296.中国はビールでも大国であった (2003/12/28)

asahi.comで、中国がビールの消費で米国を抜く勢いになっていると報じています。人口当たりの消費ではまだまだ及ばないものの、高級品であったビールの消費が、経済の成長と共にうなぎ登りになってきているとしています。


中国のビールと言えば青島麦酒(チンタオ・ピーチュー)が有名です。緑色の缶に入った麦酒は、世界各国の麦酒を集めた店では定番になっています。少し独特の香りがあり、なかなか味わいのあるビールです。


中国と言えば老酒が有名ですが、これからは中国ビールも中華料理の宴席の主役になって行くことでしょう。


ただ中国には輸出されている青島麦酒以外にも数多くの銘柄があり、日本の地酒と同じように地方ごとに地ビールなるものがあります。


面白いのはそれらの多くのアルコール度数が、一般的なビールの5%程度ではなく、ワイン・日本酒に近い10%台であることです。ですからビールのつもりでグビグビ飲んでしまうと、後でやっかいな事になります。


1985年の夏に中国の桂林に行き、表通りに面した食堂で朝ご飯を食べた時の事です。中国の朝ご飯はお粥が一般的ですから、お粥を注文して何か飲み物をと思ったのですが、暑い夏で喉が朝から乾いていたので、ビールを注文してみました。


店の前にずらりとビールの銘柄が並んでいたのですが、大きさはどれも日本の大ビンぐらいでした。桂林地元の麦酒だと言うことで、その中の一つであった「桂林麦酒」とラベルに書かれたビールを注文しました。


当時の中国では(今は知りませんが)ビールは冷えた物が出てくることはめったになく、夏の室温のまま出てきました。のどが渇いていたものですから、それこそグビグビ飲んでいたのですが、そのなま暖かい温度と相まって予想以上に酔いが回るのです。


最後に飲み終えたとき、ビールのラベルをしげしげと眺めたら、何とアルコール度数12%と書かれてあったのです。例えば日本酒3合を朝から暑い夏に飲んでしまえば、酔いが回るのは当然かも知れません。


新聞で中国のビール消費が米国を抜きそうだと聞いて、おそらくビールのアルコール量換算での消費は、既に抜いているだろうと思った次第です。