489.独自ドメインを考える5: 独自ドメインをレンタルサーバーで使う (2005/03/20)

さて、独自ドメインを取得したら、DNS(Domain Name System)サーバーの設定を行って、ドメインをサーバーと関連付けなければなりません。ここでは、ウェブサイトをレンタルサーバーを使って開設する場合を想定して、説明していきます。


".com"や".net"などのgTLDや汎用JPドメインの場合は、セカンド・レベル・ドメインから独自に割り振られますから、各TLDを担当するDNSネームサーバーに、レンタルサーバーが使用するネームサーバーIPアドレスを返すように設定しなければなりません。


もう少し細かく書くと、DNSのルートサーバーから各TLD(".com"や".jp"等)のネームサーバーへの経路は既に出来ていますが、新たに取得したドメインへの経路は、".com"や".jp"のネームサーバーには存在していないので、登録してやる必要があるのです。この為には、ドメイン側とレンタルサーバー側のそれぞれに設定が必要になります。


通常は、ドメイン取得を代行する業者が、ドメイン管理画面をウェブサイト上に用意しており、そこからレンタルサーバーが使用するネームサーバー名を入力出来るようになっているでしょう。


次にレンタルサーバー側で、ドメイン名の追加をします。これも同様にサーバーの管理画面上で、ドメインの登録が出来るようになっていることが多いようです。これによって、レンタルサーバーのネームサーバーから自分に割り当てられたWWWフォルダまでの経路が、確立される事になります。


ここで問題になるのは、ドメイン管理業者やレンタルサーバー業者が、ドメインの持ち込み(ドメイン管理とサーバーを別々の業者で行うこと)を禁止している場合があることです。この場合、ドメイン取得とレンタルサーバーを一緒に契約しなければならず、各々選定するのに比べると自由度が下がるのは否めません。


そもそも、独自ドメインを取得するメリットのひとつは、レンタルサーバーの機能やサポート、あるいはコストなどに不満が出てきてレンタルサーバーを変更する場合でも、サイトのURLやメールアドレスが変わらないところにあります。ですから、たとえドメインの取得・管理とレンタルサーバーを同一の業者に依頼する場合でも、2つの契約は各々独立している方が好ましいと言えるでしょう。

レンタルサーバーの業者で、「ドメイン持ち込み可能」と表示している場合は、他の業者で取得したドメインをサーバーに登録する事ができます。パーム系サイトで人気の高い「ロリポップ」や、「さくらインターネット」などが、ドメインの持ち込みが可能です。


レンタルサーバーには、多くの機能が提供されている一方で、制限事項もいろいろありますから、注意が必要です。例えば、転送容量に制限があったり、WEBLOGの予約投稿機能のためのCRONTABが使えないなど、必要とする機能がサポートされているか、よく確かめてから契約をするように心がける必要があります。(実は私もよく確認しなかったために、あとで気付く事が多いのですが。)


あと、取得したドメインをメールアドレス専用として使うメールサーバーや、無料ホームページサービスでありながら独自ドメインを持ち込むことが可能なものなど、いろいろな独自ドメインの利用方法があります。


今や世界中に張り巡らされたインターネットは、20世紀以降のすべての発明の中でも、社会に及ぼす影響が最も大きいものの一つであると考えられています。


放送とインターネットの融合がニュースになっていますが、家電業界もインターネットとの融合を目指し、ネット家電の普及を図っています。各家庭に設置されたホームサーバーにアクセスすることで晩ご飯のおかずが決まるのは、そう遠い未来ではないような気がします。


将来のインターネットが、今の技術の延長線上にあるとするならば、おかず情報を受け取るホームサーバーにも、ドメイン名が必要になるでしょう。


将来の事を考えて、今のうちに独自ドメインを取得しておくのも、一考に値するのではないでしょうか?


結局最後は、独自ドメイン取得をお勧めすることになってしまいました。