460.阪神大震災から10年を迎えて (2005/01/18)

阪神・淡路大震災から10年が経ちました。兵庫県各地では、1月17日に多くの追悼の集会が開かれたようです。神戸の町には、新しい住宅やビルがかつての活気を取り戻しているように見えますが、生活面や経済面での復興は、なかなかはかどっていないようです。


昔から「地震・雷・火事・おやじ」は怖い物の代表でしたが、おやじの怖さが消えていく反面、地震の恐怖は年を追うごとに増してきています。

新潟・中越地震インドネシア・スマトラ島地震がごく最近発生しましたし、今後近いうちに東海・東南海・南海地震が起こる事が予想されていますから、地震対策の重要性は高まるばかりです。


近畿地方ではこれまで300年周期で大地震が発生してきましたが、最近の調査の結果、阪神大震災で動かなかった危険な断層がいくつかあり、それらは今すぐにでも地震を起こす可能性があることが判ったそうです。


それらの断層によって地震が発生すると、神戸市の広い範囲で震度6から7の揺れになるだろうと言われています。10年前に被害が少なかった地域も多く含まれており、前回と同様の被害が出るだろうとの予測があります。


10年前に大きな地震があったからと言って、これから290年間は地震が起こらないと言えないところに、地震対策の難しさがあるように思います。今は阪神大震災から10年経ったと同時に、次の大地震があと数年に迫ってきていると考えなければならないのでしょう。


南海地震による津波も心配です。警報システムばかりに注目が集まっていますが、いくら正確な予報が可能になっても、津波にどのように対応しなければならないかを、すべての住民が理解していなければ意味がありません。


警報を出して津波から避難しろと言われても、その前に大きな地震で被害が出ていたり、強い余震が続く中、そう簡単に逃げられるわけではありません。第一、都会の臨海部で津波から逃げることが出来る場所があるのでしょうか?


地震予知や津波警報システムなどの目新しい技術に予算をつぎ込むだけでなく、津波から逃げるための施設を、地道に整備していく必要があるのではないでしょうか?


今年の7月には津波に備えて、多くの地域で大規模な避難訓練が行われるそうです。過去の経験を活かして、これからの大地震には万全の体制で臨めるように、知恵を絞っていきたいものです。

459.Googleさまはお冗談がお好き (2005/01/18)

GoogleによるアフェリエイトであるAdSenseは、なかなか賢いようです。必要な広告を必要な人に届けると言う訳ですから、まさにオンデマンドです。


無駄な広告が減ることによって、広告主にとってはこれまでのマス広告より効率があがることが期待できますし、広告の効果を迅速に把握することができます。


インターネット広告が増えるに従って、これまでのマス広告は縮小していくでしょう。新聞やテレビなどのマスメディアは、早いうちに対策を練っておく必要がありそうです。テレビ局間の競争でしかない視聴率にこだわり続けていると、業界の存続が危うくなるかもしれません。


地域の新聞折り込み広告を入れるには、数十万軒単位の購読者に対して同じチラシを入れなければなりません。新聞紙や地域によって異なるでしょうが、1回の新聞チラシには20万円から50万円ぐらい掛かるそうです。


これに比べてアフェリエイトの良いところは、広告料を予算に合わせて自由に選ぶことができることです。少ない予算でもそれなりの頻度で広告を出すことができますから、新聞チラシを入れるほどの事業規模でなくても、メディアに広告を載せることができるのです。


さて、GoogleのAdSenseは、キーワードを複数個組み合わせることによって、サイトに関連性の高い広告を選び出しているようです。キーワードを1つだけではなく組み合わせることによって、サイトの内容を正しく判断していますから、うまく行けばまさにサイトに内容を要約したような、見事に的中した広告を載せてくることがあります。


