月刊日経サイエンス 2003年9月号に、「世界の“なぜ”を読み解く スケールフリーネットワーク」と言う記事が掲載されています。
インターネットは言うに及ばず、電力網、交通網、人間関係から生命の本質まで、すべてネットワークであると言えますが、ネットワークを研究していくと様々な発見があるそうです。
曰く、ネットワークには多くのノードと接続された比較的少数のハブが存在し重要な役割を担っており、このようなネットワークをスケールフリーネットワークと呼ぶそうです。
特徴として、突発的な障害には非常に強いが、ハブを攻撃されるとネットワークが分断され脆さを呈してしまうそうです。
面白いのは、「隣の6人」と呼ばれる実験です。USのある地方に住む人々をランダムに抜き出し手紙を出し、その手紙をボストンのトレーダーに渡るように依頼しました。その手紙は、平均6人の人を経由して届けられたそうです。つまり、6人の知り合いを介すれば、世界中の任意の人とネットワークでつながっていると言う事だそうです。
現在、世界には30億ものWEBページがあるそうですが、ある一つのページからスタートして、そこからわずか19回のクリックでリンクを辿る事で、30億ある中の任意のページに行き着く事ができるそうです。
ネットワークを研究する事によって、コンピューターウイルスの対策を講じる事ができたり、電力網の災害復旧に役立てたり、伝染病の感染メカニズムが解明されたり、様々な分野に応用ができるそうです。
一つ記事の中で気になるのは、ネットワークのハブが成長する過程と、お金持ちが更にお金持ちになる過程が似ていると書かれているのですが、貧乏から脱却する方法は、ネットワークの研究からは導けないのでしょうか?