フランスのリヨンに旅行で行った時のことです。ベルクール広場という市の中心にある公園の、公営地下駐車場に車を停めました。入り口の自動ゲートで前の車の運転手は、どうもクレジットカードのようなものを機械に差し込んでいます。
自分の番になって自動ゲートに近づいてよく見ると、その機械には磁気ストライプのあるカードを差し込む事を促すイラストが書かれていますが、使えるカードの種類や説明が表示されていません。試しに手持ちのJCBカードを差し込むとゲートが開きましたが、駐車券も何も出てきません。
取りあえず車を開いたスペースに停め、出るときに係員に聞けば何とかなるだろうと思い、観光に出かけました。このときは、地元の人が持っている特別な駐車場で使える磁気カードがあって、それを入れなければならなかったが、たまたまJCBカードでゲートが開いてしまったのだと思い込んでいました。
さて、2・3時間後駐車場に戻り、駐車場脇にある日本と同じような料金支払いの機械の前で、まず全てフランス語でのみ説明が書かれていること、さらに係員は出口ゲートも含めどこにもいない事に気づきました。駐車時間によって料金が違うように書かれているようですが、入場のときに使ったクレジットカード以外には、何もありません。試しに、機械にクレジットカードを入れても、訳の分からないフランス語らしきエラーメッセージと共に、すぐに吐き出されてしまいます。
仕方ないので、出口ゲートでインターホンで係員を呼び出そうということになり、車に乗って出口ゲートに向かいました。出口ゲートの機械にも、さっきと同じように無銘柄の磁気カードを差し込むように書かれています。ためしに、さっきのJCBカードを入れると、なんとゲートがサッと開くではありませんか。
つまり、入り口で入れられたクレジットカードの番号と入場時刻を記録しておき、出場時にそのクレジットカード番号による駐車時間分だけ、クレジットカードにチャージするという仕組みのようでした。
日本では、必ず入場時間を記録した紙の磁気カードを受け取ることに慣れていたので、すごく不安でしたが、その合理的なシステムに感心したのでした。
おそらく地元の人は、デビットカードやプリペイドカードなどの利用もできるのかもしれませんが、クレジットカードが直接使える利便性はすばらしいと思いました。できれば、英語ぐらいでは説明がなされていてもよかったかなとは思いますが。
日本ではテレホンカードや電車の自動改札など、それぞれ別の支払方法を所持しなければならず、利用者の利便性を考慮したシステムとは言い難いかと思われます。少なくとも、プリペイドカードの規格ぐらいは統一して、一種類で対応できるようになればいいのですが、難しいのでしょうね。