423.OECD学習到達度調査 (2004/12/07)

2000年から始められた、PISAと呼ばれる各国の15歳の生徒(義務教育終了時)を対象とした学習到達度調査は、3年ごとに行われるそうです。41カ国が参加した2003年の調査結果が発表されました。


日本からは約4700人が参加したそうです。点数はOECD加盟国の平均得点が500点になり、標準偏差も100点になるように換算されているそうです。


読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野がありますが、各実施年によって重点的に調べる分野が決まっており、2000年は読解力、2003年は数学的リテラシー、2006年は科学的リテラシーが重点分野になっているそうです。調査の時間は2時間で、重点分野には調査の3分の2の時間を費やすそうです。


さて、日本の成績は前回よりレベルが下がったそうですが、特に読解力の低下が顕著だったそうです。新聞などの報道では日本の成績を平均点だけで比較していることが多いのですが、文部科学省のサイトを見ているといろいろ違った見方が出来ます。


例えば、日本の平均点がそれ程高くない調査項目であっても、レベル6(習熟度が一番高い生徒)の割合ではトップに匹敵する成績を残していたり、あるいは数学的リテラシーの中の不確実性ではオランダやニュージーランドに優秀な生徒が多いなど、それぞれの国で特徴があることがよく分かります。


日本の成績が悪かったと言われている読解力では、フィンランドが圧倒的に優れていて、韓国、カナダと続くそうです。日本は、中位以上の生徒が60%を占めてはいるものの、レベル1未満の数がOECD平均を上回っており、生徒間で格差が開いてきている事が懸念されます。


さてこの発表を受けて、文化相の対談が共同通信に掲載されていたのですが、「勉強しなくなったために、学力が低下傾向にある事を認識すべきである。学力向上策に徹底的に取り組む姿勢を示した。」とされています。


そこまでで止めておけば良かったのですが、その後、「『僕は勉強したいから塾に行きたい』と子どもの方から親にお願いするぐらいでないといけない」と文化相が言ったとか。


文化相自ら、「に行かなければ勉強が出来ない」と言ってしまって良いのでしょうか?これでは、日航の社長が飛行機が遅れたことの言い訳に、「それなら新幹線に乗れば良い」と言っているようなものです。


これは、既に日本の小中学校に期待してはいけないと言うことなのでしょうか?(その通りなのかもしれません。)