日経ビジネスに、ビクターのウッドコーンスピーカーの話が載っています。
実は最近知ったのですが、ビクターはコンポーネント・ステレオ関連は、もうスピーカーしか作っていなかったのですね。ビクターと言えば、「His Master’s Voice」の犬と電蓄で有名なステレオメーカーですから、ステレオは今でもフルラインで揃えていると思っていたものですから、残念ですが時代が変わっていたようです。
そのビクターから、木のコーンを使ったスピーカーが出されるということで、注目を集めているということです。
ヴァイオリンやピアノは、言うまでもなく木でできていますから、音源と同じ素材を使ったスピーカーは、これらの楽器の音を再生するのに、優れた特性を持つそうです。アイデア自体は、20年前からあったそうですが、プレス成形の技術がなかなかできなかったそうです。
おもしろいのは、一度目のプレス時に木が割れないようにするために、日本酒に浸してからプレスするそうです。いっそう良い具合に音楽に酔えそうな感じがします。甘口の酒の方が、歩留まりが良かったと言う話は微笑ましいですね。
木の種類はカバを使ったそうです。カバ桜などとも呼ばれ、桜の木に似た美しい木目を持ち、北海道家具などに使われています。
ヴァイオリンやピアノ、ギターなどはよくスプルースを使いますが、おそらく木質が粗な為に、薄くスライスするのが困難だったのではないでしょうか。
木の種類によって、再生を得意とする楽器が違ってきたりするでしょうから、もしカバを使ったスピーカーが好評を博したら、木の種類を変えて異なった音質を狙ったバリエーションも出してもらいたいものです。
デジタル時代に、いかにもアナログ的なこだわりも、面白いものです。是非、発売されたら視聴してみたいものです。