神戸新聞WEB NEWSに、「自閉症者の思い代弁 携帯端末ソフトに反響」と言う記事が掲載されています。
自閉症の方のコミュニケーションを支援する携帯端末機を、コンピューターソフトウェア開発会社とボランティアグループが共同開発したというニュースです。
手のひらサイズのコンピューターにコミュニケーションソフト、「あのね♪」を搭載し、手ごろな価格と相まって全国から問い合わせが寄せられているそうです。
携帯端末機がiPAQであることが少し残念ですが、ハード・ソフト込みで41,790円という価格設定は、このようなコミュニケーションツールを待ち望んでいた人にとっては、無理なく手の届く範囲と言えるでしょう。
タッチパネルからひらかなを入力する事によって単語や文章を作成し、合成音声で相手に伝えることが出来るそうです。
またあらかじめよく使う言葉を、グループに分けて登録することが出来るので、すばやく引き出すことが可能になっているようです。
操作パネルは5種類しかなく、初めて手にしたときから惑うことなく使えるように配慮されています。また子どもが使用する事も想定されているようです。
確かにこの用途の場合、文字入力が素早く出来ることが必要ですし、表示も見やすくなければなりません。また、音声合成処理能力と大音量のスピーカーが要求されます。しかも携帯性が良くなければなりませんから、PDAならではのアプリケーションと言えるでしょう。
6月25日のパルマガのコラム、「狂おしき音の洪水の中で」で、機長さんが「氾濫するスパムメールによって、テキストを音声に変換するソフトウェアを使う視覚障害者が、多くの時間を無駄にしなければならない」、と言う記事を紹介されておられました。
インターネットに代表される情報のバリアフリー化は、まだまだ解決しなければならない問題が多く残っていますが、自閉症の方々がPDAによって積極的にコミュニケーションが出来るようになれば、情報のバリアを一つ取り除くことが出来るかも知れません。
ユビキタス・コンピューティングなどと難しい言葉を使わなくとも、私達の身の回りを見回してみれば、必要な情報がすぐそこにありながら、手の届かない人がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
デジタルデバイドを埋めていくために、パームを始めとするPDAや携帯端末の果たすべき役割は、以前にもまして重要性を増してきているのでしょう。