110.専用パーム機はいかがですか?: ハードディスク内蔵パーム編 (2003/05/30)

パームは、ノートパソコンに比べて、その小さい筐体の為に様々な制約があります。その制約の一つに記憶容量があります。


電池によってバックアップされているRAMは、拡大傾向は続くものの、まだパソコンとは差があります。そこでハードディスク内蔵パームの登場です。


まずは、マイクロドライブを採用してみましょう。近々4GBのものが出てくるようですから、データ領域として確保して、辞典データベースを入れておきます。パームウェアも、たくさんインストールすることが出来るでしょうから、取りあえず使う当てのないものまで入れておく事が可能です。


データベースとしての利用は、更にパームの可能性を広げます。世の中には、巨大なデータベースを利用しなければならない人たちがおられますが、ネットに接続せずに大量のデータを参照する事は、そのレスポンスを改善する上で有効です。


もちろん、辞典のようにバージョンアップの頻度が低いものは、ROMに入れる事も可能ですが、必要に応じて好きな辞典を入れる事が出来るのは、ハードディスクの強みになるでしょう。


ただし、マイクロドライブを駆動するのには、電池の性能強化しておかなければなりませんから、サイズが大きくなる事は覚悟しなければなりません。


最近では、内蔵するRAMが大きくなってきた為、電池切れでリカバリーする時も結構な時間がかかるようになりましたが、ハードディスクならそのような事はありません。また、リムーバブル・ディスクなら、瞬時に取り替える事もできます。


ハードディスクを付けるだけでは、あまり変わらないと思われるかもしれませんが、パソコンからのダウンサイジングには、欠かせないスペックだと思います。


さらに、4GBものディスクスペースを満たすための、辞典やデータベース等をコンテンツとしてダウンロードできるサイトを、会員制で設けます。購入者にユーザーIDを与え、会員だけのサービスとして提供します。


もちろん、自力でウェブから必要な情報をダウンロードしたり、データベースを作ったり出来る人は良いのですが、周りに詳しい人がいないとか面倒だと言う人の方が世間では多いでしょうから、専用のウェブサイトは欠かせないと思います。


さて、パームに物足りなさを感じていたのは、ハードウェアだけではありません。ハードウェアには、ステイタス(スタイラスではない!)とファッションが重要であると考える人も多いのです。次回は、「ステイタス&ファッション編」です。

109.専用パーム機はいかがですか?: PIM編 (2003/05/30)

PIMに特化したパームを考えていたら、その前にシャープから、電子情報メモなる製品が発表されてしまいました。ニュースリリースを見たところ、なかなかシンプルに出来ていて、PIM専用としてはこんな感じでいいかなと思いました。メモに特化したコンセプトは初めての人にもわかりやすく、手帳からの移行もスムーズに行きそうです。


ただ、メモに特化しているとはいえ、支払いメモや時刻表をテンプレートメモで片づけてしまっていたり、音声メモからの書き写し(ディクテーション)の紹介がないところを見ると、取りあえず第一段として出してみて、様子を伺おうかと行ったところでしょうか。


声メモは、取りあえず急いで用件を聞いたり、議事録を取ったりするのに楽で良いのですが、必ず後で文章にしなければなりません。情報は、文章にしなければ後から参照できませんし、文章にせずに聞き流しても良い情報なら、最初から声メモは要りません。


将来は、音声認識が出来るようになるでしょうが、それまでは、声メモの内容をを部分ごとに繰り返し再生して、メモ帳等にディクテーションする事が必要です。これが機能的に出来なければ、声メモの機能は宝の持ち腐れになってしまいます。


また、メモとスケジュールのリンクが取れるそうです。例えば、行き先の地図を手書きメモで作成し、実際に出かける日時のスケジュールから、そのメモにリンクすると言う使い方をするそうです。スケジュールのコメントとして、メモが使えるわけです。


ただ、せっかくメモを中心にして、その他のアプリケーションとリンクさせようとするのなら、すべての入力をメモ経由で行うようにすると良いでしょう。Muchyさんの所で捜してみると、メモキットと言うアプリケーションがありますが、タグを使ってメモ帳に入力された内容を分類するようです。


あるいは、メモ入力中に日付や時間の記号(環境設定の書式で選択された2003/05/30 や0:49:25等)があれば、自動的にスケジュールに入力すると良いでしょう。


更に、「~までに」があれば自動的にTODOにするとか、「削除」や「×」で今あるデータを消すなど、基本的な書き方をカバーしておけば自然な表現で入力できます。全ての入力はメモ帳で出来るようになりますから、スケジュールの入力が面倒な人には良いと思います。


あとは価格です。Zire$99は、ベストセラーになるだけあって良い設定のようです。電子機器に興味のない人に衝動買いをしてもらうには、9,800円あたりが手ごろでしょうか。


しかし、買いやすい値段にしてユーザーが増えたとしても、携帯電話のように度々買い換えないので、売り上げを継続していく事が困難です。次回は、そのあたりを考えてみたいと思います。

108.専用パーム機はいかがですか?: 予告 (2003/05/28)

ここのところ、パームやPDA関連製品の新製品発表が続いているようです。これまでの製品の欠点を補ったり、新しい機構を取り入れたりと、それぞれに工夫を凝らしています。


しかし、「帯に短し、たすきに長し」どうもしっくり来ないとお考えの方も多いのではないでしょうか?


