117.科学技術白書 (2003/06/06)

NIKKEI NETに、「日本の研究者、処遇は不十分・科学技術白書」と言う記事が掲載されています。2002年度版科学技術白書に基づいた記事ですが、一般事務職と技術職の賃金を、USと日本で比較しています。押し並べてUSのほうが、技術職に対する賃金が高く、日本の技術職の処遇が不十分であると言っています。面白いことに医師パイロットだけは、日本の方が高いそうです。


理科系は大学での履修科目においても、文科系に比較して負担が大きいとされています。ですから、それに見合う待遇がどこかで成されていなければ、苦しい思いをするだけ損だと感じるのは当然ですし、その結果優秀な人材が技術職を目指さなくなり、日本の技術力が低下すると言う理屈も分からない訳ではありません。


では、技術者の処遇を考え直して手厚くもてなせば、優秀な人材が技術職に集まって、技術力が回復するのでしょうか?USでは、技術職の賃金が高い為に、優秀な人材が集まり、その結果技術力が高いのでしょうか?


処遇を良くすることは、必要なことの一つではありますが、それだけではないと思います。このことはUSの研究所の様子を見ると良く分かります。研究者の多くは、母国で大学を卒業した後、母国からの補助をもらってUSの大学院に留学し、卒業した後はそのままUSで研究を続けているのです。IEEEなどの学会に論文を出している研究者は、かなりの高い確率で中国や、インドの出身者ですし、台湾ベトナム韓国からの研究者も、相当数に上るでしょう。


USの研究開発力は、彼ら移民に頼るところが大きいのです。昔の日本で、大陸からの技術者に頼っていたのと同じです。実績のあるUSの大学院を卒業し、一時的かもしれませんが母国を離れて研究に従事する人たちの給与を日本と比較するだけでは、問題は解決しないと思います。


ところで、なぜ理工系に従事する人に、中国やインド系の人が多いのか?これには、明快な訳があります。もし、皆さんの周りに理科系の人がいたら、血液型を聞いてみてください。B型が多い筈です。日本人では、およそ20%がB型ですから、もし20%以上なら理科系にB型が比較的多いと言えるでしょう。


日本人には、A型が一番多いのですが、アメリカ人O型が一番多く、中国インドではB型が多いそうです。中国とインドから研究者として人材が集まって来るのには、このような理由もあるのではないでしょうか?