鳥インフルエンザの問題が渦巻いている兵庫県では、鶏肉の安全性を謳ったチラシを学校を通じて全保護者に配ろうとしています。過去に鶏肉や鶏卵を食べることによって人に感染した例がないことや、十分加熱すればウィルスが死滅することを安全の根拠としているようです。
一方、学校給食からは鶏肉が閉め出されつつあります。これ程大量に死んだニワトリを焼却処分したり、自衛隊まで出動して穴に埋める作業をしている現状において、さすがに安全であるとは考えにくいのも確かです。
感染ルートが明確でない今、それを明らかにしていくためにも、これ以上感染を広げないようにしなければなりません。
asahi.comのサイエンス欄に、米国で最近2年間に年間200人以上が死亡している、西ナイル熱に関するニュースが掲載されています。これまでは鳥を刺すアカイエカと人を刺すアカイエカは別の種類で、生息している場所も分かれていたそうです。
ところが近年、2つの種類のアカイエカで交雑が進み、両方の遺伝子を受け継いだアカイエカが米国で増えてきているそうです。このアカイエカは鳥と人間の両方を刺すそうです。
ヨーロッパではほとんど見つかっていないそうですが、米国では採集されたアカイエカのうち約半分が、このタイプのものだったそうです。西ナイル熱が米国だけで流行している原因ではないかと考えられています。
恐ろしいのは、鳥と人を刺すタイプのアカイエカは、すでに日本でも存在が確認されており、西ナイル熱が日本に入ってきたときには、米国同様日本でも大流行する可能性が高いとされていることです。
蚊の発生する時期とインフルエンザが流行する時期はズレていますが、鳥インフルエンザも鳥と人の両方を刺す蚊を媒介として、ウィルスが鳥と人の間を行き来する事が起こらないとは限りません。
今問題となっている鳥インフルエンザの感染ルートを解明して、対策を講じることは言うまでもありませんが、今後蚊を媒介にしてこれらの病気の流行が起こる事のないように、先手を打つ必要があるのではないでしょうか?