124.所変われば刃物も変わる3: スイスの刃物 (2003/06/11)

あれから10年が過ぎ、USでポットラック(Potluck)と言う食べ物持ち寄りのパーティーがあった時、そこに来ていたスイス人と雑談していた時の事です。


その頃、ドイツのボッシュ製の電動鋸(のこぎり)を買ったばかりだった私は、その刃がスイス製であった事を思い出して、こう訪ねました。


「この前買った鋸に付いていた刃がスイス製だったけど、スイスの刃物っていいの?


スイス人「もちろんだよ。スイスの刃物は世界一さ!なんだ、日本人はそんなことも知らないのか?」


「日本じゃ聞かないねぇ。刃物はドイツのヘンケルなら有名だけど。


スイス人「何だ、そのヘンケルて言うのは?」


「ドイツの有名な刃物メーカーの中でも一番評判が良いメーカーで、日本では誰でも知っているよ。


スイス人「いや、だいたいドイツの刃物なんて誰も知らんぞ!ヨーロッパではスイスの刃物が一番人気があるんだ。スイスのアーミーナイフを持っていないのか?


またしても、ヘンケルは知らんと言われてしまいました。ヘンケルは、輸出が中心のブランドなのでしょうか?


USのコンシューマーレポートなどで、キッチンナイフの比較レポートにはヘンケルが出ていますから、USでの知名度はあるようです。ただ、USには国産メーカーのシカゴカッツレーがあり、評価はいつもダントツでトップでした。


次回は、このシカゴカッツレーの私なりの評価と、USキッチンナイフ事情です。

123.所変われば刃物も変わる2: ゾーリンゲン (2003/06/11)

ドイツのゾーリンゲン刃物で世界的に有名な町で、その中でもヘンケル代表的な刃物メーカーであると学校で習った記憶があります。


1987年に、新婚旅行でドイツに行ったとき、仕事で付き合いのあったドイツ人のお宅に、泊めて頂いたことがありました。


ストゥツガルト近郊のヘレンベルグに住む彼が、市役所広場を案内してくれた後、おみやげを買おうとした私と、彼、ピーターの会話です。


ドイツと言えば刃物だけど、やっぱりヘンケルが良いのかな?」


ピーターヘンケルって何の事だ?」


「ドイツで有名刃物メーカーヘンケルだよ。」


ピーター「そんな名前は聞いたことがないな。」


「そんなはずはないよ。ゾーリンゲンと言う町で作っているヘンケルだよ。発音が悪いのかな。エンケル?ヘーンケル?エンケール?ユンケル?」


ピーター「とにかく、そんなメーカーは知らん。ゾーリンゲンも刃物で有名ということは聞いたことがない。ドイツで刃物と言えば、WMFが一番だ!


WMFなんて、日本では聞いた事がないけど、それがお勧めならWMFの物でも買って見るかな。」


と言うことになりました。ピーターが知らないだけなのでしょうか?


ただ、私が小学生だった頃、デュッセルドルフに5年ほど駐在された方が日本に帰って来られた時に、ヘンケルのナイフをおみやげに頂きましたから、現地でも有名であったのは間違いないと思います。しかし、日本と同じ様にドイツも地域によって、有名な刃物の産地がいろいろあるのかもしれません。


この話には後日談がありまして、ヘンケルでもう一度、変な会話をすることになります。