624.京阪神トイレランキング3: 新大阪-京都編 (2007/02/21)

さて今日は、大阪駅から京都駅に向かって参りましょう。




☆ JR新大阪駅


ホテルやショッピングモールでは、利用する人へのサービスの一環として清潔なトイレを提供しようと努力します。ところが、これがサービス競争を伴わない、必然性を持って利用する施設になればなるほど、サービス精神が薄れて参ります。そういう意味において例えば駅のトイレが、一番その国の衛生レベルを表しているのかも知れません。


JR新大阪駅が☆ひとつというのは、ひとつ分だけ褒めているのではなくて、それ以下はないと言う意味です。


新大阪という駅は、朝のラッシュ時はなかなかの混雑振りで、コンコースの端にあるトイレも大変混み合います。トイレのレベルも、入り口にトイレットペーパーの自動販売機があるところから判断できましょう。


おそらく新幹線が開通して以来、本格的に改装したことがないのでしょう。水洗便所が初めて日本で紹介された時そのままに、現役で活躍しています。


本当に必要に迫られる時以外は決して訪れないようにしたいものです。
























入り口の扉 ○(開けっぴろげ)
広さ・レイアウト △(朝は需要に追いつかない)
自動洗浄 未来の話のよう
ソープ・ディスペンサー どころかトイレットペーパーなし
自動コック 昭和の懐かしい手動コック
ハンドドライヤー 手首(?)
メインテナンス ×(ある意味よく保っていて博物館的)

公衆便所と呼ばれていた頃は、どこも似たようなものでしたね。しかも駅のトイレは回転が速いですから、どうやってもメインテナンスが間に合わないのは否めません。


ただ、朝のラッシュ時に急にもよおすことはよくありますし、駅前のショッピング街がまだ開いていない時間帯では、駅のトイレは重要なインフラです。


一部の駅に有料トイレができているところもありますが、駅におけるトイレ事情にはまだまだ改善の余地がありそうです。


正確な時間で運行(Unko)される列車は、日本が世界に誇れるもののひとつですから、私たちも駅で安心して(Unko)できるようになれば良いですね。(臭すぎる!)




☆☆ JR新快速


駅のトイレのついでに、電車の中のトイレについても触れておこうと思います。


アーバンネットワークと呼ばれる京阪神地区を130kmで突っ走る新快速は、長い距離を連続して走るため、総所要時間は3時間にも及びます。そのため、車内のトイレは欠かすことができません。


223系と呼ばれる車両になってトイレが車椅子対応になり、列車のトイレとしては最大と広さになりました。さて、その快適性は如何なものでしょうか?
























入り口の扉 ○(押しボタンによる自動ドア)
広さ・レイアウト ○(個室としては十分広い)
自動洗浄
ソープ・ディスペンサー ×(トイレットペーパーはあり)
自動コック
ハンドドライヤー ×
メインテナンス △(揺れるため汚れやすい)

個人的には在来線の車内トイレで、2つの☆を取ったことに拍手を送りたいと思います。しかし、それでも大きく揺れる車内で用をたすのはやはり骨が折れますから、できれば緊急時だけの利用にとどめたいところです。




☆☆☆☆ マイカル茨木


マイカル茨木は、京阪神地区ではかなり大規模なショッピングセンターです。JRの茨木駅のすぐ横にあるように見えますが、実際歩くと10分近くかかります。


近年新規オープンした施設としては平均的で、設備的には十分といえるでしょう。
























入り口の扉
広さ・レイアウト ○(広さ・数共に十分)
自動洗浄
ソープ・ディスペンサー △(最近空のこともあり)
自動コック
ハンドドライヤー
メインテナンス

マイカルもトイレのメインテナンスにはかなり気を使っているようですが、最近ソープが切れていることが多くなってきました。オープンした頃はそのようなことがなかったのですが、店舗の運営が軌道に乗ってくると細かいところに目が届かなくなるのかも知れません。


大阪と京都の間ではJR高槻駅前にも新しい店舗ができていますが、既存店との棲み分けを意識したのか、規模が中途半端な感じがします。マイカル茨木は、京阪間のオアシスと言えるでしょう。




☆☆☆☆☆ グランヴィア京都


建設時には建物の高さ制限を緩和することや景観を損ねるなどの議論が沸き起こりましたが、完成して10年も経つと慣れてきたせいでしょうか、それほど違和感がなくなってきました。


以前の観光デパートしかなかった駅舎に比べるとその威容は桁違いで、こんなに狭い場所でもこれほど立派な建物が建つものかと感心したものです。イタリア人の設計者による建物には駅としての機能だけでなく、デパートやホテル、劇場までもが一体化しています。


そのホテルであるグランヴィア京都はJRが運営するホテルの中でも最上位に属し、国際観光都市の京都の表玄関にふさわしい風格を備えています。


さてそのそのトイレですが、ロビー階には2箇所あります。フロントの裏側にあるトイレは、建物の外観と同じく黒の御影石が床と壁に敷き詰められ、高級ホテルに相応しい雰囲気です。設備的にも申し分なく、駅の雑踏から少し離れているためか混み合うこともありません。


ただ、あまりにも内装が黒一色で統一されているため、かなり暗い印象があります。また、成果物の色が分かりにくいため、自分の健康状態が分からないのが唯一の欠点でしょうか。(どうでもよい話)
























入り口の扉
広さ・レイアウト ○(場所が少し分かりにくい)
自動洗浄
ソープ・ディスペンサー
自動コック ○(お湯が出る)
ハンドドライヤー ペーパータオルあり
メインテナンス

ここのバイキングレストランはなかなかの人気店で、ホテルらしい凝った料理をお手ごろな料金で頂くことができます。また、ホテル上層階の建築的な造形美は、おなじビルの同居する京都伊勢丹の奇抜なデザインと共に一見の価値があるでしょう。




まとめ


茨木・高槻は北摂を代表するベッドタウンですが、新しいショッピング街のすぐ横には、昭和の雰囲気を色濃く残す飲み屋街があったりします。京都は古都を保存するための規制が多いためか、京都駅前も駅ビルの完成以降、目だった開発はされていません。


もう20年以上前のことですが、六本木の喫茶店に入った時、そこのトイレが古いのに磨きこまれるほどメインテナンスが行き届いているのを見て、感心したことがありました。


新しく設備の整ったきれいなトイレも良いですが、磨きこまれたトイレが本当は一番居心地がよいのかも知れません。