15年か20年ぐらい前になると思いますが、そのころ普及し始めた電子手帳で、電池が切れたため電子手帳のメモリーに保存されていた情報が消えてしまうという問題が、新聞に取り上げられていました。
当時、それ程パソコンが普及していなかった事もあり、データは電子手帳本体に手入力で入れていたため、時間と労力をかけて入力された情報が失われる事による損失は、計り知れないものがあったようです。そもそも忘備録としての電子手帳が、データを忘れてしまうと言うことは、全くその用をなさないわけですから、目覚まし時計が朝止まっていたのと同じほど役に立たないと考える訳です。
長い期間を掛けて手入力されたデータを再現するのは労力的に困難ですし、場合によっては再現不可能なものもあるでしょう。当時、手帳に不満があり電子手帳に少しは興味があったのですが、物忘れをするかもしれない電子手帳を買う気にはなりませんでした。
さて、時は変わって90年代も後半に入ってPilotと言う電子手帳が、USで人気になっていると聞いたのですが、以前の電子手帳の電池問題が思い浮かび、あまり興味を持っていませんでした。私にとって、電子手帳でメモリーが消えてしまう可能性がある事は、手帳としては致命的でありました。ところがある時、Hotsyncによってパソコンと同期が取れると言うことを知りました。これでバックアップを取ることができる。長期に渡って蓄積した情報を失うことはない。長年の課題をクリアーした気がしました。
ただ、すぐに手に入れたわけではなく、結局最初のパーム機を入手したのは1999年の6月頃でした。型落ちのWorkPad
30Jを、1万円で手に入れました。最初の内はご多分に漏れず一日に何度もHotsyncをするので、アルカリ電池が1週間持たなかったのを記憶しています。
まあPalm購入の動機としては地味ですが、私にとって紙の手帳の置き換えハードウェアとしてのPalmは、今や欠かせないものになっております。これから、Palm
OSが、新しい機能を取り込みバージョンアップして行く事は、新規顧客の獲得には必要不可欠であるでしょうけれども、新機能の拡充と同時に、同じ機能を変わらず継続的に使い続けることも可能であるPalmであって欲しいと思っております。