真面目にやっているように見えて一向に前に進んでいないプロジェクトは、日本中至る所に存在しています。これらは真面目にやっているように見える人が、何も実体のある仕事はせずに群がっているだけなのかもしれません。
仕事の効率は技術的な効率もさることながら、マネージメントにも大きく影響されます。この本にはこのような例が載っています。
横浜のアメリカ軍司令部から東京の帝国ホテルに電話をしようとしたら、日本の電話は交換手が電話をつなぐだけで3時間は掛かると言われた。それならと、自動車に電線を積んで新しい電話線を引いてしまい、わずか1時間半で「ハロー、ハロー」とやり出したそうです。
自動車で電線を道路に落としながら、後ろから別の自動車で電線を電柱に引っかけていったそうです。勿論、その場しのぎの方法かも知れませんが、目的に合わせて迅速に実現しなければならない場合もあります。
かけても良い時間と労力を、目的に合わせて適切に選択する事は、経営における科学的裏付けを常日頃から考えておかなければ、一朝一夕に出来ることではありません。
10本の橋を川に架けなければ通行量をさばくことが出来ないとき、10本同時に工事を始めてから工事費が膨れ上がった為予算が足りないことが分かり、中途半端な工事中の橋だけが残り、その内の一つとして実用に供さなかった例が紹介されています。
経営や管理手法をサイエンスとして捉えず、いたずらに勤勉論や精神論がと言ったものに置き換えている事が多くないでしょうか?データを使って物事を捉えるだけでは科学とは言えません。
何かの行動を起こしたときの結果を予見でき、それが偶然ではなく科学的な根拠を示すことが出来なければ、困難な時代に生き残ることは出来ないでしょう。マネージメントに関しては、日本は欧米に比べて立ち後れていたのです。