少し前に、JR西日本が無線LANを使った実験を始めたと言うニュースがあり、少し気になっていました。「無線LANの鉄道への応用技術開発-未来を拓く鉄道の変革をめざして-」には、車両の運行状況の把握や駅の案内表示の為の情報を、大量かつ高速に通信する事を目的としていると書かれています。
JR宝塚線の沿線に、無線LANのアクセスポイントを400-500メートルごとに配置し、130Kmで走行する車両から社内のネットワークに接続する事ができたと報告されています。
確かに、最近列車の事故が増えていますし、乗務員に事故の情報や復旧の予定などが伝わらず、数時間も車両に閉じ込められたと言う事が何回か起こっていますから、情報の伝達方法の改善は必要だとは思います。
しかし、それにしては不自然なスペックがいくつかあります。例えば:
- 無線LANとして広く一般に普及していると言う理由で、IEEE802.11bを採用した事。
- 複数のネットワーク(複数の線区)を同一IPアドレスで移動できる事を目指した事。
- 130Kmで走行中の車両から、2-3Mbpsの伝送速度の送受を行った事。
- 乗務員室から、WEB形式で閲覧できる事を確認した事。
- IP電話を普通の電話と同じ品質で使える事を確認した事。
これを見て、通勤電車で近い将来、無線LANが使えるようになると予想しない人がいるでしょうか?
もちろん、列車の運行情報の伝達でも、このような事が要求されるのかも知れませんが、それならもっとそれに特化した方法がありそうに思います。
そして、昨日の発表は更に期待を膨らませるものでした。「駅における無線LANによるインターネット接続サービスの実験」は、そのものずばりです。取りあえず新幹線の駅の待合室だけのようですが、走行中の列車と駅の両方で無線LANを実用化しようとしている事が、はっきり分かります。
最近は、アメリカン航空のように航空機の中でも、携帯電話の利用制限が緩くなってきているようです。現在は、携帯電話の利用が列車内で制限されていますが、無線使用可能車両を指定するなどの動きも出ています。
さて、通勤電車で無線LANが使えるようになったら、その端末の主役は当然PDAしかないでしょう。
これまで駅のキオスクなどで、ソフトウェアや電子書籍のダウンロードの実験をしていましたが、電車内でダウンロードできるようになれば、利用は飛躍的に拡大するに違いありません。通勤電車の必需品になりますから、まず駅のキオスクとパームの特約店契約を結びましょう!
ここは一気にパームを普及させるチャンスです!