335.秒速30万キロメートル2: 地球は丸かった (2004/04/26)

何となく「地球は青かった!」の間違いのような気もしますが、その昔は地球はお盆のように平たい物だと思われていた時代もあるそうですから、地球は丸いと感心したとしても不思議ではありません。、


丸いと言うよりは球体である訳ですが、では全くの歪みのない球体かと言えば、そうとは言えないと思うのです。例えば、エベレスト山などは8,850メートルもあるのですから、球体の上に突起が見えるはずです。


また、地球は自転の遠心力の影響で、極部分より赤道部分の方が40キロメートルも直径が長いそうです。


高校の時に読んだ岩波新書に、「地球を紙の上にできるだけ正確な形に書くにはどうしたらよいか?」という課題が載っていました。


取りあえずコンパスを使って、直径10センチメートルぐらいの円を書いてみるのですが、赤道部分を少し膨らまして、さらに山の突起を付け加えてみたりするわけです。


地球儀で精巧な物では、山や海溝がでこぼこになっている物がありますが、それを真似して、でこぼこを付けてから楕円にしてみるのです。


それでは、実際はどの程度地球はでこぼこしているのでしょうか? インターネットで調べると、地球の赤道半径は6,378キロメートル極半径は6,357キロメートルだそうです。直径に直すと、それぞれ12,756キロメートル、12,714キロメートルになります。


もし地球を直径10センチメートルの円として書いた場合、エベレスト山の高さは0.07ミリメートル、日本海溝も同じぐらいになるでしょう。


極と赤道の直径の違いが40キロメートルですから、約0.3ミリメートルです。つまり、直径10センチメートルの地球を紙に書いたとき、もし0.5ミリメートルの芯のシャープペンシルで書いたら、地球の球体からの歪みは、線の太さ程度しかないと言うことになります。


ですから、紙にできるだけ正確に地球を描けと言われたら、何も考えずにコンパスできれいに円を書くとよろしいと言うことです。


ところで、光が1秒間に30万キロメートル進むと、地球を7周り半するのでしたね。300,000キロメートルを7.5で割って円周を求め、πで割ると直径が求まります。ざっと計算すると、地球の直径は12,700キロメートル(12,732.4キロメートル)と言ったところでしょうか。


光の速さから求めた地球の直径も、7周り半などと如何にもいい加減な割には意外と正確ですね。このように光の速さを覚えておくだけで、周波数から波長の計算ができたり、地球の直径を求めることができます。


「秒速30万キロメートル」を覚えておくと本当に便利ですね!(それほど便利ではないですが、、、)

334.秒速30万キロメートル1: 電波と目玉焼き (2004/04/25)

秒速30万キロメートルと言うと光の速さですね。電波とは、300万メガヘルツ以下の周波数の電磁波をいいますが(電波法総則第2条)、電波も光と同じ電磁波ですから、同じ速さで空間を進みます。


1秒間に進む距離を周波数で割ると、波長が求められます。電波は波長によって特性が変わりますので、波長の帯域ごとに別の呼び方をします。


アンテナの基本形は、1/2波長のダイポールアンテナです。その電波の波長の半分の長さを必要とします。携帯電話で使われているアンテナは、基本的にボディー筐体を接地とした1/4波長のホイップアンテナです。実際のアンテナの長さは、ローディングコイルやアンテナ材質による短縮率によって、波長の計算より短いものが多く使われます。


AMラジオで使われている中波(MF)は、300Khzから3Mhzの電波を指し、波長は1Kmから100mになります。短波(HF)の波長は100mから10m、超短波(VHF)の波長は、10mから1mというように、波長が10分の1ごとに呼び名が変わります。


波長が1mから10cmになってくると、極超短波(UHF)と呼ばれ、周波数は300Mhzから3Ghzになり、現在の携帯電話無線LANBluetoothなどに利用されています。


アマチュア無線では、300Mhzを超える周波数を使う無線機では、人体、特に眼球で吸収された場合、そこひになると言われていました。そこひとは白内障のことで、眼球に吸収された電磁波のエネルギーが熱に変わり、文字通り目玉焼き状態になってしまうのです。


