490.割り算の余りはあまりにも難しい (2005/03/23)

久しぶりに算数の問題です。小学校の算数の問題を何気なしに見ていると、時々とんでもなく悩んでしまうことがあります。今日もそのような問題に出くわしました。


【問題1】


今ここに1.8mの紐があります。この紐を0.4mの短い紐に切り分ける時、何本の短い紐ができて、何m余るでしょうか?


【実験的解法】


1.8mの紐とものさしを用意しましょう。まず1本目の短い紐を切り取ると残りは1.4mになり、2本切り取ると残りは1mになり、3本で0.6m、4本で0.2mが残ります。もうこれ以上0.4mの紐は切り出せませんから、答えは、短い紐が4本取れて余りは0.2mです。


【小数を使った解法】


いちいち紐を切っていくのは面倒ですから、ここはアカデミックに小数を使った計算で解いてみましょう。1.8mの中に0.4mがいくつあるかは割り算で求めることができます。ただし、短い紐の本数は整数でなければなりませんから、割り算の商は1の位まで求めて余りを出すことになります。


1.8 ÷ 0.4 = 4 ・・・ 0.2  答え 4本 余り 0.2m

小数点を消して18÷4と計算した時は、余りを出す時、元の小数点の位置に戻すのを忘れないようにしなければなりません。


【分数を使った解法】


分数で表した方が簡単とおっしゃる方も多いでしょう。では分数で計算してみましょう。1.8mを18/10、 0.4mを4/10と表すと、


1.8 ÷ 0.4 = 18/10 ÷ 4/10

= 18/10 × 10/4 = 18/10 × 10/4 = 18/4 = 9/2

さて、9/2 = 9 ÷ 2 ですから、


9 ÷ 2 = 4 ・・・    あれっ、余りが違う! では、約分する前の18/4でやってみると、

18 ÷ 4 = 4 ・・・    あれれっ、また違う!

どうも最初の式1.8÷0.4からで結ばれていても、余りに関しては何か数字的な意味が変わってくるようですね。最初の式から変換された式を計算しても、結果から余りを求めると正しくないようです。


つまり、式の変換をした時は商だけを求め、それを元の式に当てはめて、余りを計算しなければならないのです。


それならば余りを求める計算式の場合は、元の式を変換してもで結び付けてはいけないように思うのですが、いかがなもんでしょう? (誰に聞いている?)


【教訓】


余りはあまりにも難しい!(物を分け合うとき、先に余りを除いてから等分する場合はインチキと思え!)

489.独自ドメインを考える5: 独自ドメインをレンタルサーバーで使う (2005/03/20)

さて、独自ドメインを取得したら、DNS(Domain Name System)サーバーの設定を行って、ドメインをサーバーと関連付けなければなりません。ここでは、ウェブサイトをレンタルサーバーを使って開設する場合を想定して、説明していきます。


".com"や".net"などのgTLDや汎用JPドメインの場合は、セカンド・レベル・ドメインから独自に割り振られますから、各TLDを担当するDNSネームサーバーに、レンタルサーバーが使用するネームサーバーIPアドレスを返すように設定しなければなりません。


もう少し細かく書くと、DNSのルートサーバーから各TLD(".com"や".jp"等)のネームサーバーへの経路は既に出来ていますが、新たに取得したドメインへの経路は、".com"や".jp"のネームサーバーには存在していないので、登録してやる必要があるのです。この為には、ドメイン側とレンタルサーバー側のそれぞれに設定が必要になります。


通常は、ドメイン取得を代行する業者が、ドメイン管理画面をウェブサイト上に用意しており、そこからレンタルサーバーが使用するネームサーバー名を入力出来るようになっているでしょう。


次にレンタルサーバー側で、ドメイン名の追加をします。これも同様にサーバーの管理画面上で、ドメインの登録が出来るようになっていることが多いようです。これによって、レンタルサーバーのネームサーバーから自分に割り当てられたWWWフォルダまでの経路が、確立される事になります。


