79.ダウンサイジング推進計画2: サーバー&クライアント (2003/04/23)

大型汎用機が大勢を占めていた頃、端末といえばノーインテリジェンスでした。フォントもハードウェアに組み込まれた物だけキー入力したコードが変換されてホストに送られるだけの機能しか持っていませんでした。


最初、パソコンは単独で使用しており、ネットワークにはつながっていませんでした。そんな中で、日本語環境が整い始め、ワープロや表計算やチャート作製機能を、オフラインで使っていました。


会社では、社員がどんどんとドキュメントを作り始めたので、その最新版がどこにあるのか、誰が責任者であるのか等が分からないままに、中身の判らないフロッピーディスクだけが、積み上がっていきました。


全く同じ目的のドキュメントを、同時に複数の社員が作製する事も、珍しくありませんでした。プリンターで印刷を頻繁にするものですから、紙の消費量が飛躍的に増えました。


このままでは、ドキュメントのごみで会社が埋もれてしまう!


そこで、ネットワークにパソコンをつないで、共通した情報はデータベース化し、ドキュメントの重複をなくしバージョンを管理できるようなサーバーを設置し始めました。ドキュメントの作製と閲覧は、クライアントであるパソコンで行い、データーベースはサーバーで管理するようになりました。


サーバーの管理も、出来るだけ汎用的なソフトウェアを使い、それらは後にグループウェアやミドルウェアと呼ばれるようになります。サーバーとクライアントの分類は、いろいろなケースがあると思いますが、パソコンをクライアントとした体系が一般的になって行きました。


さてパソコンはその後、WEBの発達と共にインターネットやイントラネットを参照したり、メールの送受信に使ったりと、用途を増やしましたが、相変わらずオフィスツールを使ったドキュメント作成・閲覧や、サーバーからのダウンロードも重要な用途です。


さて、ダウンサイジングのこれまでを見てきたわけですが、今後更にパソコンからパームへとダウンサイジングを推進する為に、次回はパソコンで行っている業務を分析してみたいともいます。

78.ダウンサイジング推進計画1: 大型機からワークステーションへ (2003/04/22)

ダウンサイジングはなぜ起こったのでしょうか?それは、CPU処理能力対価格性能比で、大型汎用機はより小型のコンピューターに勝てなかったからです。


つまり、コストパフォーマンスで劣勢に立ってしまったのです。原因は、ハードウェアにも、ソフトウェアにもありました。


まずハードウェアについて見ていきましょう。当時大型機は、コンピューターメーカーの技術力を誇示する為に、単独のCPUので性能を競い合いその製造にはバイポーラトランジスター技術が使われていました。


バイポーラーは、常に電流が流れつづける為、発熱量が大きく、また高集積化が困難でした。また、民生品には使われていなかった為、生産量の上がらない製造ラインを占有しており、製造コストは高止まりしていました。


大きな発熱量は、水冷装置コンピューター室の空調などを必要とさせ、全体の設備投資を膨らませました。


そこへ、Sunのようなワークステーションメーカーが、CMOS技術RISCチップを引っさげて彗星の如く登場し、コストパフォーマンスでの優位性を武器に、大型汎用機を駆逐していったのです。


当時、RISCチップとそれまでのCISCチップの、計算能力の違いを比較した論文が多く出されていましたが、その多くが新しいRISCチップの将来性に軍配を上げていました。世の中が、ダウンサイジングに向かっていった為、すべてが同調してワークステーションに追い風となっていました。


また、複数のCPUを効率的に動作させるOSの技術も進歩していました。ですから、バイポーラで単独のCPUの性能を上げなくても、安いCMOSで作られたCPUを複数個並べる事で、同等の性能を実現できるようになっていました。


ハードウェアに関しては、コストパフォーマンスがすべてであり、その時既にバイポーラではCMOSに太刀打ちできなかったのです。


一方、ソフトウェアに関しては既にオープン・アーキテクチュア化が始まっていました。CPUのアーキテクチュアーごとに、異なるソフトウェア体系を必要とした大型機から、業界標準になり始めたUNIXへの流れも、既に止める事は出来ませんでした。


このようにして、バイポーラーからCMOSへ、専用OSからUNIXへと移り変わっていく過程で、大型汎用機から、ワークステーションへと移り変わっていったのです。


注釈: もちろんすべての業務が、ワークステーションに移っていったのではありません。CMOS技術を使った大型サーバーが登場すると、コストパフォーマンスがワークステーション並になり、銀行のオンラインシステムでは、今でも基幹を成しています。