また、電子レンジの周波数が2.45Ghzですが、物体の中心部で熱に変わるため、食品を熱するのに適しています。赤外線などでは、体の表面で吸収され熱に変わりますから、温度を肌で感じることができますが、電子レンジの周波数の場合、身体の内部で熱になる為、気付かないうちに体内のタンパク質が変化する可能性があります。


UHF帯を使う機器が増えてきて、近い将来若くして白内障になる人が増えることがないように、携帯電話の使用はほどほどにして、その代わりもっとパームを使うようにしてはいかがでしょうか?(結論にかなり無理がありますな。)

333.King of Hobby (2004/04/24)

こしぱ WEBLOGとらじろうさんの4月20日の雑記を読ませて頂いき、アマチュア無線にかつて凝っていた時の事を思い出しました。


おそらく数十年前までは、電波の利用においてまだ発展期であり、どのように電波が地球上を伝搬するか、それほど正確には分かっていなかったように思います。限られた出力で、できるだけ遠くに電波を飛ばす事を目標に掲げる無線家たちは、太陽黒点の動向を探り、アンテナを工夫して指向性を高め、真空管を磨き、他の国々の時差を計算し、通信技術を高めながら目的の交信相手と巡り会えることを目指したのです。その過程で多くの発明がなされ、新技術の開拓に多大な貢献をしてきました。


ある者は、アンテナに新しい概念のアクティブ・レフレクターを考案し、ある者は超高周波を増幅するために導波管を板金加工し、ある者は海外と交信するために語学力を身につけ、ある者はナローバンドのテレビ通信を実験し、そしていつしかそれらの技術は特殊なものではなくなって、私達の誰もが利用することが出来るようになってきました。


今、携帯電話の中継局として使われているものは、アマチュア無線で使われてきたリピーターの技術を応用したものです。また、テレビ会議システムなどで使われている画像伝送技術は、SSTV(Slow Scan TV)の技術です。


昔はアマチュア無線を、"King of Hobby"と呼んでいました。世界中で統一された免許制度のもとに、言葉や文化を超えた交流ができたのです。これ以上のグローバルな趣味があったでしょうか?


そして、電子技術の進歩によって、以前は特殊な技術が必要であった無線機の運用が、今や誰でも手軽に携帯できるようになったのです。それと同時に、無線や電波と言うこと自体をほとんど意識しないで、携帯電話(無線機)を使いこなすようになってしまいました。


長距離通信が高価なものであった時代においては、世界中に自由に電波を飛ばす事はアマチュア無線の特権でした。電波という言葉には特別な響きがあります。1秒間に地球を7周り半(30万キロメートル)も駆けめぐる光と同じ速さで伝わると言う神秘性は、コンピューターのネットワークとはまた違った魅力があります。


これから無線技術がどのように発展し、人類の進歩に貢献するのか分かりません。でももうどこかで、無線が新たな世界を切り開いているような予感を感じるのは、私だけでしょうか?

332.逆さモン・サン・ミッシェル (2004/04/14)

昔から、美しい風景は逆さまにしてみると、またひときわ美しさが引き立つと言われています有名なところでは、富士五湖に逆さまに映る逆さ富士とか、天橋立の股覗きをあげる事ができます。


逆さ富士にはいろいろなバージョンがありますが、その中でも一番美しいとされるのは本栖湖に映る富士山ではないでしょうか。五千円札の絵にも採用された姿は、風情ある日本的な風景の代表と言えるでしょう。


天橋立は、股から覗き込むことによって天地が逆になり、松並木が空中に浮かび上がった橋げたに見えるところから、天に架かる橋と呼ばれたそうです。(今更言うほどの事ではありませんが。) 


