677.全席優先席の難しさ (2008/09/21)

単身赴任を始めて2ヶ月半が経ちます。「そろそろ慣れてきたでしょう?」とよく聞かれますが、慣れてきたのと疲れてきたのが半々というところでしょうか。


昔はもっと関東関西の違いを感じたものです。たとえば、うどんのつゆの色の違いや女性の服装などには、決定的な違いがあり、またテレビの番組で関西弁を聞くこともほとんどなかったのです。


今や食堂に行けばうどんの関西風つゆが選べるようになっていたり、テレビに関西芸人が溢れるようになりました。うどんなどは関東・関西の違いを超えてどこでも讃岐うどんのチェーン店があったりしますから、昔ほど食文化に違和感を感じなくなったように思います。


電車の中のマナーにしても、車内で携帯電話の通話をしている人の割合には、関西と関東ではそれほど違いがないように思います。


横浜地下鉄をよく利用するのですが、ここでは全席優先席ということで、車内では場所にかかわらず一切の携帯電話の使用を禁じています。基本は電源を切るということになっています。


ただ、なかなか他の鉄道と異なるルールを徹底することは難しいようです。地下線内で電波が途切れるため、さすがに通話する人はいないようですが、メールなどを車内で操作する人をよく見かけます。


先日、年配の方が、その携帯電話を操作していた学生風の若い人に、携帯電話を車内で使わないように注意していました。耆徳な方もいるものだと感心していたら、横浜地下鉄のTシャツを着ておられます。


マナーキャンペーンでしょうか。車内を順番に回って同じような人を注意して回っていました。夕方のラッシュ時の前だったためか車内はまだ空いていましたが、乗客の10人に1人ぐらいの確率で携帯電話を使っている様子でした。


関西の阪急電車も横浜地下鉄と同じく全席優先席を謳っていましたが、結局徹底することができず、1年ほど前から一部の携帯電話電源オフ車両を除き、他の鉄道会社と同じく優先席を車両の一角に設けるようになりました。


その携帯電話電源オフ車両で携帯電話を操作する人がいれば、今でも車掌が車内放送か乗客の席まで行って、直接オフにするように注意をする光景にしばしば出くわします。


本当に心臓ペースメーカーに支障をきたす事故が起こった時に、鉄道会社としては常に注意義務を怠らなかったことが求められるでのでしょう。それに比べると、携帯電話会社による啓蒙は十分とは言えないと思います。


ただ、電源を切ると携帯電話を言えども立ち上げに時間がかかるのもの。以前から指摘されていましたが、改札を通ると微弱なコントロール信号によって携帯電話の電源が自動的に切れるような仕組みがなければ、マナーだけに訴えて電源をオフにするには限界があるかもしれません。


相変わらずコンサートホールで鳴り渡る携帯電話があります。強制電源オフ機能も、これだけ普及した携帯電話を快適に使うために、地味ながらあっても良いかなと思います。