その反面、キーワードに現れにくい言葉には反応しませんから、時々頓珍漢な広告が出てしまうことがあります。


例えば、先日Mac miniについて「新たなパソコンのスペースは必要ない」と書いたページに、パソコンデスクの広告が載るのはまだ良いとして、「手帳よりパームの方がいいよ」と書いたページにシステム手帳の広告が載るのは、少し広告主に申し訳ないような気がしてきます。


極めつけは「458.多発する偽札事件 」のページです。文中の2つの「印刷」と言うキーワードに反応したのでしょうが、偽札のニュースの話題に印刷会社の広告が出てくるのは、如何にもまずいでしょうね。


印刷会社の広告には、「NOT偽札」をキーワードとして加えてみては如何でしょうか、Googleさま? (その前に偽札の話の中で「印刷」、「印刷」と連呼するなと言われそうですが。)

458.多発する偽札事件 (2005/01/14)

最近よく偽札が発見されたと言うニュースを目にします。初詣のお賽銭にもたくさんの偽札が見つかったようです。


貨幣を偽造することは、国家を混乱に陥らせる可能性があるためか罪が重いようですが、人を傷つけるわけではないので罪悪感が少ないのでしょう。


今回の新札には、最新の偽造防止技術が採用されています。ホログラム、すきいれパターン、潜像模様、パールインキ、マイクロ文字、特殊発光インキ、深凹版印刷、識別マークなどなど。


これだけあれば偽造することはさぞ難しかろうと思う訳ですが、あに図らんや、早速新札の偽札も出回っている様子です。


昔なら、印刷の技術で製版して時間が掛かりましたが、今やパソコンとスキャナー、それにプリンターがあれば、特に技術を必要とせずにあっという間に作れてしまうようです。


最新の偽造防止技術を採用すれば、全く本物と同じ物を作ることは不可能でしょうが、街中で流通させるのにはそこまでは必要ないと言うことなのでしょう。一般の人が見ただけで判断できない程度に精巧であれば、銀行に戻ってくるまで発見されないのです。


最近では市中銀行の検札機をかいくぐり、日銀で初めて発見された偽札もあったそうですから、かなり精巧に作られたものもあるようです。


日銀で偽札を発見することも大切ですが、それよりも偽札が流通しないようにしなければなりません。


少し話はそれますがUSに住んでいた時、クレジットカードのサインはローマ字漢字のどちらが安全かを議論したことがありました。


カードを落として悪用される時、アメリカ人にとって漢字は難しいだろうから、漢字のサインなら真似をされにくいから安全だと言う意見でまとまりかけていました。ところが、漢字のサインの真似が下手だとしても、それを確認する人も漢字が良く分からないから、結局どんなサインでも同じ事で、クレジットカードは落とさないことが一番だという結論になりました。


どんなに高度な偽造防止技術を使ったとしても、偽札を使う時に見分けることができなければ、偽札の流通を防ぐことはできません。偽造防止技術を高度にするだけでなく、そろそろ貨幣システム全体の将来像を考えていかなければならない時期に来ているのではないでしょうか。

457.青色発光ダイオード訴訟の落とし所 (2005/01/13)

日経BPに、青色発光ダイオードに関する訴訟の、和解成立後の記者会見についての記事が、掲載されています。


200億円の支払いを会社側に命じた一審判決とは逆に、発明者側に不利な結果に終わったようです。


「日本の司法制度は腐っている」とは発明者の中村修二氏の弁ですが、司法改革もまだ始まったばかりですから、ひょっとしたら本当に腐っていたのかもしれません。


和解勧告に従わずに、高裁の判決を仰ぐ事はできなかったのでしょうか?そうすれば高裁の判決を受けてから、必要ならば上告する事が出来たかも知れません。


6億円程度の報酬が適当とする和解案が、裁判所から提示されたとされています。一審判決で200億円の支払い金額が言い渡された時に、、「そんな裁判をしていると日本の企業の活力が失われてしまう」経済界から非難されましたから、今回の和解案の金額は経済界の意向を強く受けたものと言えるでしょう。


