込み可能」と表示している場合は、他の業者で取得したドメインをサーバーに登録する事ができます。パーム系サイトで人気の高い「ロリポップ」や、「さくらインターネット」などが、ドメインの持ち込みが可能です。


レンタルサーバーには、多くの機能が提供されている一方で、制限事項もいろいろありますから、注意が必要です。例えば、転送容量に制限があったり、WEBLOGの予約投稿機能のためのCRONTABが使えないなど、必要とする機能がサポートされているか、よく確かめてから契約をするように心がける必要があります。(実は私もよく確認しなかったために、あとで気付く事が多いのですが。)


あと、取得したドメインをメールアドレス専用として使うメールサーバーや、無料ホームページサービスでありながら独自ドメインを持ち込むことが可能なものなど、いろいろな独自ドメインの利用方法があります。


今や世界中に張り巡らされたインターネットは、20世紀以降のすべての発明の中でも、社会に及ぼす影響が最も大きいものの一つであると考えられています。


放送とインターネットの融合がニュースになっていますが、家電業界もインターネットとの融合を目指し、ネット家電の普及を図っています。各家庭に設置されたホームサーバーにアクセスすることで晩ご飯のおかずが決まるのは、そう遠い未来ではないような気がします。


将来のインターネットが、今の技術の延長線上にあるとするならば、おかず情報を受け取るホームサーバーにも、ドメイン名が必要になるでしょう。


将来の事を考えて、今のうちに独自ドメインを取得しておくのも、一考に値するのではないでしょうか?


結局最後は、独自ドメイン取得をお勧めすることになってしまいました。

488.独自ドメインを考える4: ドメイン名の決め方 (2005/03/18)

さて、独自ドメインが今やそんなに安いのなら、ひとつ取得してみるのも良いかなと思い立ったとしたら、次は独自ドメイン名を決めなければなりません。ドメイン名を決めるのは楽しい作業であると同時に、悩みの多い作業でもあります。


もちろん、最初からこれしかないと言う取って置きの名前がある場合は良いのですが、これと言って特別に思いを込めた名前がない場合は、あれやこれやと悩むことになります。


また、たとえドメイン名をひとつに決めたとしても、既に誰かによって登録されていれば、別の名前を考えなければなりません。


そのような時に助けてくれる(かもしれない)のが、ドメイン名作成サイトです。検索サイトで探すとたくさん出てきますが、その中で2つほどご紹介したいと思います。


一つ目は、"webmaster-toolkit.com""Domain Name Generator"です。上部にある"Word/Phrase:"に好きな言葉を入力すると、その言葉を使って派生させた名前を、数多く表示してくれます。


試しに"palm"と入れてみると、"beach-palm", "desertpalm", "free-palm-software", "game-palm", "palmpda", "palm-tree", "thepalm"などなど、いろいろなドメイン名を作り出してくれます。


おもしろいのは、"palm"という単語が、「PDA」や「木の名前」であると認識した上で、名前を派生させているところです。ですから、意味のない単語からは作成できません。例えば"palmtrotter"を単語として入力すると、エラーになります。


二つ目は、もう少し的を絞ってドメイン名を作成してくれるものです。"Domain Fellow"は、キーワードを入力するところは同じですが、カテゴリーを選ぶことができる点が異なります。


".com", ".net", ".org"にしか対応していないのが残念ですが、それぞれのTLDでカテゴリーに合った名前を作成し、同時にそれらが既に登録されているかどうかも表示してくれます。


カテゴリーには、"Alphabet", "General", "Numbers"などの一般的なものから、"Entertainment", "Finance", "Music", "Sports", "Travel"などの特定の業種を対象としたものまであります。


"Prefixes"か"Suffixes"を選ぶことによって、派生する言葉をキーワードの前に付けるか後に付けるかを、選ぶことができます。


さて、自分で決めたドメイン名が、既に登録されているかどうかを調べるには、"Whois"と呼ばれるデータベースの情報を検索することになります。


ほとんどのドメイン取得を代行するレジストラのサイトから、Whoisデータベースを検索する事ができるようになっていますから、既に登録済みであるかどうかを調べることができます。


また、Whoisデータベース検索専用のページからは、ドメイン名からだけでなく、IPアドレスからも検索することができます。代表的なものは、"ANSI Whois Gateway"と、JPRSが提供している”WHOIS"あたりでしょうか。


