365.近くて遠いミラクルな国1: 韓国ブーム (2004/07/24)

「冬のソナタ」から始まった韓国ブームも一部のファン層に留まらず、NHKの業績に影響を及ぼしたり、総理大臣がその人気にあやかろうとするようになってきました。もはや一過性のブームとは言えないようです。


「冬のソナタ」のドラマの中では、近代的な空港の中をヒロインが走り回り、日本と似ていながら異なっている韓国の風景や文化が、あらゆるシーンの中に表れています。


以前は国の重要な施設や高所からの撮影は禁止されていました。すなわち空港鉄道の駅橋梁などの交通設備や、高いビルやタワーからの撮影は御法度でした。


釜山の空港のチェックインカウンターの写真を、航空会社の係員に撮影の良否の確認をしてから1枚だけ記念に写真を撮った途端、2人の警備員に駆け寄られ、「何を撮ったか?」、「なぜ撮ったか?」と聞かれたことがありました。


今、ドラマのシーンで空港の中の様子が大きく映し出されているのを見て、以前より規制が緩くなってきている事を感じました。


昔の個人旅行のガイドブックには、似た風景であるがどこか異なっている国、日本から一番近い国であるにも関わらず、なぜか遠い国。意外なことを発見する事が出来るこの国のことを、ミラクル韓国と呼んでいました。


ペ・ヨンジュンがソニーのハンディカムビデオのCMキャラクターに起用されましたから、日本のテレビに登場する機会がまた増えそうです。さらに「冬のソナタ」に続けとばかりに、いくつかの韓国ドラマが放映され始めました。


韓国ドラマから始まる韓国ブームは、私達がこれまで知っているようで良く分からなかった韓国の人々の生活を知ることができる、良い機会になるのではないでしょうか?


「冬のソナタ」を見ながら、1986年の夏に2週間の韓国旅行をした時の事を思い出してみました。

364.百万人の打ち水 (2004/07/23)

暑い日が続いていますが、最近は夕方頃から少し風が吹くようになりしのぎやすくなって参りました。パソコンルーム兼物置でサイトの更新をしております関係上、暑すぎる日にはパソコンの電源を入れることさえ苦痛になります。特にCRT式のディスプレーは暑さに悲鳴を上げて、時々内部で火花を散らしております(冗談ではなく本当に)。


さて、東京では「打ち水大作戦」と称しまして、毎年夏の間、一斉に打ち水をして気温を下げ、風を起こそうと言う運動があります。


昨年は、34万人の方が参加されたそうで、実際に東京の気温を1度下げることが出来たとされています。今年は、100万人の参加で気温を2度下げる事を目標とされているそうです。


打ち水を江戸の風習として見直し、ヒートアイランド効果で上昇中の都会の気温を、少しでも下げる運動を広げようとしています。


大阪でも「御堂筋打ち水大作戦2004」が、8月18日正午に計画されています。ここでも2度気温を下げることが目標になっています。大阪は、以前から東京よりヒートアイランド現象が顕著であるとされていますから、その効果が期待されます。


エアコンは温度を下げるものと思っていますが、実際は部屋の熱を部屋の外に移動しているだけですから、決してトータルでは温度を下げる訳ではなく、逆にモーターを運転する事によって冷媒に与えられたエネルギーは、余分な熱エネルギーとなって大気中に放出されます。消費した電力分の熱エネルギーが、夏の暑さに拍車をかけることになります。


きつい冷房は体に悪いからと言って、部屋を閉め切らずに外気を入れながら冷房をかける人がいます。自然の空気に触れていないと健康に悪いと言う理屈です。


それなら冷房を切るべきです。部屋の温度がいつまで経っても下がらないので、エアコンがフル稼働するため必要以上に電気を浪費します。スピードが出ると怖いからと言ってアクセルとブレーキを一緒に踏んでいるドライバーと同じで、エネルギーの無駄遣いになります。


打ち水にも夏場の貴重な水を使うのではなく、洗濯のすすぎ水や風呂の残り湯などを使うように呼びかけています


東京では一斉に打ち水をする日が決められていて、8月18日(水)正午8月25日(水)正午に予定されています。1人当たり1リットルの水を蒔くと、百万人で行えば2度気温が下がると予想しているようですが、果たして今年の結果はどうなるでしょう?


あまりに多くの水蒸気が発生して、局地的に夕立が降ったりしないかと心配になってきますが、人がジャンプして地震を起こす運動よりは役に立ちそうです。


ただ、打ち水をして気温が下がって風が吹き始めたら、エアコンを止めることをお忘れなく。そよ風の吹く街を、浴衣を着て夕涼みに出かけると言うのも、これまた情緒があってよろしいのではないでしょうか。

363. Jackito TDA? (2004/07/16)

japan.internet.comに、「失くすものは使わない」と言う記事が掲載されています。PDAに付き物のスタイラスをよくなくすが、それなら最初からスタイラスを使わないPDAはどうかと言うのです。


そこで紹介されているJackitoと言うサイトに行くと、なにやら怪しげなPDAが紹介されています。どうもこれまでのPDAではなく、TDA
(Tactile Digital Assistant)と呼ぶようです。

大型の液晶画面を両方の親指で操作し、ハードウェアボタンも手書き認識も使わないそうです。


さらに目立つ特徴としては、7プロセッサーによるマルチタスクをOSがサポートしており、4.5インチの大型スクリーンからは音が出るとのこと。新しさを感じる以上に、少し危険な予感がします。


CPUは、三菱の10Mhzを筆頭にFPGAも搭載しているため、ソフトウェアのアップグレードも容易に出来るそうです。また動作周波数が低いため、単3電池1本で長時間動作するようです。


