Infoseekニュースで見かけたタイトルは、「ヌードに寛容な町、度が過ぎるとして一時禁止 (ロイター)」!
このまま見過ごすわけには参りません。
何でも、猛暑を記録した2006年の夏ごろから、米国東部の小さな町であるブラトルバロ(Brattleboro)で、10代の若者が裸で町の通りや駐車場に出没するようになったとの事。
さらにエスカレートして、裸で自転車に乗ったり、ヌード・フラフープ・コンテストが複数開催されたりして、町の風紀が乱れてきているそうです。
さすがに地元の住民からの苦情が出てきたので、夏本番を向かえる前にこれ以上過激にならないように規制しておこうということでしょう。
「ひとつ今年の夏は眼の保養にブラトルバロにでも旅行に行くか!」(なんて人はいないでしょうが)と思っても、一体どこにあるのかも分からない小さな町です。
そもそもブラトルバロがあるバーモント州自体、アメリカ人でさえも地図でどこにあるのか知らない人が多いぐらいです。
バーモント(Vermont)の州都がモンペリエ(Montpellier)というぐらいですから、フランスからの移民の影響を残しているのでしょう。意外と堅物なアメリカ人の中では、ヨーロッパ的な志向がヌードに寛容な雰囲気を醸し出すのかも知れません。
バーモントと言えばリンゴとハチミツを思い浮かべますし、“Vermont”はフランス語で「緑の山」という意味ですから、かなりの田舎であることは間違いありません。ボストンとニューヨークのアルバニー(Albany、ニューヨーク州都)の中間ぐらいに位置します。
近くには(といっても車で1時間以上はかかりますが)、ノーマン・ロックウェルがかつて住んでいたアーリントン(Arlington)や、ボストン・フィルハーモニーが夏にタングルウッド野外コンサートを行っているレノックス(Lenox)があります。
また、シンガーミシンの創業者が収集したモネを代表とする美術品を所蔵するクラーク・ミュージアム(Clark Art Institute)や、全米でもトップクラスの優秀な人材を輩出してきたウィリアムズ・カレッジを擁する、ウィリアムズタウン(Williamstown)があります。
如何にも文教的な地域で裸の論争が沸き起こっているのは皮肉な話ですが、バーモント州では裸で水泳や日光浴をすることは合法だそうです。
もともと若い人たちが川や湖を裸で泳いでいたことから自然と寛容になったそうです。冬が長く、雪に閉ざされてしまう地域ですから、短い夏の泳げるときにはどうぞご自由にといったところでしょうか。
しかし、公共の町中で素っ裸で歩き回られたら、小さな子どもへの影響もあるでしょう。「18歳までポルノを買ってはいけないと言っているのに、その本屋の前を裸でウロウロされたら意味がないだろ」なんていう意見も出ているようです。
Web版のボストン・グローブであるBoston.comに掲載されている2007年5月17日付けの記事によると、ダウンタウンの通りを裸で踊っていた20歳の男性が起訴され、有罪になった場合は5年間刑務所に入らなければならないそうです。住民から苦情が警察に寄せられ、何らかの性的興奮を与えるような行為をしたものは、同様に告発されると警告しています。
さて、今年のブラトルバロの夏は過激化か、あるいは沈静化か? どうなって行くのでしょうか?
しかし、町の名前が“Brattleboro”で、「ブラ→取る→ボロッ」とはよく考えたものです。(考えてない、考えてない!)