23.パーム販促作戦:パームIP電話 (2003/02/24)

携帯電話は通信していくらと言う商売ですから、頻繁にサーバーに接続して通信費がかかるように全ての機能を実現していきます。電話機能やメール、さらにインターネット閲覧と同じように、PIM機能も通信することが必須です。この通信費を継続的に徴収することによって、本体の価格を抑え初期加入料を安くして、新規加入者を獲得してきたのは皆さんご存知のとおりです。



今携帯電話を使っていない人に、パームを使い始めてもらおうとしたら、パーム・コンピューティング社のZireのような低価格で、紙の手帳を置き換えるような機械の投入がいいかも知れません。以前パーム社やハンドスプリング社の投げ売りの時のように、販売台数だけはある程度稼げるでしょう。しかし、利益を上げ、安定継続的に収益を上げることは困難だと思います。



では、今携帯電話を使いこなしている人に、パームを買っていただくにはどうしたらよいでしょうか?携帯電話にPIM機能やインターネット接続機能があるのですから、もうひとつさらに大きい筐体のパームを、携帯電話と一緒に持ち歩く必要がある人は限られてきます。



以前、パームOSを携帯電話のソフトウェアの開発プラットホームにする話を書きましたが、これはパームOSとしての売り上げには寄与するでしょうが、PDAのハードウェアは携帯電話そのものになってしまうので、意味がありません。



そこで、携帯電話と真っ向から対抗するために、パームIP電話を(無責任に)提案したいと思います。ここでのポイントは、ビジネスモデルの違いです。携帯電話は、さっきも書きました通り通信費によって本体機器や通信インフラを整備します。パームIP電話はそれに対し、ハードウェアは機能に応じて値段付けをし、通信費では基本的には儲けません。



もちろんIPに接続するまでの通信費は必要ですが、PHSのつなぎ放題で固定料金として、その代わりIP電話としては通話料を無料にするのです。このようにすれば、通信費を抑えた分で本体の価格を購入者が支払うことができ、ハードウェアの販売で利益を出すことが可能になります。携帯電話の通信費に対して、競争力のある価格にできれば、特に電話のヘビーユーザーには魅力的なものになります。また、本体の価格がある程度高くなると、携帯電話に戻ることが容易にはできなくなります。



いくつか、問題はあると思いますが、携帯電話に対抗してパームの勢力を拡大するためには、パームIP電話は絶好の起爆剤になると思います。



この3月から正式にIP電話のサポートが開始され、IP電話の認知度も上がってくるでしょう。パームとIP電話の組み合わせは、これまでの通信インフラになかった新しい分野を切り開くに違いありません。いかがですか、どっかのパームOS採用メーカーで採用してくれませんかねー。

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