ここで問題になるのは、ドメイン管理業者やレンタルサーバー業者が、ドメインの持ち込み(ドメイン管理とサーバーを別々の業者で行うこと)を禁止している場合があることです。この場合、ドメイン取得とレンタルサーバーを一緒に契約しなければならず、各々選定するのに比べると自由度が下がるのは否めません。


そもそも、独自ドメインを取得するメリットのひとつは、レンタルサーバーの機能やサポート、あるいはコストなどに不満が出てきてレンタルサーバーを変更する場合でも、サイトのURLやメールアドレスが変わらないところにあります。ですから、たとえドメインの取得・管理とレンタルサーバーを同一の業者に依頼する場合でも、2つの契約は各々独立している方が好ましいと言えるでしょう。

レンタルサーバーの業者で、「ドメイン持ち込み可能」と表示している場合は、他の業者で取得したドメインをサーバーに登録する事ができます。パーム系サイトで人気の高い「ロリポップ」や、「さくらインターネット」などが、ドメインの持ち込みが可能です。


レンタルサーバーには、多くの機能が提供されている一方で、制限事項もいろいろありますから、注意が必要です。例えば、転送容量に制限があったり、WEBLOGの予約投稿機能のためのCRONTABが使えないなど、必要とする機能がサポートされているか、よく確かめてから契約をするように心がける必要があります。(実は私もよく確認しなかったために、あとで気付く事が多いのですが。)


あと、取得したドメインをメールアドレス専用として使うメールサーバーや、無料ホームページサービスでありながら独自ドメインを持ち込むことが可能なものなど、いろいろな独自ドメインの利用方法があります。


今や世界中に張り巡らされたインターネットは、20世紀以降のすべての発明の中でも、社会に及ぼす影響が最も大きいものの一つであると考えられています。


放送とインターネットの融合がニュースになっていますが、家電業界もインターネットとの融合を目指し、ネット家電の普及を図っています。各家庭に設置されたホームサーバーにアクセスすることで晩ご飯のおかずが決まるのは、そう遠い未来ではないような気がします。


将来のインターネットが、今の技術の延長線上にあるとするならば、おかず情報を受け取るホームサーバーにも、ドメイン名が必要になるでしょう。


将来の事を考えて、今のうちに独自ドメインを取得しておくのも、一考に値するのではないでしょうか?


結局最後は、独自ドメイン取得をお勧めすることになってしまいました。

488.独自ドメインを考える4: ドメイン名の決め方 (2005/03/18)

さて、独自ドメインが今やそんなに安いのなら、ひとつ取得してみるのも良いかなと思い立ったとしたら、次は独自ドメイン名を決めなければなりません。ドメイン名を決めるのは楽しい作業であると同時に、悩みの多い作業でもあります。


もちろん、最初からこれしかないと言う取って置きの名前がある場合は良いのですが、これと言って特別に思いを込めた名前がない場合は、あれやこれやと悩むことになります。


また、たとえドメイン名をひとつに決めたとしても、既に誰かによって登録されていれば、別の名前を考えなければなりません。


そのような時に助けてくれる(かもしれない)のが、ドメイン名作成サイトです。検索サイトで探すとたくさん出てきますが、その中で2つほどご紹介したいと思います。


一つ目は、"webmaster-toolkit.com""Domain Name Generator"です。上部にある"Word/Phrase:"に好きな言葉を入力すると、その言葉を使って派生させた名前を、数多く表示してくれます。


試しに"palm"と入れてみると、"beach-palm", "desertpalm", "free-palm-software", "game-palm", "palmpda", "palm-tree", "thepalm"などなど、いろいろなドメイン名を作り出してくれます。


おもしろいのは、"palm"という単語が、「PDA」や「木の名前」であると認識した上で、名前を派生させているところです。ですから、意味のない単語からは作成できません。例えば"palmtrotter"を単語として入力すると、エラーになります。


二つ目は、もう少し的を絞ってドメイン名を作成してくれるものです。"Domain Fellow"は、キーワードを入力するところは同じですが、カテゴリーを選ぶことができる点が異なります。


