例年、年末は早い目に休暇に入るところなのですが、今年に限って年内に仕上げなければならない設計が2件あり、人並みに忙しい年の瀬を迎えております。
よくデジタル家電ブームと言われますが、いったんデジタル化された製品が元に戻ることはあまりありませんから、一過性のブームで終わることはないと思いますが、家電と呼ばれてきたものが一気にデジタル技術を搭載するようになってきましたから、ブームと言えなくはありません。
半導体関係の仕事にそこそこ長い間携わっておりますと、半導体の技術(テクノロジー)とその応用分野の最近の変化を強く感じます。
以前は新しいテクノロジーは、必ずハイエンド、例えば大型のサーバーのような機器に搭載され、ローエンド、いわゆる民生品には2-3年経過してから採用されることがほとんどでした。
しかし、最近は民生品のデジタル化が進んだため、デジタル家電のようなローエンド機器に最新のテクノロジーを採用した半導体製品が搭載されるようになりました。いわゆるテクノロジー・ドライバーと呼ばれる製品として、家電が占める割合が大きくなってきたのです。
元来デジタルデータと言えば、文字や数字の情報を伝達する場合がほとんどでした。それらは企業間でやり取りされるだけで、家庭内にまで入り込んでくることはありませんでした。
ところが、音声、音楽、画像などの情報がデジタル化されるにつれて、それらを家庭内で再生する機器がデジタル化され、デジタル家電と呼ばれるようになって来ました。
このように最新のデジタル技術が家庭内に真っ先に入ってくるようになると、想像しなかったような革新的な技術によって、生活が大きく変わってしまうこともあるでしょう。携帯電話やインターネットの普及を、10年前に的確に予想することは難しかったのではないでしょうか?
これまでの長い間、新しい技術はまず企業が先取りして採用してきました。それは、銀行のオンラインであったり、衛星放送であったりして、私たちはただ情報の消費者として、流れに任せて利用しているだけで良かったのです。
これからは、真っ先にに最新の技術が家庭に導入されていきますから、私たちが新しい時代を先取りしていかなければなりません。それはチャレンジであると同時に試練でもあります。技術の潮流に流されてしまわないようにしたいものです。