432.極悪人と微悪人 (2004/12/16)

最近、極悪非道な事件が増えておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。とんでもなく悪いことを繰り返す極悪人は、誰でも早く捕らえて欲しいと思うのですが、そこは極悪ですからなかなか捕まらないのです。警察の奮闘を期待したいところです。


一方、普段はほとんど善人なのですが、たまに小悪魔が耳もとでささやいたがために、少しだけ悪いことをしてしまうことがあります。この場合、微悪人と呼ぶことにします。ルール違反をしてしまう場合と、マナー違反をしてしまう場合があるでしょう。


日本の場合はマナーと言えば「行儀」「作法」と訳しますから、どちらかと言えば非日常的な状況での振る舞いと捉えがちです。例えばお茶の作法等は、本来日常の生活の中で活かされるべきでしょうが、実際はお茶室という特殊な状況下での振る舞いが対象にされます。


「お行儀良くしなさい」とは良く言われたものですが、これも普段よりかしこまった状況で使われたものです。(ところで最近は、行儀などと言う言葉をあまり聞かなくなりましたね。) テーブルマナーもしかり。


対してマナーを大切にする西欧の国では、些細なルール違反をそこに居合わせた人が注意することが多いようです。車を停めようとしていると、「そこは停めてはいけない場所ですよ」と言われたり、写真を撮ってはいけない場所でカメラを構えたら、「ここは撮影禁止ですよ」とすかさず注意されたり。


これらはマナー違反ではなくルール違反ですから、やってはいけない事なのですが、誰もがルールを守ることに注意を払い、また努力もしているように思います。


また、注意された人も決して悪びれる様子もなく、ルールに気付かなかったことを詫び、教えてもらったことに感謝して笑顔を返すのです。


逆にマナーを守らない人に対しては、注意をするのではなく、軽蔑の眼差しを向けるようです。


日本では、逆切れされる恐怖が先にたって、余程の命知らずでない限り注意するのを躊躇してしまいます。警察には極悪人を捕まえることに専念してもらうことにして、微悪人には居合わせた人が恐怖心なく注意できるような社会を作りたいものです。