昨日のニュースで入ってきた、パームOSで動作するノートPCに対して、パームコミュニティーではあまり盛り上がっていないようですね。
「シグマリオンの類似品程度のものではないか」といった予想や、「これまでのパームで十分」といった意見、「パームOSはノートPCのOSにはなれんよ」などなど。
「おもしろそうだが、俺は買わんよ」みたいな感じですか。確かに私も買うかと言われれば、すぐに買うとは思えませんね。
いや、ちょっと待ってください。PalmSourceが目指すのは、趣味で買ったり買わなかったりするものなのでしょうか?これまでのパームハンドヘルドのサイズを拡大して大きめのディスプレーを装備した、大判パームなのでしょうか?
その通りかもしれません。それなら、シグマリオン・イクィバレントな端末になりますから、気に入れば買えばよいでしょう。
しかし、もしPalmSourceが、今のWindows対応のノートパソコンをはるかに凌ぐ、画期的なノートパソコンを開発しようとしていて、世の中のノートパソコンがすべてパームOS Poweredになるとしたらどうでしょうか?Windowsパソコンを使っていた人が、みんなで新しいパソコンに乗り移っていくことは、全くあり得ない話ではありません。
ノートブックパソコンのOSを、すべてパームOSにする。これは、PalmSourceの野望です!
そのような大げさなことをPalmSourceが考えていると私が予想するのは、2つの理由があるからです。
- 大型ディスプレーつきのパームを開発するなら、秘密裏にpalmOneと開発すれば良いはずである。ハードウェアのパートナーを募るのは、今ノートパソコンを製造している企業を数多く巻き込んで、ノートパソコンからWindowsを無くしてしまう事を計画しているに違いない。
- ビル・ゲイツの資産総額の約5兆2900億円にあやかりたい!
タブレットPCは、マイクロソフトがWindowsの牙城を崩さないように作ったので、成功していませんが、PalmSourceならもっと大胆な戦略に出ることが出来るでしょう。
「ダウンサイジング推進計画 最終回: パームよ、機は熟した!」でも書きましたが、パソコンのOSで独占状態にあるWindowsを覆すことが出来る企業は、限られています。Sunは今は経営状態があまり良くありませんし、HPは合併からまだ日が浅く、戦略的に打って出るのは時期が悪そうです。DellのビジネスモデルにはOSの新規開発はありませんし、IBMはOS2で既に失敗しています。
つまり、Windowsパソコンに立ち向かっていける企業は、これまでWindowsパソコンに手を染めていないAppleとPalmSourceぐらいしかありません。
みなさん、Windowsパソコンが好きですか?何とかならないかと思い続けているのではないですか?もし、PalmSourceが野望を持って挑戦しようとしているのなら、Windowsから抜け出せる10年に一度のチャンスかもしれません。
ユビキタスやオンデマンド、グリッドコンピューティングなどこれからのネットワーク社会には、新しいパソコンのOSが求められているはずです。是非、このPalmSourceのコンファレンスでの発言が、徐々に大きな潮流となって、パソコンを大きく進化させる原動力になって行って貰いたいものです。