これまで、いくつか特集みたいな事をやってきましたが、今回のテーマほど失敗を実感したものはありません。いや、これまでも結論のない中途半端な内容が多かったことは、十分に承知しております。読んで頂いた皆さんが「つまらない」と呟かれるのを、幾度となく聞いておりました。しかし、今回は書いていて、自分で「つまらん」と思いました。
こんな訳の分からん専用パームなんて言っている間に、世間では怒涛の如く新製品が発表されていました。先輩諸氏のパームサイトで、唸るようなファーストレビューが紹介されている時に、「ブランド物のケースは如何ですか?」とは、甚だとんちんかんでありました。
新製品の発表ラッシュで、これほどパームを始めとしたPDA製品群が強化されている時期は、久しぶりではないかと思われます。ついに、PDA第3次普及期が到来するのではないか、とさえ予感させます。
パームのOSやハードウェアの進歩によって、手のひらサイズでかなりのことが出来るようになってきました。すべてをオールインワンにするのも便利かもしれませんが、煩雑になるからすべては要らないと言う人のためには、それぞれの用途で最適な性能と価格を実現する時が、やってきたような気がします。
そろそろPDAの進化の分岐点に、差し掛かったのかもしれません。そこで、4つの進化形に分類してみました。
- 一番目は、ネットワーク端末としてのPDA。つまり、インターネット接続やメール、あるいはIP電話も含めた、データのソースがネットワークの先にあるタイプ。無線通信アダプターが、重要な要素です。ネットワーク上にあるデータに、アクセスをすることに重点を置き、通信以外のハードウェアは、軽快な動作が必要です。シグマリオンが代表です。
- 二番目は、ノートパソコンを小型化したパームパソコン。ノートパソコンを、さらに技術の進歩によって小型化しようとするタイプ。CPUの高速化やディスクの大容量化が中心になります。パソコンで行っているアプリケーションを、PDAサイズで実現していきます。ポケットPC系が目指しているところでしょう。
- 三番目は、PIM機能を発展させていく電子手帳の完成型。こちらは、進化をすると言うより、PIMの機能を突き詰めていき、究極の手帳を目指します。シャープやHPの新製品とPalm Zireが該当するでしょう。
- 四番目は、エンターテインメント端末。オーディオとビデオを、オンデマンドでネットワークからダウンロードしますが、あくまでプレイヤーとしてのハードウェアを重視します。iPodが代表ですが、CLIEもカバーしています。
これ以外にも、携帯電話、電子辞書、ポケットテレビ、ディジタルカメラやビデオカメラなど、PDA以外にも様々に発展しそうな機器がたくさんあります。PDAは、ある時は競合しながら、またある時は合体してパートナーとして、想像以上に違った形に発展していくかもしれません。切磋琢磨しながら、生き残っていったり、絶滅したり、正に恐竜の進化を見るようです。
私たちのパームも、何年もしてから、化石のように発掘されるのでしょうか?