今回の北海道沖地震によって被災された地域の方々の、一日でも早い復旧を願っております。
今回の地震による津波は、3メートル以上にも及んだそうです。新聞に掲載された岸に打ち上げられた漁船を見ると、津波の恐ろしさを改めて感じます。北海道の地震は、これまでも十勝沖や北海道南西地震など、強い地震が発生していますが、特に奥尻島での津波による被害は、悲惨なものでした。
いま、インターネットで調べてみると、地震の後3分から5分で襲って来たといいますから、海岸に近い所にいる場合は、すぐに飛び出して丘に向かわなければなりません。震源地が近い直下型で、周りが海で囲まれた島であったと言う特殊なケースではありますが、津波が来るまでにそれほど余裕を与えてくれないことは、肝に銘じておく必要があります。
津波について調べると、「Tsunami Information Resource」などに、いろいろな情報を見つけることができます。津波の普通の波との違いで特徴的なのは、その波長が長いと言うことだそうです。一般の波は、波長が150メートルぐらいで、周期は10秒程度だそうですが、津波の場合は、波長が100キロメートルで周期が1時間の単位になるそうです。
広い海を伝播する波の速度は、深さに反比例するそうで、太平洋の平均的な深さの4000メートルの場合、津波の伝播速度は毎時700キロメートルになるそうです。ほとんどジェット機と同じ速さで太平洋を渡ることになります。
深い海では津波のエネルギーは減衰せず、遠いところまで強いエネルギーが伝播するそうです。岸に近づき深度が浅くなるに従い、波の高さが増して行きます。
私たちは、大きな波といえばハワイなどのサーフィンをしている海を思い浮かべます。しかし、波長が長い波は「ザブーン」といった波ではなく、潮位が異常に高くなって来ると言った感じらしいです。しかし、その波が引いていくときは破壊力が凄まじく、防波堤などがなくなってしまうのは引け際の波のようです。
過去に何度も大きな津波で被害を受けてきている日本ですが、10メートル以上の津波が来たときに、その進入を海岸線で食い止める方法はないように思われます。少なくとも、地震発生後に津波を察知し、避難を速やかに促す必要がありますが、その体制の整備はおろか、必要性にさえ気づいていないのが現状です。
長年掛かって築いてきた財産も、守ることができなければ早晩失うことになります。災害の度に同じように財産を失って行くわけにも行きません。しっかりとした人命や財産を守るための体制作り、意識作りが必要になっているのではないでしょうか?