最近確かに脳がなまって来ているという自覚はありましたね。何となく埃をかぶっているような感覚があったりして。古いテレビの中を、隙間から覗いたときのようなものでしょうか。
任天堂のDSのテレビCMで、松嶋菜々子さんが「もう一回やろう」と言った後に首をぐりぐり回すのは、順序が反対ではないかと思ったりしながら、我が家でも「もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング」に励んでおります。
一番苦手なのは、2分間じっと漢字を覚える問題。次に苦手なのは25個の数字の配列を覚える問題。要するに覚えることが苦手なのですが、全く疲れてしまいます。
反対に一番得意なのは、どんどん引き算をしていく問題。ただし、手書きの文字の認識率が悪い場合があり(字が汚いとも言う)、結果にばらつきがありますが、唯一20才の脳年齢をたたき出した問題であります。
そもそも、20才が一番頭の回転が速いと決め付けるのは如何なものか、などと言い出すのはたいてい年を取っている証拠。人生経験による思慮深さを測定するのは、今のゲーム機にはまだ荷が重いようです。
年末のクリスマス商戦においては、任天堂DSの品切れが続出したとの事ですし、また同じような機能の新製品を発売すると言うことですから、長期に渡って人気商品の座を占めているのでしょう。
PDAとしての機能拡張ができるために大人の購入者が増えているそうですから、PDA自体の認知度が高まることも期待しておきましょう。(いつもこんなことを言っていますが。)
さて、ゲームで頭を鍛えるのも良いのですが、日経サイエンス2006年4月号に、別の鍛え方が紹介されています。
「子育てで賢くなる母の脳」
これまでも妊娠・出産に伴って、自己の要求と生存だけを追求していた生物が、子どもの世話や幸せに重点を置く現象が知られていましたが、その原因として母親になると脳が再構築され、構造的な変化が起こるらしいのです。
それらは、母性行動を制御する脳の部位にとどまらず、記憶や学習、恐怖とストレスへの反応にまで影響が及んでいて、また母親のエサを取る能力が高まることによって、子どもの生存確率が高まる効果もあるようです。
迷路を走り抜けるラットの行動に関しても、出産を経験しているラットの方が、経験のないラットより優れていることが分かったそうです。また、これらの影響は、子育てが終わると元に戻るのではなく、老齢期まで持続するそうです。
しかし、いくら出産した女性の頭が賢くなると言っても、子育てが大変なことに変わりはありません。ゲーム機で脳のトレーニングと息抜きが同時にできるのは、母親にとって必要なことなのかも知れません。