".com", ".net", ".org"にしか対応していないのが残念ですが、それぞれのTLDでカテゴリーに合った名前を作成し、同時にそれらが既に登録されているかどうかも表示してくれます。


カテゴリーには、"Alphabet", "General", "Numbers"などの一般的なものから、"Entertainment", "Finance", "Music", "Sports", "Travel"などの特定の業種を対象としたものまであります。


"Prefixes"か"Suffixes"を選ぶことによって、派生する言葉をキーワードの前に付けるか後に付けるかを、選ぶことができます。


さて、自分で決めたドメイン名が、既に登録されているかどうかを調べるには、"Whois"と呼ばれるデータベースの情報を検索することになります。


ほとんどのドメイン取得を代行するレジストラのサイトから、Whoisデータベースを検索する事ができるようになっていますから、既に登録済みであるかどうかを調べることができます。


また、Whoisデータベース検索専用のページからは、ドメイン名からだけでなく、IPアドレスからも検索することができます。代表的なものは、"ANSI Whois Gateway"と、JPRSが提供している”WHOIS"あたりでしょうか。


ただ、Whoisの検索サイトによって違う結果が出ることがありますし、検索で未登録とされたドメイン名でも、実際は登録済みであったりすることがあります。あくまでも結果は、参考に留めておく必要があるようです。


独自ドメインを取得しただけでは、実際に利用することはできません。ウェブサイトのURLとして使うにせよ、メールアドレスとして使うにせよ、サーバーに登録して、DNSにドメイン名を組み込む必要があります。


そこで最終回では、独自ドメインを利用するためのレンタルサーバーについて、ご紹介したいと思います。

487.独自ドメインを考える3: ドメイン取得の費用 (2005/03/17)

少しその他のccTLDについて触れてみたいと思います。


ccTLDにはその国・地域に属していなければ登録できないものがありますが、外貨獲得を目的として、制限なしに開放されているものもあります。


有名なところでは、オーストラリア領ココス諸島".cc"や、南太平洋のツバル国".tv"などがあります。特に".tv"ドメインは、テレビ局をイメージしやすいため日本でも人気があるようです。


またドイツの".de"の登録数が、2005年2月28日に8,457,501に達したそうですが、ドイツ語表記であるウムラウト(Umlaut)を使った国際ドメイン名によって、ドメイン登録を大きく増やしているそうです。日本語ドメインだけでなく、世界中で国際ドメイン名が広まってきています。


さて、面白いトップレベルドメインだからと言って飛びつくと、いつの間にかサポートが中止されていたと言うことも、実際にあるようです。


あるいは、gTLDのひとつである".org"でサポートされていた国際ドメイン名の"日本語.org"が、レジストリの更新に伴い一斉に抹消されそうになったことがあります。せっかく苦労してドメインを手に入れても、このようなことがあればあっという間に消滅してしまいますから、レジストリの動向は重要です。


ドメイン名は、一度取得すると更新さえ怠らなければ、インターネットが存続する限り永遠に使い続けることができますが、これにはドメインのレジストリが、安定したサポートを提供できるかどうかが鍵を握っています。


gTLDのひとつである".net"のレジストリが、現在の米国VeriSign契約満了に伴い更新されます。世界中から5社が候補に上がっており、3月28日には後継レジストリが発表されることになっています。候補の中には、日本の".jp"レジストリであるJPRSによる合弁会社も含まれています。


レジストリが入れ替わると、登録・管理費用が変更される可能性がありますし、サーポートが改善・改悪されたりすることもあるでしょう。また、特定のレジストリによる、ドメイン・マーケットの支配力に影響を及ぼすかもしれません。".net"の後継レジストリの発表に注目したいと思います。


さて、ドメイン取得と管理の費用ですが、ここ数年でかなり下がってきているようです。gTLDの".com"などで、安いレジストラで年間800円から1000円ぐらい、高いところでは3000円から5000円ぐらいでしょうか。ccTLDの".jp"は、年間3000円から8000円と言ったところです。


汎用JPドメインの登録料の卸値が、昨年末に年間500円程下がりましたし、今年末には更新料が下げられる予定です。このようにドメインの登録・管理料は常に変動しますから、ドメインの取得を考えている場合は、最新の情報を知っておくと良いでしょう。


