科学雑誌の日本国内での発行部数が、ピーク時の3分の1になったと言う記事、「科学雑誌ピンチ 若者離れて部数はピークの3分の1」が、asahi.comに出ています。発行数のピークは1983年だったそうですが、それから年々減少してきて、ついに3分の1になってしまったと言うのです。現在の発行部数を、同じ人口あたりでUSと比較すると、13分の1になるそうです。
ノーベル賞人気で、将来科学者になりたいと言う小学生が多いとも言われていますが、努力しないでノーベル賞だけもらいたいと言うのなら困りものです。今後科学に興味を持って、科学雑誌を講読するようになることを期待したいですね。
最近、小学生の習い事として、これまでの塾や英会話教室だけでなく、理科の実験をグループでやらせるところがあるようです。一人前に白衣を着て実験をするので、親には何か賢いことをしているように見えて評判が良いようです。
小学校の理科で習うことを実験するのですから、本来は学校でやらなければならないことのように思えますが、授業時間の制限などで出来ない部分を、塾として提供していると言うことなのでしょう。
最近、ゆとり教育や週5日制で授業時間が減っており、各人が自由に好きなことを勉強できる時間を作っていると言うことですが、逆に国語力が足りないだとか、計算が苦手だとか、理科の観察が苦手だとか、英語も必要だとか、パソコン教育の導入だとか,それにも増してやらなければならないことが飛躍的に増えています。
ただでさえ授業についていけない子供がいると言うのに、授業時間を減らした上に、英語やパソコンをカリキュラムに加えたりしたら、消化不良どころか下痢になるのは目に見えています。もし、今までやっていなかった英語を小学校に導入するのなら、まず優先順位の低い学習を削って、時間的な余裕を作ってから導入しなければ、余計に落ちこぼれを作るだけになりかねません。
最近になって、全国の小学校、中学校、高校で、学習内容に自由度を持たせた学校が指定されており、特色のある学校造りを目指し始めましたが、うまくいくかどうかは、その学校の先生にかかっています。バクチ的な試みであるとも言えます。
指定を受けた学校では、教育指導に知恵を絞り、これまでの枠にとらわれずに独自性を出すことができます。優れた方法を提案・実施したケースがあれば、他の学校にも水平展開して行こうというものです。
それぞれの学校の独自性を出すと言えば良く聞こえますが、要するに今はどのようにしたらよいか分からないから何か考えてくれと言うことですから、効果が現れて学校教育が改善されるのには、まだまだ時間がかかりそうです。