最近よく偽札が発見されたと言うニュースを目にします。初詣のお賽銭にもたくさんの偽札が見つかったようです。
貨幣を偽造することは、国家を混乱に陥らせる可能性があるためか罪が重いようですが、人を傷つけるわけではないので罪悪感が少ないのでしょう。
今回の新札には、最新の偽造防止技術が採用されています。ホログラム、すきいれパターン、潜像模様、パールインキ、マイクロ文字、特殊発光インキ、深凹版印刷、識別マークなどなど。
これだけあれば偽造することはさぞ難しかろうと思う訳ですが、あに図らんや、早速新札の偽札も出回っている様子です。
昔なら、印刷の技術で製版して時間が掛かりましたが、今やパソコンとスキャナー、それにプリンターがあれば、特に技術を必要とせずにあっという間に作れてしまうようです。
最新の偽造防止技術を採用すれば、全く本物と同じ物を作ることは不可能でしょうが、街中で流通させるのにはそこまでは必要ないと言うことなのでしょう。一般の人が見ただけで判断できない程度に精巧であれば、銀行に戻ってくるまで発見されないのです。
最近では市中銀行の検札機をかいくぐり、日銀で初めて発見された偽札もあったそうですから、かなり精巧に作られたものもあるようです。
日銀で偽札を発見することも大切ですが、それよりも偽札が流通しないようにしなければなりません。
少し話はそれますがUSに住んでいた時、クレジットカードのサインはローマ字か漢字のどちらが安全かを議論したことがありました。
カードを落として悪用される時、アメリカ人にとって漢字は難しいだろうから、漢字のサインなら真似をされにくいから安全だと言う意見でまとまりかけていました。ところが、漢字のサインの真似が下手だとしても、それを確認する人も漢字が良く分からないから、結局どんなサインでも同じ事で、クレジットカードは落とさないことが一番だという結論になりました。
どんなに高度な偽造防止技術を使ったとしても、偽札を使う時に見分けることができなければ、偽札の流通を防ぐことはできません。偽造防止技術を高度にするだけでなく、そろそろ貨幣システム全体の将来像を考えていかなければならない時期に来ているのではないでしょうか。