世の中には、様々な要求を持った方がおられます。その全ての要求に応えるのは、土台無理な話です。つまり、汎用パーム機では、完璧に満足してもらうのは無理なのです。


皆さん、若干の不満を持ちながら、我慢して使って来られたのではないでしょうか?


そこで、そのような不満を持ちながら我慢して来られた、日本におられる数千万のパームユーザーの方に(そんなにいたら苦労はしないが)、それぞれの要求に徹底的に応えるような専用パーム機を開発してみようという企画を、無謀にも企ててみました。


「これまでの中途半端なパームではいやだ!」とか、「どれも似たようなパームばかりで個性がない!」とか、「我慢するのは配偶者だけでたくさんだ!」とおっしゃるあなたにお届けする、超弩級専用パーム機シリーズの登場です。


どうぞご期待ください。(こけたら、すみません。踏んづけて行ってください。)

107.地震の強度 (2003/05/27)

一日経って、東北地方の地震の被害状況が、明らかになってきました。東北新幹線の橋脚でもかなりの被害が出ているようです。一日も早く復旧されることを心より願っております。


地震の強度を示すマグニチュードは、地震その物のエネルギーを表しています。また、各地点の地震の強度は震度で計るのですが、6弱と6強、あるいは6強と7ではかなり違いますし、同じ震度の場合でも、被害の程度に大きな差が出てくるようです。実際の生活にどのぐらい影響を与えるかを、もっと正確に表す指標はないものでしょうか?


最近になって、神戸で倒壊した阪神高速道路の高架部分が、最初の揺れで倒れたのではなく、最初の揺れから大分時間が経ってから、山岳などの反射波の影響で倒壊したのではないか、と言う研究結果が発表されています。


また、家屋の場合は、窓の破損外壁の損傷によって、倒壊に至らない場合でも多大な被害額になる場合があり、揺れの大きさだけでなく揺れ方にかなり影響されるようです。あるいは、古い家屋の中には、何度も続く予震の後に倒壊した物も多いそうです。つまり、瞬間的な加速度揺れの振幅だけでなく、時間軸で積分したトータルのエネルギー量も重要になってきます。


高層ビルの場合は、建物の固有振動数地震の周期の関係が、非常に重要です。もう、20年ぐらい前になりますが、東京から離れた震源地で起こった地震によって、新宿の高層ビルが予想以上に揺れてしまって、高層部のレストランのほとんどのお客さんが、帰ってしまった事がありました。


その時の解説では、震源地と東京の間の地盤が緩い地域によって地震の周期が長くなり、高層ビルの固有振動数に近くなった為に、予想以上の大きな揺れになったと言うことでした。しかもこの時、地表にいた人には、それほど大きな地震ではなかったのです。


震度は、地震強度の表現として有効であることに違いはないですが、実際の被害を出来るだけ正確に予想できる新しい指標の整備が、今後必要になってくるのではないでしょうか?

106.地震お見舞い申し上げます (2003/05/26)

今日、東北地方の広い範囲で地震があったそうです。お見舞い申し上げます。今回の東北地方の被害状況は、まだ把握されていないようですが、大きな被害にならないことを、そして一日も早く復旧されることを、心から願っております。


神戸地区では、震災後8年を経て喉元過ぎれば何とやらで、地震保険の契約率が低下してきているそうです。しかしながら、21世紀半ばまでに南海地震が予想されており、さらなる防災体制の整備が必要とされています。


阪神大震災は、直下型で震源が地下20キロメートルと浅かった為、揺れの周期が短かったのですが、南海地震は長い周期の地震が長時間続くと予想されています。


すなわち、高層ビルにより大きな被害をもたらすと言われています。そう言えば、グアムの地震では、平屋の民家よりにはあまり大きな被害がなく、高層ホテルの壁面や内部に大きな亀裂が走ってしまいましたから、耐震構造と言っても安心は出来ません。


また、南海地震における被害の多くは、数十メートルの高さになるとされる津波によると予想されています。阪神間では、南海地震の津波に備えて、地震発生後30分以内にすべての水門を閉じる訓練をしていましたが、不法駐車などによって、うまく機能しなかった例があったようです。


地震は、いつやってくるか分かりません。日頃から、物心両面の備えを欠かさないように、準備をしておきたいものです。