海外にも美しい景色を逆さまにして見るポイントがいくつかあります。例えば、スイス・アルプス逆さマッターホルンは、最も美しい風景の一つではないでしょうか。


夏のマッターホルン見物のハイライトになっており、リッフェルゼー湖などに映るマッターホルンには、山の美しい姿をさらに引き立てる効果があるようです。


またUSヨセミテ国立公園では、氷河によって山の半分が削り取られたハーフドームと呼ばれる山が、訪れる人を魅了しています。


このハーフドームが湖に映る姿は、多くのフォトグラファーによって絶好のカメラアングルを提供してきました。湖面に映し出される山の姿は、一度は見てみたいものです。


さて、逆さにすると美しさがひときわ冴えることが多いのは確かですが、何でも逆さにすれば良いと言うものではありません!


リクルートが発行している旅行雑誌の最新号、「ABROAD 5月号」表紙の写真は、世界遺産の特集記事を組んでいる事もあり、モン・サン・ミッシェルが採用されていますが、なんとこの写真が左右逆なのです!


最初、この雑誌が掲載された電車のつり革広告を見ていて、違和感があったのでどうしてかなと思っていたのですが、良く見ると参道の向きが逆になっているのです。観光バス用の駐車場も向かって左にあるはずなのに右にありますし、私が泊まったホテルも門を入って右のはずが左になっています。


世界遺産を紹介している本文にもモン・サン・ミッシェルの写真が使われていますが、こちらは正しい向きになっています。よりによって表紙の方を間違えてしまったようです。是非皆さんも本屋でお確かめください。

しかし、誰か編集作業中に気付かなかったのでしょうか?旅心のある旅行雑誌の編集者たちなら、少なくとも何か変だと感じなかったのでしょうか?


ところで、この雑誌の表紙を見ていて気付くのは、モン・サン・ミッシェルの周りの海が干上がって来ていると言うことです。


このあたりの海は、干潮時と満潮時の水位の差が激しく、駐車場が水没することがあるほどですが、自動車が通れる橋ができた影響で潮の流れが悪くなり、近年砂の堆積が増えてきたそうです。


このままでは、近い将来完全に陸続きとなってしまうため、橋を取り除く計画があるそうです。そうなると、すべての観光客は陸側にある駐車場で車を停め、徒歩で観光しなければならないそうです。


世界遺産を守っていくのは、容易い事ではなさそうです。

331.「太陽は地球の周りを回っている」 (2004/04/12)

春分の日も過ぎて3週間も経つと、日照時間が長くなってきた事を実感します。私が愛用する"Earth&Sun"によりますと、昼の長さがほとんど13時間に迫ってきています。春分の日がおよそ12時間でしたから3週間ばかりで1時間延びたことになります。


秋は「つるべ落とし」と言いますが、春分・秋分の頃が一番昼の長さの日々の変化が大きいようです。もうすっかり暑さを感じるような陽気になって参りました。


読売新聞 (Yomiuri On Line)のサイエンス欄に、「太陽は地球の周りを回っている」と題して、国立天文台の先生が小学生に行った調査の結果が掲載されています。


調査対象があまり多くないため、小学生全体に当てはまるかどうか疑問がありますが、予想以上に天文知識の欠如が見られたそうです。


例えば、「地球は太陽のまわりを回っている」「太陽は地球のまわりを回っている」のどちらが正しいかを選ぶ問題では、41%が後者の天動説を選んだそうです。


また、別の地域の小学生に行った調査では、「月の形が毎日変わるのはなぜか?」と言う問いに対して、「地球から見て月と太陽の位置関係が変わるから」と言う正解は49%しかなかったそうです。


「月が地球のかげに入るから」が最も多い誤りだったそうですが、「いろいろな形の月があるから」と言うのもあったそうです。それはそれで直感的で面白いかもしれません。


学校の理科の時間が以前に比べて減ってきていますし、理科の授業で習って正しい答えを知っていたとしても、単に教え込まれただけの知識ではあまり意味がないかもしれません。


ただ小学生が「天動説」に傾いているのが、自分を中心に世界が回っていると思い込む、自己中心的な考え方が蔓延した結果でないことを願いたいものです。