433.パームが甦る日5: ハードルは低い方が跳び越えやすい (2004/12/18)

何事も新しいことを始める時には、ハードルが存在するものです。学校に入学する時、就職する時、結婚する時。ハードルを越えなければ、次のステージに上がることが出来ない場面がよくあるものです。


ハードルには高いハードルもあれば低いハードルもあるでしょう。しかし、ハードルを越えること自体が目的でないならば、ハードルは低いことにこした事はありません。ハードルが少しでも高いと誰しも一瞬躊躇するものです。


パームに欠かすことのできない特長のひとつに、"HotSync"があります。パソコンからパームにデータをダウンロード出来るため、パソコンのデータをパームで共有でき、その結果パームでインターネットからダウンロードしたテキストを読んだり、地図を見ることが出来るようになります。


また、パソコンにアップロードすることもできますから、パームで作成した文章やスケジュールをパソコンに転送することもできます。同時に、パームのデータをパソコンにバックアップしてデータの喪失を防ぐことができますから、安心してパームを使うことが出来るのです。


パームの日本語版がワークパッド30Jとして日本に紹介されたとき、PCコンパニオンと言う製品の位置づけでした。パソコンと併用することによって、それぞれの特長を生かし、あるいは欠点を補い合って行こうと言うものでした。


データの作成はパソコンで行い、それを参照する為により小型のパームを使うのは理にかなっていました。ノートパソコンと言えども、いつでもどこでもさっと取り出して使えるわけではありませんから、パソコンの補助的な端末としてパームを利用するのは、便利であることに異論はありません。"HotSync"が今でもパームの最大の特長のひとつになっていることは頷けます。


しかし、PCコンパニオンの考え方の根底にはパソコンが中心にあり、あくまでパソコンメーカーによるパソコンの利用方法を拡張するためのものだったのです。パームはパソコンの付属品に過ぎなかったのです。


もちろんパソコンの付属品としてパームを手に入れた人は、私を含めてたくさんいたのですが、逆にパームをパソコンと切り離して単独の商品(スタンドアローン)として買うことが出来なくなってしまったのです。


つまり、パソコンを使っている人にとっては、"HotSync"はワークパッドを使い始める際にハードルを低くしたのですが、パソコンをあまり使わない人にとっては、"HotSync"によってハードルが高くなってしまったのです。


"HotSync"に紙の手帳から単純にパームに乗り移れない原因があるのではないでしょうか?


手帳は手軽でハンディでなければなりません。パームそのものはハンディであることに間違いはありませんが、パソコンと一緒でないと使えないと聞くと、大げさに思えてくる人も多いのではないでしょうか?これでは「ハンディー」(handy)でなくて「ハンデ」(handicap)です。


パソコンからパームを独立させるためには、一体どうすればよいのでしょうか?


私は、3つの秘策を考えました。

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