六本木ヒルズの事故により、全国的に自動回転ドアが休止しています。そう言えば大阪の梅田界隈でも、意外と多くの自動回転ドアがあるようです。今は警備員が横に立ち、使用を止めた自動回転ドアの横の狭いドアを、通行人がすり抜けていきます。
回転ドアと言えば一番古くに思い出すのは、大阪万博のアメリカ館でした。内部の気圧を高めたドーム構造から空気が逃げるのを防ぐ為、かなり気密性の高いドアでした。ドアを通過する時、気圧が急激に変化するため、耳が痛くなったのを覚えています。高気密性が要求される場合は、回転式ドアはなくてはならない物のようです。
回転式のドアはUSにも以前から多くあります。ホテルの入り口にこれがあると、ごろごろ引っ張るトランクを持って入ってしまうと、立ち往生する事がしばしばあります。大きな荷物があるときは、できるだけ横の通常のドアを使うのが無難なようです。
手で押すタイプの回転ドアは結構重いことが多く、同時にドアを押している人の体力によっては、かなりの重さを感じることがあります。逆に力一杯押す人がいると、はじけ飛ばされてしまいます。自動回転ドアは、このような欠点を補うために増えてきたのでしょう。
回転ドアの難しさは回転速度もさることながら、ドアから出てくる人と入っていく人が速やかにそれぞれの行くべき場所に移動しなければならないところです。極端な例で言えば、ある人がドアから出るべきなのにそのまま回り続けるようなことをすると、秩序が乱れてしまい危険です。
これは、エスカレーターやスキー場のリフトなどと似ています。スキー場のリフトは初心者には難しい物です。ただでさえ歩行に苦労するスキーを引きずっているのですから、リフトに乗る前にばったり倒れてしまう事は、珍しいことではありません。必ず係員が側にいて、非常時は運転を緊急停止させるようにしています。
またエスカレーターも以前は子どもの事故が多く、係りの人が必ず側に立っていたものです。今でも、混雑しているとき、エスカレーターを降りた人が速やかに進めない場合、後からどんどん人が溢れてきて危険を感じることがあります。利用者が危険に対する認識を持っていることが必要になります。
さすがに最近では、エスカレーターに乗るときに、躊躇してタイミングを計って乗っている人を見ることはなくなりましたが、自動回転ドアの場合は、飛び込むタイミングを計っているいる人も多いのではないでしょうか?
今回の事故ではドアの自重が重いため、緊急停止してもドアが完全に静止するまでに時間がかかった事が指摘されています。しかし、自動回転ドアを瞬時に止めると、逆に頭をぶつけたりする危険性もありますから、ただ止めればよいと言う訳ではありません。
瞬時に止めることが困難ならば、挟み込んでしまう可能性がある部分だけでも、力が加われば外れてしまう等の対策がされているべきでしょう。
自動回転ドアの利点を生かすためにも、挟まらない形状を工夫するなど、安全性を高めて安心して誰でも利用できるようにしてもらいたいものです。