350.クリエショック (2004/06/11)

CLIEの欧米市場撤退のニュースからだいぶ日が経ちましたが、いまだにそのショックから立ち直っておりません。その為にサイトの更新も滞ってしまいました。(サボりの言い訳です。)


このニュースについて触れずに全く違う話題で更新を続けようかとも思いましたが、CLIEの将来が危ぶまれるかも知れない事態に、パームの普及を願う当サイトが言及しないわけには参りません。


そもそも、パーム普及作戦やらパーム販促作戦と言ってみたところで、自分でパーム製品を作ったり売ったりしていないのですから、国内ではSONYさんにお願いして、がんばってもらわなければどうにも成らない訳です。


コストパフォーマンスを重視するアメリカ人やヨーロッパ人が納得する価格では、SONYが納得する性能のパーム製品を供給する事ができなかったと言うことでしょう。しかしまた機が熟せば、SONYによる欧米市場の再開があることを信じております。


昔、初めてフラッシュ内蔵のカメラが売り出された時、全く売れずにすぐに消え去ったそうです。当時写真を撮るシチュエーションと言えば、旅行に行った時の記念写真が主でしたから、、日常的に室内で撮影すると言うことを想像しにくかったようです。


その後、ストロボが普及しコンパクトカメラばかりでなく本格的な一眼レフにまでストロボが内蔵されるようになり、室内で気軽に撮影することができるようになりました。同じようにPDAの普及には、何らかの生活環境の変化が必要なのかも知れません。


ところで、最近中国が工業製品の生産国としてだけでなく、消費国としても注目を集めています。北京で開催されている自動車ショーには、多くのメーカーが高級車を展示しているそうです。


また、携帯電話の普及が進み、既に2億台以上が売れているそうです。2億と言えば米国の全人口に近づいてきていますから、これまでの欧米市場中心の考え方を、転換する時期に来ているのではないでしょうか?


日本では国民皆中流意識があって、購買傾向が国民全体で同じ方向を持っているのが普通のように考えてしまいがちです。多くの商品で流行りすたれが同時に起こり、若干の地域格差があるとしても、多くの点で単一のマーケット戦略が使えます。


しかし人口の多い中国ではそうは行きません。同じ国の中に様々な階層の人たちが存在し、それらの人たちが形成する市場はそれぞれで異なり、それらを一言で中国市場と呼ぶことは不可能です。そして例え中国の一部の階層でしか売れなくても、すぐに億単位の市場になるのです。


アメリカ人にはコストパフォーマンスで割高感のあったCLIEの高級機種が、意外と中国では大ヒットに成るのではないでしょうか?少なくとも一部の階層には受け入れられるでしょう。普及率が低いままでも、市場規模はそれなりの額になると思われます。


特にSONYお得意のエンターテインメントとPDAの合体は、中国受けするように思います。これからは中国市場をメインターゲットとしたCLIEを、開発してみては如何でしょうか?

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