竹から作られた紙を使ったスピーカーが開発されたというニュースが、asahi.comに掲載されています。これまでの針葉樹を使ったものに比べ軽くて硬いため、再生音域が広くなるそうです。
ただ、繊維の組成が異なるため、これまでの方法で振動版を作るのではなく、砥石を使って繊維を細分化した後に形成する方法を採用したそうです。発売は2007年末との事ですからあと2年近くかかりますが、どんな音が出るのか今から楽しみです。
スピーカーの素材としては、ビクターが販売している樺の木を使ったウッドコーンスピーカーが既にあります。カチッとした硬い音質でありながら、どことなく木のぬくもりを感じさせるこれまでにない味わいがあります。
特に薄くスライスされた木をスピーカーの形に成型する際、日本酒に浸してやわらかくしてから型にはめると言いますから、もうそれだけで人間味を感じてしまいます。このスピーカーを使うときには、人間の方もお酒に浸してから音楽鑑賞といきたいものです。
これまでのスピーカーの素材は、広葉樹に比べ比較的生長が早い針葉樹が主に使われていました。しかし、竹はその針葉樹よりさらに早く生長しますから、資源として有効に使うことによって、他の木材資源の利用を抑制する効果が期待できます。
そういえば、数年前に竹でできたギターが発売されました。アコースティック・ギターの素材には、マホガニーやローズウッドなど、資源として保護しなければならないものが多く、まだブラジル産ローズウッド(ハカランダ)のように、原木での輸出が長らく禁止されているものもあります。
楽器のメーカーによっては、輸出禁止措置以前の原木のストックから、小出しに製品を製作しているところもありますが、近いうちに良質の材木は底をつくと予想されています。
代替材料として成長の早い竹を採用できれば、安定した材料の供給が可能になりますし、また竹の優れた特性を生かして、これまでにない新しい可能性を創出することも可能になるかもしれません。
「竹から生まれたかぐや姫」のように、これからも竹からいろいろなものが生まれて来るのではないでしょうか?(何のこっちゃ?)