最近は、もはや当たり前過ぎて話題にもなりませんが、パスタの茹で加減は「アルデンンテ」が良いと言われています。アルデンテに関して講釈するほどパスタには詳しくないのですが、ふにゃふにゃであったり芯の残ったパスタが出てきた時は、味以前の問題として苦痛を味わうことになります。
USなどでスパゲッティーを食べると、たいていはふにゃふにゃの麺が出てきます。あれだけ肉の焼き方にいろいろ注文できるのですから、麺の茹で加減もこだわってくれれば良いのにと思いますが、そもそも茹でてからかなり時間がたったものを使うようですから、一切こだわっていないのでしょう。諦めた方が良さそうです。
日本でも、如何にもこだわりを持っているといった評判のお店でスパゲティーを期待して待っていて、鋼のように硬い麺(少し言い過ぎですが)が出てくることがありました。
茹でた後にもう一度フライパンで炒めるからと、堅い目に茹で上げているつもりでしょうが、油で炒めたら確かに火は通りますが麺を茹でるのとは違いますから、芯の硬い麺はそのままか、あるいはさらに硬さに磨きがかかって登場する事になります。
このような麺が、如何にもイタリア料理専門店を標榜するお店で出された時の失望感は、もうそのお店に2度と訪れないようにするには十分です。
意外とチェーンで展開しているスパゲティー屋が、マニュアルで茹でる時間がきちんと管理されているからか、茹で加減が良かったりします。そこで登場するのが「茹で麺機」です。
日経BizTechに「96度でパスタを茹でる、無沸騰で省エネの茹で麺機」と言う記事が掲載されていますが、それまでの沸騰したお湯で茹でるのを改め、96度の沸騰する直前の温度で茹でるようにした茹で麺機が紹介されています。
ご存知のように、水は100度で沸騰します。そしてその温度を維持するために沸騰し続けるようにしていたのですが、それでは気化熱を補給し続けなければならないのでエネルギーを大量に必要とします。さらに、蒸発した水を追加して行かなければなりませんから、水道代もかさみます。
この新しい茹で麺機では、使用する水の量は5分の1以下、光熱費は20-30%で済むそうです。また、沸騰することによって麺が攪拌され、麺がくっつくのを防いでいたのですが、その代わりに噴流モーターを追加して解決しているそうです。
96度と低い温度になったため茹で時間が少し長くなるそうですが、食感には大差ないそうです。そのうちスパゲティー屋さんの前には、「当店は地球温暖化防止の為に省エネを実践しております!」、なんて掲げられるかもしれませんね。