しかし、昔はすべての業務を大型機で行っていたのが、中小型システムに置き換わったものが多くあったという事だと思います。


では、パソコンは、ダウンサイジングではどのような位置づけであったのでしょうか?次回は、そのあたりを見ていこうと思います。

77.ダウンサイジング推進計画: 予告 (2003/04/21)

ダウンサイジングは

まだ終わっていません


覚えておられますか? 37.パームプロモーションビデオ企画1:
営業編
で使ったコピーです。


インフォシーク辞書の大辞林で、ダウンサイジングを調べると、


ダウン-サイジング  [downsizing]

コスト削減などのため、小型化・軽量化すること。特に、大型の汎用コンピューターに変えて、ワーク-ステーションパソコンを採用すること。


と出てきます。コスト削減のために小型化・軽量化するなら、パームまでダウンサイジングすれば良いのに、なぜかパソコン止まりです。なぜでしょうか?


これから数回に渡って、その理由を考え、パームに置き換えて行くにはどうしたらよいかを、模索していきたいと思います。結論が出ない可能性もありますので、余り期待しないで、展開を楽しんでいただければ幸いです。

52.電子価値流通プラットフォーム (2003/03/25)

NTTが3月24日に発表したニュースリリースによりますと、夢の財布となる”電子価値流通プラットフォーム”NTTが開発したそうです。権利や価値を電子化して、携帯電話やICカードで自由に流通させようというものです。


各種チケットや乗車券、プリペイドカードなどを、全て同一のプラットホームに乗せていきます。まだ、全くお金の代用にしようと言うわけではなさそうですが、これまでのプリペイドカードを、一つのメディアで統一しようと言うことでしょうか。


うれしいことに、PDAの赤外線通信も対象になっていることです。赤外線通信に十分な信頼度があるのか疑問ですが、それをふまえたシステムにしていくのでしょう。


まだ、具体的にどのようなサービスが始まるかは分かりませんが、これまでのプリペイドカードを置き換えるだけにとどまらず、クレジットカードやデビットカード、さらには現金の利用を置き換えるように発展してもらいたい物です。


例えば、PDAや携帯電話を使った場合は、今までのプリペイドカードのように銀行口座から予め引き落とすのではなくて、与信を与え、銀行から引き落とされるのは支払いが発生した毎か、あるいは一定期間にまとめてするとかが考えられます。


ICカードでは、ハードウェアの品質を一定に保つことができますが、PDAや携帯電話など汎用のハードウェアを利用するとなると、品質や安定度に依存しないシステムにしなければなりません。しかし、汎用のハードウェアが使えると言うことは、この決済プラットフォームを速やかに普及させる事ができるでしょう。


それから、この決済システムの提供者に支払う手数料を、どのように価値を消 費する側(消費者)と価値を提供する側(店舗)に振り分けるかが、成功するかど うかの分かれ目になるかもしれません。このことは、クレジットカードやデビットカードの場合も同じですが、普及率に大きく影響するの で、このプラットフォームの全ての利用者が、利用するメリットを享受できる
ように考えてもらいたいものです。

10.無線ICタグ (2003/02/06)

最近、ICタグや微小無線チップと呼ばれる、これまでのバーコードを置き換える新しい技術が話題になっています。いずれは全ての人工物に付ける計画もあるようです。



スーパーのレジで、カートに商品を積んだまま、一瞬のうちに精算が完了するのは、確かに便利そうです。また、図書館や物流管理などの用途でも普及しそうです。



ただ、今でも特売の大根のように包装されずに売られるものは、バーコードではなく手で商品コードを打ち込んでいますが、カートごと精算するなら大根一本一本に包装してチップを付けるのでしょうか?



チップは本当にゴマぐらいのサイズなので、間違って飲み込んでしまって、それが盲腸あたりに引っかかってしまうことはないのでしょうか?



今日もレジをカートごと素通りして精算を済ませてふとレシートを見ると、大根を1本買ったことになっている。大根は昨日食べたけど今日は買ってないはずだが?(ゴマサイズのチップが反応するのは、非常に短い波長の電波なので、人体が吸収してしまい体内のチップは反応しません、ということなのでしょうが、電波を人体が吸収して良いのか?