「188.偶然は小説より奇なり」に於きまして、計算の間違いがあるというご指摘をK様より頂きました。どうもありがとうございました。188の雑記に打ち消し線と注釈を付けさせていただき、ここに再度根性を入れ直して計算をやり直させて頂きます。
まず、過ちの原点は何事に付けても同様であるわけですが、全体を見渡すことを忘れていたことであります。つまり、どのような事象の集合体が100%であるかを捉えていなかった、と言うことです。その為、1より大きい数字を確率と思い込んでしまいました。どうも確率と期待値がごっちゃになっていたようです。
ではやり直してみます。30人のクラスの場合で、少なくとも1組の同じ誕生日の生徒がいる確率を求めます。
最初に1組も誕生日が他の生徒と重ならない確率を求めていきます。1人目は誕生日がいずれの日であっても他と重なることはないですから、365日の内365日が該当し、365分の365の確率になります。
2人目は、1人目と重ならないようにするには、1人目の誕生日以外の364日のいずれかでなければなりませんから、365分の364の確率になります。以下順に確率を求めると、3人目は365分の363、4人目は365分の362と言うように、30人目は365分の336になります。
1組もいない確率は、これらが同時に起こらなければなりませんから、
365/365 x 364/365 x 363/365 x …. x 336/365
= (365!/335!)/36530 = 約0.3
今求めるのは、1組も同じ誕生日の生徒がいない事象の余事象になりますから、100%から約30%を引いた約70%が、少なくとも1組の同じ誕生日の生徒がいる確率になります。10クラスあれば、7クラスに同じ誕生日の生徒がいる確率だと言うことです。
先ほどご指摘を頂いたK様は、40人クラスの時の計算では約90%の確率で、少なくとも1組の同じ誕生日の生徒がいると計算してくださいました。この場合は、10クラスあれば9クラスにいることになり、かなり高い確率だと言えるでしょう。
実は、この話は10数年前に、数理何とかと言う数学系の雑誌のコラムに掲載されていたものです。印象に残っていて思い出して書いてみたものですから、いい加減な計算になってしまい申し訳ありませんでした。その雑誌には、ちゃんとした計算が書かれていたと思うのですが、高い確率で同じ誕生日の生徒がいると言う結論だけが、印象に残っていたのでした。
改めてこのような計算は、基本をしっかりと押さえておかないと、誤りを誘発してしまうことを感じました。また、ご指摘を頂いたK様には、重ねて感謝致します。どうもありがとうございました。