71.対照: コンパクトカメラvs.PDA (2003/04/12)

これは、コンパクトカメラで起こったことと、PDAで起こったことを比較して、歴史的に検証する事により、パーム販促のヒントを得ようというのが趣旨です。


さて、PDAの売り場では、パーム陣営、ザウルス陣営、ポケットPC陣営がしのぎを削ってシェア争いが続いています。


コンパクトカメラの売り場でも、似たような戦いが繰り広げられています。つまり、従来からあった35mmコンパクトカメラに、小型化を武器にしたAPSカメラが登場し、その後新興勢力としてデジタル・コンパクト・カメラが参入してきた為、現在では3つ巴の戦いになっています。)


従来からあったという意味で、ザウルスを35mmカメラに、次の勢力として軽快さを売りにするパームをAPSカメラに、最後の勢力であるポケットPCをデジカメに対応させて比較したいと思います。何かパームの将来を切り開くヒントがあるかもしれません。


ただ、カメラメーカーが全ての種類のカメラを販売しているのに対して、PDAではメーカーが他の陣営にまたがって販売している例はほとんどありません。それだけ、PDA業界のほうが厳しいわけで、PDAのOSの盛衰がそのまま会社の存続に関わるのです。これはなおさらオチオチしていられません。


(さて、カメラでは、35mmコンパクトカメラしかなかった時に、APSカメラが登場し、フィルムキャリアー(パトローネ)の小ささを生かして、小型化で優位に立ちました。


女性のハンドバックに入れても気にならないサイズのAPSカメラは、その洗練されたデザインも相まって人気が出ました。しかし次第に、35mmカメラもデザインに工夫をし、小型化では見分けが付かないのも出て来ました。


日本ではザウルスしかなかったのですが、米国生まれのパームが登場します。最初パームは、Graffityを採用して、小型で電池が長持ちする等の特徴がありました。しかし、ザウルスもシンプルなデザインに変えたり、余分な機能を削ぎ落とすなどをして、見た目では大差が無い様になってきて、パームの小型軽量の優位性もそれ程顕著ではなくなってきました。それと同時に、機能の拡張を続けたパームの機種では、逆に大きくなってしまうケースもあり、パームとザウルスの差がなくなって来るという状況になって行きました。


(APSカメラには、小型化が容易である反面、APSフィルムの絶対的な面積の小ささから画質が劣るというハンディーがありました。最初のうちはユーザーもその違いに気づいていなかったのですが、時間がたつに連れて徐々に画質が気になり始めました。


パームも、小型化・軽快な動作・長時間連続使用といった特長がある反面、低処理速度から来る限界に対応するため、CPUの高速化を進めますが、このことが逆に今までの特長を失うことにもなってしまうのです。


(デジタルカメラが登場した時、誰も近い将来銀塩カメラに画質で勝る事になるとは思いませんでした。価格に関しても。とても今までのカメラと同じになるとは思いませんでした。しかし、技術の進歩はそれを早い時期に可能にし、デジタルカメラが、画質と価格の両方で35mmコンパクトカメラとAPSカメラに肩を並べるようになりました。


WindowsベースのOSでは、PDAとしては重すぎて、とても軽快に動作することはできない。できたとしても、電池の持続時間が、パームの比ではないだろうと思われていましたが、OSの改良や、電池の性能の向上と相まって、あまり目立った欠陥ではなくなってきました。


特にパームOSの方が、CPUの高速化や高機能化で大きく重くなり、電池の消費も増加傾向にあります。つまりハードウェア的には、差がなくなりつつあるのです。


その時予想以上に早く訪れテクノロジーの進歩の速度が、銀塩写真に比べ格段に早いデジタルテクノロジーを使ったデジカメは、進歩の遅い35mmやAPSカメラを取り残して、独走態勢に入っていくのです。


あれれ、コンパクトカメラの分野では、最後に参入したデジカメの勝ちですか?銀塩写真は、一部のマニアのための趣味として残るみたいな予想がありますが、パームとザウルスはマニア向けになってしまうのですか?どうも、例にしたコンパクトカメラが良く無かったですね。


パームには、膨大な数のパームウェアの蓄積がありますし、シェアもまだ1位を独創しているということですから、悲観的になる必要はないのですが、楽観していて良いかというと、それ程順風満帆ではなさそうです。


順風でなければ風を越せば良い。その風を起こす事ができるのが、パームコミュニティーではないでしょうか?


結論(オチ)が無くて、申し訳ありません。

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