2月16日から関西圏の通勤電車で、携帯電話の使用に関するルールが統一されたそうです。私が利用しているJR西日本の車内でも、新しいルールになったことを説明するアナウンスが繰り返されています。要約すると次のようなルールに変更されたようです。
- 優先座席の近くでは、携帯電話の電源を切ること。
- それ以外の車内ではマナーモードにして、通話はしないこと。
優先座席の近くでは電源を切ることによって、心臓ペースメーカーに影響を与える可能性のあるいっさいの電波の発生を禁止しています。また会話や呼び出し音による苦情に配慮して通話を全面的に禁止しています。
これまでは、混雑している車内では会話やメール交換が迷惑であるとして電源を切るように呼びかけていました。しかし、「混雑した車内」の基準が曖昧であったり、全て電源を切る事に無理があり徹底されていませんでした。
今回の変更によって、心臓ペースメーカーに対する配慮と会話がうるさいと言う苦情に適切に対応をしようとしているように思われます。今回の変更によって、優先座席の近くでなければ、音を出さない限りメールやゲームを遠慮なくすることが出来ますし、またパームを始めとするPDAも、安心して車内で使うことが出来るようになります。
ただ優先座席の近くと言う表現が依然曖昧さを残しています。また心臓ペースメーカーを装着した人が必ず優先座席に座っているわけではありません。心臓ペースメーカーを付けている人でも、元気はつらつとしている人もいるのです。
関西では阪急電車が、全ての座席が優先座席であるとした考えから、一番先頭の車両と最後尾の車両で携帯電話の電源を切ることをルールとしています。優先座席の近くと言う曖昧さがない点で優れていますし、心臓ペースメーカーを装着した人の便宜を図ったルールと言えるかもしれません。
ただ正直なところこれらの車内規則を設定しているのは、実際は事故が起こったときに鉄道会社側が注意義務を果たしていたという実績を作るためのアナウンスなのでしょう。
おそらく、他にはなかなかあり得ないぐらいの混雑した車内を提供しているのは鉄道会社ですから、その特殊な環境での携帯電話の危険性を警告する義務が生じると思われます。
22センチメートル以内で携帯電話の電波を心臓ペースメーカーに照射すると、動作に異常をきたすことがあると言うことが一般常識になっているとすれば、混雑した環境を作り出している鉄道会社に何らかの注意義務が生じることが考えられます。
取りあえず今回のルール変更は関西圏の鉄道会社で統一するのが目的ですから、電車を乗り換えるたびに異なるルールを気にしなくても良くなりました。携帯電話のマナーとして今後定着していく事を期待します。