ただ、Whoisの検索サイトによって違う結果が出ることがありますし、検索で未登録とされたドメイン名でも、実際は登録済みであったりすることがあります。あくまでも結果は、参考に留めておく必要があるようです。


独自ドメインを取得しただけでは、実際に利用することはできません。ウェブサイトのURLとして使うにせよ、メールアドレスとして使うにせよ、サーバーに登録して、DNSにドメイン名を組み込む必要があります。


そこで最終回では、独自ドメインを利用するためのレンタルサーバーについて、ご紹介したいと思います。

487.独自ドメインを考える3: ドメイン取得の費用 (2005/03/17)

少しその他のccTLDについて触れてみたいと思います。


ccTLDにはその国・地域に属していなければ登録できないものがありますが、外貨獲得を目的として、制限なしに開放されているものもあります。


有名なところでは、オーストラリア領ココス諸島".cc"や、南太平洋のツバル国".tv"などがあります。特に".tv"ドメインは、テレビ局をイメージしやすいため日本でも人気があるようです。


またドイツの".de"の登録数が、2005年2月28日に8,457,501に達したそうですが、ドイツ語表記であるウムラウト(Umlaut)を使った国際ドメイン名によって、ドメイン登録を大きく増やしているそうです。日本語ドメインだけでなく、世界中で国際ドメイン名が広まってきています。


さて、面白いトップレベルドメインだからと言って飛びつくと、いつの間にかサポートが中止されていたと言うことも、実際にあるようです。


あるいは、gTLDのひとつである".org"でサポートされていた国際ドメイン名の"日本語.org"が、レジストリの更新に伴い一斉に抹消されそうになったことがあります。せっかく苦労してドメインを手に入れても、このようなことがあればあっという間に消滅してしまいますから、レジストリの動向は重要です。


ドメイン名は、一度取得すると更新さえ怠らなければ、インターネットが存続する限り永遠に使い続けることができますが、これにはドメインのレジストリが、安定したサポートを提供できるかどうかが鍵を握っています。


gTLDのひとつである".net"のレジストリが、現在の米国VeriSign契約満了に伴い更新されます。世界中から5社が候補に上がっており、3月28日には後継レジストリが発表されることになっています。候補の中には、日本の".jp"レジストリであるJPRSによる合弁会社も含まれています。


レジストリが入れ替わると、登録・管理費用が変更される可能性がありますし、サーポートが改善・改悪されたりすることもあるでしょう。また、特定のレジストリによる、ドメイン・マーケットの支配力に影響を及ぼすかもしれません。".net"の後継レジストリの発表に注目したいと思います。


さて、ドメイン取得と管理の費用ですが、ここ数年でかなり下がってきているようです。gTLDの".com"などで、安いレジストラで年間800円から1000円ぐらい、高いところでは3000円から5000円ぐらいでしょうか。ccTLDの".jp"は、年間3000円から8000円と言ったところです。


汎用JPドメインの登録料の卸値が、昨年末に年間500円程下がりましたし、今年末には更新料が下げられる予定です。このようにドメインの登録・管理料は常に変動しますから、ドメインの取得を考えている場合は、最新の情報を知っておくと良いでしょう。


今見渡した中で一番安かったのは、「ムームードメイン」".co.uk"".org.uk"660円(税込み693円)でしょうか。この660円は、「ムームー」の名前の由来にもなっています。


".uk"は、イギリスのccTLDですから、特にイギリスやヨーロッパに関連するサイトを運営するには、安く取得でき、相応しいドメイン名と言えるでしょう。


最近では、YAHOO!やMSN、infoseekなどのポータルサイトがサポートする独自ドメイン取得サービスがあります。ただ、別の代行業者と提携しているためか、比較的費用が高いように思います。


また、独自ドメイン取得料込みで提供されているレンタルサーバーも、手続きが簡単になるメリットはあっても、費用的には決して安くはないようです。


ドメイン取得・管理費の点では、「ムームードメイン」「リンククラブ」「バリュードメイン」あたりがお手ごろと言えるでしょうか。


ドメイン取得の際に確認しておかなければならないことは、その登録代行業者に依頼した場合、一般に公開されているドメインの登録者情報に、個人情報を掲載しないようにする事が可能であるかどうかという事です。


いずれにしても、長期に渡って安心してドメインの管理を任せることが出来るレジストラを探すことが、重要だと思います。


では次回は、ドメイン名の決め方について考えてみたいと思います。