今更どうでも良いという意見もあるかとは思いますが、成り行き上今取り上げておかないと、もう2度と話題の上る事がないと思われますので、あえて再挑戦してみます。
54.なぜ2000円札は流通しないのか?では、2000円札が持つ普及の難しさを考えてみたのですが、実際はもう大量に作ってしまって倉庫に眠っている訳ですから、それを何とか人々の経済活動に役立つようにしなければなりません。
本当に2000円札が必要かどうかはさて置き、作ってしまった物を無駄にしない為にはどうしたら良いかだけを考えて見ましょう。
来年7月以降に新紙幣が発行されます。2年かけて新紙幣を流通させていく計画のようです。この時期が、2000円札を普及させる事のできる最後のチャンスになるでしょう。
2000円札の失敗の理由はいくつかあるでしょうが、大きく分けると、次の2つになると思われます。
- 他の紙幣(1万円札、5千円札、千円札)に対応した自動販売機で、2000円札だけ新たに対応することが困難であった。
- 2000円という、中途半端な金額の紙幣になじみがなく、使いづらい。
今回、他の紙幣も一斉に更新されるので、自動販売機への対応に関しては互角になります。偽造防止の技術に関して、新紙幣には2000円札が作られた後に開発された技術が採用されている可能性もありますが、致命的な欠点になる事はないと思います。
以前は2000円札だけの為に、自動販売機の対応をする事はできなかったのですが、今回は全ての自動販売機を対応させる事が必要になりますから、同じスタートラインに並んだと言えます。
2番目の使いづらさに関してですが、2000円という中途半端に思える額面を、使わざるを得ない条件を作り出せば、最初は仕方なく使うにしても、徐々に2000円札に慣れて来るでしょう。そのための条件とは、新5000円札の流通量を絞る事です。
前にも書きましたが、USで25セント硬貨がポピュラーな割に、50セント硬貨はほとんど使われていません。25セントが便利だから、必然的にそうなったのかもしれませんが、流通量にも影響されると思われます。
意図的に5000円札の流通量を絞れば、2000円札を使わざるを得なくなります。2000円と5000円では、どちらも理想的な額面という訳ではなく、同じぐらい使いにくい筈ですから、慣れれば5000円札の必要性は感じない筈です。
これから印刷する5000円札の枚数を減らす事で、2000円札を普及させる事ができるのなら、費用の面でも以前の失敗を少しは取り戻せるのではないでしょうか?
あるいは、ついでに200円玉などを新しく発行すれば、2000円札に早く慣れる事ができるかもしれません。何々、これ以上無駄な貨幣を造ってどうする?いや、ごもっとも。