FAQのページにはこの製品の特徴が紹介されています。「PCとのリンクを取るクレードルをなぜ用意しないか」とか、「高性能の単一プロセッサーを採用しない理由」が並んでいます。


インターフェースとしてブルートゥース、バックアップデバイスとしてとメモリーカード・スロットが装備されており、公衆回線とは携帯電話を介して接続できればよいと割り切っています。


価格について、なぜ600ドルもするのか説明しています。やはり大型のタッチスクリーンがコスト要因だそうですが、7つのCPUやゲートアレイ、低消費電力、マルチタスク処理などを考えれば、リーズナブルな価格だと説明しています。


最初の50万台を生産した後は、量産効果で100ドルぐらいの価格低下が期待できると予想しているそうです。


会社の概要を見てみますと、1999年に設立されたベンチャー企業のようです。他に製品がないため、一体どのぐらいポテンシャルを持った企業か判りませんし、この製品にしても、これまでのPDAに比べてどのようなアドバンテージがあるか、はっきりと解説されているわけではありません。


しかし、PDAの将来に希望を持ったこのような企業が出てくると言うことは、業界にとっては刺激になって良いことでしょうし、PDAそのものの可能性が新たに開拓される事も期待できます。


脚光を浴びてPDAの新しい潮流になっていくかも知れません。

362.無理難題コラムを終えて (2004/07/13)

vega21.comさんと共同で6回連続でお送りして参りました、「無理難題コラム」を読んで頂いた方々には、御礼申し上げます。


ふふふ総帥も、お相手をしていただきまして、どうもありがとうございました。取りあえず終わってほっとしました。やはり大先輩との共同企画となりますと緊張します。


ましてや、次のテーマが一体何になるかドキドキしている間というのは、不安がいっぱいでなかなか苦しいものがありました。(でも癖になりそうな予感もあります。)


しかし、突如目の前に現れるテーマに対して情報を集めるには、やはりインターネットは絶大であることを再認識いたしました。


かなり昔になりますが、某コンピューターメーカーのCMで、「ただの数字であるデータを集めただけではビジネスは成り立ちません。多くのデータからビジネスの判断に結びつく、価値のある情報を引き出すのが、コンピューターの使命です。」みたいなコピーがあったのを思い出しました。


インターネットには今、ありとあらゆる情報が溢れかえっていて、さらに日一日とその情報は膨れ上がっています。すでに人類データーベースとでも呼ぶべき情報がインターネットには蓄積されています。


しかし、情報量が多すぎて、効率よく必要な情報を探し出すのに苦労するようになりました。情報の賞味期限も考慮しなければなりません。もうすでにインターネットの情報は、私たちが探し出すことの出来る限界を超えているのではないでしょうか?


私たちは、生活やビジネスの局面で情報を利用した判断を行いますが、そのうちに人間の処理能力を超えた情報を利用する技術が発達してくるかも知れません。これまでの人類の知恵を総動員して判断を下した方が、的確な場合があるに違いありません。


まだまだ世界は流動的です。しかし、情報が溢れあらゆる経験を人類が経験していく過程で、全ての事象は過去の経験から最適な答えを導くことが出来るようになり、いわゆる定石によって判断することができるようになるかも知れません。


今のように、インターネットの情報を探し回って自分で判断するのではなく、ネット上の人類データーベースから判断して導かれた答えに、私達は従うだけになるかも知れません。


今回ふふふ総帥から頂いたテーマであったユビキタスによって、情報ITなどの言葉が死語になってしまうのは、それ程遠い未来ではないかも知れません。

361.無理難題コラム5: ユビキタス (2004/07/10)

今回のふふふ総帥から頂いたテーマは、「ユビキタス」。ただし条件付き: 「可能な限り、死語を使って書いてください。」 確かに、vega21.comのコラムに書かれているように、「英語を日本語化した言葉には死語もしくは恥ずかしい言葉が多い」、は納得できます。


その言葉が登場したときには、おそらくイカス言葉であったのが、すたれてくるとダサク感じてしまいます。流行がセンセーショナルであればあるほど、後はどん底になってしまいます。


そう考えると、今日のテーマ「ユビキタス」などは、明らかに死語予備軍でしょう。ユビキタスに限らず、過去から現在まで電算機業界では、毎年のように新造語によるユーザー幻惑作戦が繰り返され、「今導入しないとマーケットのトレンドキャッチアップ出来ない」、とユーザーを信じ込ませて来ましたから、死語となってしまった電算機業界用語(IT用語)は少なくありません。


これまでの1人に1台のネットワークにつながったパソコンから、複数のネットワークコンピューターを利用するようになると言うのなら、何も「ユビキタス」等とハイカラな言葉を使わないで、「どこでもコンピューター」や、「ゴロゴロしているコンピューター」「腐るほどあるコンピューター」でも良いのダッチューノ


つまり、「ユビキタス」のような、最初はカッコつけてイケイケの言葉を使うと、結局最後には使うのが恥ずかしながらになるのです。


ユビキタスと言えば、どこでもコンピューターですから、パームを始めとするPDAはユビキタス・コンピューティングの最右翼ですが、PDAや電子手帳というと死語になりそうな感じです。電子手帳に限らず、電子○○はほとんどが既に恥ずかしいかも知れません。


セロハンで出来たテープをセロテープと呼び続けているように、手のひらに載せて使うコンピューターを、「パーム・コンピューター」と呼び続けたいものです。少なくとも「ユビキタス」が死語になったとしても。


ところで、死後の世界では、死語だけしか使ってはいけないそうです。なんとお寒い世界なのでしょう!


さて、イケイケドンドンでやって来ました「無理難題コラム」も、ついに次回はクライマックス最終章です。


テーマは、「明るい未来」です。ふふふ総帥、締めをよろしくお願いいたします。