さて、このようにゲノム研究の最前線情報が盛りだくさんの「ゲノムひろば」ですが、当サイトにメールを頂いたYさんは、その全体のコーディネートをされておられる研究者メンバーのお一人です。
学会や勉強会などの専門家が集まる場所での研究成果の発表は、国内的にも国際的にも多くの機会が提供されていますが、一般大衆に向けた最新情報の提供は、それほど多くの試みがあったとは言えないでしょう。
コンピューターや電子工学の分野で、一般の人に向けられた最新技術の発表の場がどれほどあったでしょうか?コンシューマー製品の発表の場はいくつかありますが、それは売るための展示会に過ぎません。純粋に技術そのものの理解を、一般の人に広めるためのイベントは、全くと言って良い程無かったと思います。
ゲノムという難解な(少なくとも私には)テーマを取り上げながら、一般の人にその活動を理解してもらおうとするこのようなイベントは、評価されるべきでしょう。また、子供たちがこのイベントで覗いた新たな感動が、明日の科学の世界を切り開いて行く事になるかもしれません。
ゲノムを代表とする分子生命科学は、これまでの科学の分野で言えば、生物学、農学、工学、薬学、医学などの発展・応用であり、また、分析機器に関しては、物理学や化学が大きく関連しています。
つまり、様々な科学分野がお互いを補完しながら絡んでいるわけで、それらの基礎科学が重要であり、さらにその上に応用技術も必要とされる、実に奥の深い科学分野だと言えるでしょう。
京都のイベントは今日で終わりですが、来週11月15日(土)、16日(日)はゲノムひろば2003 in 東京が、東京・お台場の日本科学未来館で開催されます。お近くの方は、是非会場に行って、最新の科学に触れられては如何でしょうか?