同じくアサヒカメラの11月号に、「あなたのプリントがくっつく!?」と言う記事が掲載されています。ある種のインクジェットプリントされた写真用紙がくっついてしまい、無理に剥がそうとすると写真が台無しになってしまうと言うのです。
そもそもの発端は、アサヒカメラのコンテストに応募される写真に、最近はインクジェットプリンターから出力されたものが増えてきて、他の応募作品と重ねた時にくっつくことが増えて来たと言うのです。
またフォトコンテストと言う雑誌は、主にコンテスト応募によって構成されているため写真作品の応募が多く、こちらの方でも最近のインクジェットプリンターからの作品のトラブルが増えているそうです。
写真雑誌にとっては、印画や印刷された写真は、雑誌を作る上での大切な原稿でありますし、作品を作者に返す必要がある場合、その損傷は雑誌社の信頼を損ねる事になります。
調べてみると、インクジェットプリンターの写真用紙には2種類のタイプがあり、そのうち「膨潤タイプ」と呼ばれるものに被害が多いそうです。
「膨潤タイプ」は、表面に寒天のような水分を吸収する樹脂が塗布されており、インクの水分を吸収し同時に染料を定着させるそうです。欠点として湿度に弱い、顔料タイプのインクに対応できないなどがあるそうです。
その湿度に弱いという特性によって、湿度の高い状態で放置されると樹脂層が柔らかくなってしまい、他のものと重ねたりするとくっついてしまうのです。
もう一つの「多孔タイプ」は、これまでは主に業務用として使われていましたが、最近は一般消費用に多く出回ってきているそうです。このタイプの場合は、くっつく事はないそうです。
問題なのは、写真用紙の名前にも説明にも、どちらのタイプであるか表示がされておらず、取り扱いの注意も明確にされていないと言う事です。
カメラ雑誌では、インクジェットの用紙で応募する場合は別個の袋に入れて応募するように呼びかけているそうですが、なかなか徹底できていないそうです。また、膨潤タイプの場合には印刷後に24時間以上の乾燥をする事を推奨しているそうです。
個人的に写真として保存する場合、湿度によって知らないうちに他の写真とくっついていては大変です。写真は、長期保存性が重要です。これまでの印画紙以上に湿度管理が重要であるようです。