さて、次の日の朝がやってきました。
まず効率よく在庫のありそうな店を回るために、ルートを確認します。昼過ぎには昨日購入したプラズマテレビが搬入されますから、それまでには帰ってこなければなりません。あまり悠長に構えてはおれません。(かなりの切迫感あり!)
大阪・梅田を目指すのですが、まずその手前のJR尼崎駅で降りて、駅に隣接するミドリ電化に行ってみます。
大体、売り切れが続出するような人気商品を買う場合は、人の多い都会から離れた方が手に入れやすいものです。つまり、梅田にWiiを探しに行くこと自体矛盾しているのに気づくわけですが、それはさておき(さておくのか?)、少しでも梅田の手前の方がまだ見つかっていないWiiが残っているのではないかと、浅はかにも考えるわけです。
しかし、まだ開店間もないミドリ電化で例の札を見つけるのはいとも簡単でした。「ただいま入荷待ちです!」
「ここになくとも次があるさ」とばかりにトイザラスを目指します。しかし、ここでもまだお客のいないゲーム売り場に、無常の札が下がっています。
デモ用のテレビからは、さんまさんと松岡さんが似顔絵で遊んでいる映像が流れ、彼らの高笑いの声が落ち込んだ心に響き渡ります。
「ゲーム機もないのに、どうやって似顔絵を描けというのだ!」
と呟きながら、やはり尼崎ではだめだと、再び電車に乗って梅田に乗り込んだのでした。
まずはソフマップから。結果はまたもや在庫なし。店員さんに聞いてみると、だいたい週末の午前中に入荷があり、放送で売り出しを案内したら15分から30分ぐらいでなくなってしまうと言うことでした。入荷数は、日によって異なるが15台前後だと言うことでした。
次は、ヨドバシカメラへ。「PS3が入荷しました!」と書かれた売り場にはWiiは跡形もありません。今までで一番なさそうな雰囲気でした。やはりメジャーなゲーム売り場は可能性が低そうです。
そこで、少しマイナー路線を目指すことにしました。阪急三番街のキディーランドです。ここは、以前手に入りにくかったベイブレードを購入したことがあります。かなり期待出来そうです。
その前に、同じ三番街にあるジョーシンを覗いてみます。店の外観からは、CD・DVDが中心でゲーム関連は扱っていないように見えますが、このような店が逆に狙い目です。
しかし、やはり在庫なしの札があるだけでした。キディランドも同様で、今度はいつ入荷するか分からないとのお返事。
実は、ここですでに諦めておりました。一緒に行った子どもには、「まだ何軒か候補はある」と言ったのですが、可能性はこれまでより低いと考えておりました。
そこで、一旦休憩でもしようと、JR高架下(新梅田食堂街)のマクドナルドに入ろうとしましたが、えらく混んでいたのと子どもがもう少し探したいと言うので、近くの阪急百貨店に行ってみたのでした。
期待はしていませんでしたが、案の定在庫はなし。ただ、ここが違ったのは来週入荷分に対する抽選の申し込みができることでした。しかし、手続きが面倒だったので見送りました。
さて、いよいよ追い詰められてきました。仕方がない、ここらで最後の切り札を出すことにしましょう。(最初から出さんかい!)
ホワイティウメダという、梅田でも一番古い地下街がありますが、その一画に少しマニアックなおもちゃ屋があるのです。これまでにも他のお店では売り切れていたおもちゃが、ここだけにはあったことを何回か経験しています。ここならWiiも残っているのではないかと、期待して行ってみました。
店がなくなっていました。(し~ん)
かなりの脱力感です。敗北感と言ってもよいかもしれません。もう気を取り直す元気もありません。お腹も空いてきました。阪神百貨店の地下にあるマクドナルドで、昼ごはんにしました。
これまでに挑戦したお店は計11。この時点でもうとっくに手ぶらで帰る覚悟はできていました。あとは、阪神百貨店と大丸のおもちゃ売り場を残すのみです。
阪神百貨店の地下の食堂街からエレベーターに吸い込まれるように乗りました。降りたところがすぐにおもちゃ売り場でした。そこはゲーム関連の売り場さえないのかと思うほど、女の子向けのかわいらしいおもちゃで溢れていました。
もうここまで来ると、売り切れの札を探すのが習性になっています。しかし、DSが入荷待ちという札は見つかったのですが、Wiiが売り切れていると書かれた札が見当たりません。その時、売り場の店員さんと目が合ったので尋ねてみました。
「Wiiはないですよね?」
「ございますが。」
「あのー、在庫があるのですか?」
「はい、ございますが。」
「エッ、あるのですか?」 (この時、勝手に最後の1台が残っているものと思い込んでいる。) ではゲームソフトを選んでくる間、それをキープしておいていただけますか?」(こちらの態度が焦っているのが読めたらしい。)
「まだ在庫はたくさんございますから、ご安心ください。」
松嶋菜々子に似た(その時は確かにそう見えた)その店員さんに聞いてみると、阪神百貨店には週末に100台の入荷があったそうです。その後、子どもと意気揚々として帰途についたのは言うまでもありません。
あの時、もし購入できていなかったら、未だに探し回っていたのはないでしょうか。しかし、今回は父親として、子どもに良い経験をさせることが出来ました。
「努力は必ず報われる!」
と。しかし、
恐るべし、Wii!
いや、もっと恐るべしは阪神百貨店かもしれません。
がんばれ、阪神百貨店!