さて、外国に行ってその国の名物料理もおいしいのですが、手軽に食べることの出来る庶民の味やファーストフードにも新しい発見があったりします。日本で言えば、天ぷらやすき焼き、お寿司だけではなく、うどんやそばを試してみると言った感じでしょうか。
キムパは大都市の市場などの屋台で売られていますから、気軽に食べることが出来ます。一見日本の巻きずしに似ていますから、同じ味を期待してしまうのですが、基本的に寿司ではありません。ただ、酢飯でないことを除けば、ほぼ同じと考えて良いでしょう。
暑い夏、しかも辛い食べ物で参っているときは、冷たくて辛くないムルネンミュンがお勧めです。酸味が効いたさっぱりスープの中にスイカが一切れ入っていたりします。日本では冷麺や冷やし中華に当たるでしょう。
御座候(ござそうろう)という回転焼きをご存知でしょうか?播州(姫路地方)の名物として、よくデパートの地下などで売られていますが、大邱のデパートで発見したときは驚きました。
日本と同じようにデパートの地下食料品売場に、「播州名物 御座候」と漢字で書かれており、赤あんと白あんがありました。ひとつ買って帰り食べてみると、少しだけ塩気が多い感じがしましたが、ほぼ同じ味でした。
洋食、例えばハンバーグなどを、少し気取った感じのレストランで注文をすると、昔懐かしい感じの味に出会えます。つまり見た目だけの洋食だと言うことなのですが、最近では変わってきているかも知れません。
ところで、韓国で一番驚いたのがパンです。とてもおいしいのです。きれいな店構えの焼きたてのパンを売るお店のデニッシュでも、あるいは田舎の駄菓子屋のようなひなびたパン屋の菓子パンでも、スーパーで売られている食パンでも、どのパンも柔らかくておいしいのです。
ふんわりにしていて香りが良く、味も結構です。これは何か製法の秘密があるに違いありません。フランスやドイツのパンがおいしいのは、伝統的な製法を守っている等何となく分かるのですが、韓国のパンがおいしい理由は何なのでしょうか?
韓国に行けば、焼き肉やカルビが定番です。確かにおいしいのですが、大都市では観光客向けに特別にアレンジされているような感じがしないでもありません。
生活の中で磨かれてきた庶民の味の中にこそ、本当においしいものが発見できるのかも知れません。(その方が安く上がるので貧乏旅行にはありがたい!)