私たちは、裁判は法の下に全ての人が平等に裁かれると思い込んでいます。建前はそうであっても、実際は理想どおりに行かないのが世の常です。そもそも、法は国民一人一人の幸せを願って制定されたものではなく、国家維持するためにあると言えましょう。


ですから、日本の企業の活力が失われてしまうとまで言われれば、企業が有利な方向に裁判が流されていくことは大いにあり得ることです。


さらに穿った見方をすれば、日本の職務発明に関する特許法の改正をUSが迫っているため、あまりにも突出した報酬を与える判決は、葬り去らなければならなかったのかもしれません。


今回多額の報酬を認めてしまうと、近い将来職務発明についての特許法を改正しようとした時、反発が強くなることが考えられます。


これらも含めて一番争いが少なくなるようにするには、今回の和解が裁判所にとって最良の結果であったに違いありません。


争いを収めるには、落とし所が肝心と言います。そして、落とし所には、必ずしも誰もが納得する根拠があるとは限らないのです。(納得できる根拠を示して欲しいとは思いますが、、、)

456.Mac miniは何をもたらすか? (2005/01/13)

Mac miniのニュースが駆け巡っていて、もう大変な騒ぎです。そして、ニュースを見てもパーム系サイトを見ても、この新製品に好感を持った人が多いようです。新製品には冷静な私も(貧乏とも言う)、今回は心ときめくものを感じます。


これまでMacに興味はあったけれど、Windowsの呪縛から抜けることができなかった人たちには、その値段とコンセプトが鋭く心に突き刺さるようです。


Windowsパソコンをリプレースすることを最初は狙わず、WindowsとMacがそれぞれの得意分野に徹して共存を図ろうとする戦略は見事です。オフィスでの仕事を家庭に持ち込むことに成功したWindowsパソコンを、根底からひっくり返そうとはしていないように見えるところが、今回の新製品の狙いなのでしょう。


仕事の為の道具であったWindowsパソコンが、次第に画像音楽を処理できるようになり、なんとなく家庭に入り込んで来て、あたかも家電であるような素振りをしてきましたが、そろそろ限界かも知れません。


これほどまでにインターネットが普及し、音楽や映画がデジタルで配信されるようになってくれば、仕事の為に設計されたパソコンを流用するのではなく、ホームエンターテインメント専用に設計されたマシンが欲しくなるのは、時間の問題であったのです。


Windowsパソコンと共存することを狙ったことによって、Mac miniの機能を家庭の娯楽に特化できますから、中途半端な仕様になってしまうことを避けることができます。


Mac miniは、ディスプレーとキーボードが付いていないと言うのも、鋭いところを突いています。Mac mini本体の価格を抑える事ができる以外にも、大きなメリットがありそうです。


ディスプレーとキーボードは、パソコンのパーツの中では一番スペースを取ります。Windowsのデスクトップパソコンを置いたままで、さらにもう一台のパソコンをフルセットで置くには、新たに場所を確保しなければなりません。


ディスプレーとキーボードを共用すれば、Mac miniの本体だけをこれまでのパソコンに並べて置くだけで済みますから、スペースをさほど増やさずに設置することができます。


さらに新しいMac miniの斬新なデザインによって、隣に置かれた無骨なWindowsパソコンが時代遅れに見えてくることでしょう。Mac
miniの先進性を見せ付けるためにも、ディスプレーとキーボードを共用することが必要なのです。


家庭で誰もが気軽に使うことができる、本格的なホームパソコンの普及は、まだこれからと言えるでしょう。Mac
miniによって家電としてのホームパソコン市場が開拓され、これまでのパソコンの勢力図が大きく塗り替わることを期待します。


ビジネス用のパソコンを使うのは仕事の時だけにして、ホームエンターテインメントにはもっと夢のあるパソコンを使ってみませんか?