今見渡した中で一番安かったのは、「ムームードメイン」".co.uk"".org.uk"660円(税込み693円)でしょうか。この660円は、「ムームー」の名前の由来にもなっています。


".uk"は、イギリスのccTLDですから、特にイギリスやヨーロッパに関連するサイトを運営するには、安く取得でき、相応しいドメイン名と言えるでしょう。


最近では、YAHOO!やMSN、infoseekなどのポータルサイトがサポートする独自ドメイン取得サービスがあります。ただ、別の代行業者と提携しているためか、比較的費用が高いように思います。


また、独自ドメイン取得料込みで提供されているレンタルサーバーも、手続きが簡単になるメリットはあっても、費用的には決して安くはないようです。


ドメイン取得・管理費の点では、「ムームードメイン」「リンククラブ」「バリュードメイン」あたりがお手ごろと言えるでしょうか。


ドメイン取得の際に確認しておかなければならないことは、その登録代行業者に依頼した場合、一般に公開されているドメインの登録者情報に、個人情報を掲載しないようにする事が可能であるかどうかという事です。


いずれにしても、長期に渡って安心してドメインの管理を任せることが出来るレジストラを探すことが、重要だと思います。


では次回は、ドメイン名の決め方について考えてみたいと思います。

486.独自ドメインを考える2: gTLDとccTLD (2005/03/16)

独自ドメインを考える上で一番気になるのが、トップレベルドメイン(TLD)でしょう。これによってドメインの登録や管理の費用が大きく異なってきますし、信用安定性もそれぞれに違いがあります。


最もよく知られている".com"(ドットコム)を始めとして一番馴染みがあるのが、gTLD (generic Top Level Domain)です。世界中の人が登録することができ、また歴史が長いだけあって、多くのドメインが登録されています。


社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンターのサイトには、ドメイン名に関する統計が掲載されていて、gTLDの統計も見ることができます。


現在2004年11月のデータが最新のものですが、主なものをリストにしてみました。














































TLD   総登録数  日本国内登録
.com 32,980,933
.org 3,346,608 35,279
.net 5,304,647
.info 2,934,331 43,745
.biz 1,104,363 14,588
.name 231,201 17,055
.pro 2,325 16


これを見ると、ドットコムが1桁違いで他を圧倒していることが解ります。また全てが日本国内の登録数を公表しているわけではありませんが、それぞれの1%前後が日本からの登録となっているようです。


gTLDにはさらに航空関連や博物館関連などの特殊なTLDがあります。またgTLD以外にも、米政府や米軍用等の特殊なTLDがあるようです。


一方、世界中の誰でも登録できるgTLDに対して、国や地域ごとに割り振られたccTLD (Country Code Top Level Domain)があります。国や地域ごとに管理する機関が異なっており、登録者の所在地などに制約を受ける場合があります。


日本の場合は、JPドメインが使われています。これには、大きく分けて属性型・地域型JPドメインと、汎用JPドメインがあります。2005年3月1日現在、属性型・地域型JPドメインの登録数は330,197汎用JPドメインの登録数は346,515となっています。


汎用JPドメインが始めて属性型・地域型を抜いたというニュースがありましたが、特に最近は汎用JPドメインの登録数が伸びているようです。


属性型JPドメインは、団体や組織ごとに1つのドメインしか登録できませんし、代表者の印鑑証明を提出しなければならなかったりと手続きが面倒で、登録数が今後も飛躍的に伸びる可能性は低そうです。


また、汎用JPドメインが登場する以前は、個人でJPドメインを取得する場合、地域型と呼ばれる所在地を含めたドメイン名を使わなければなりませんでした。結果として長いドメイン名になってしまい、使い勝手の良いものではありませんでした。


そこで、2001年から新しく登場したのが、汎用JPドメインです。所在地が日本国内でありさえすれば、誰でも数に制限なく登録できますし、".jp"が付くだけの短いドメイン名が可能ですから、個人での登録がこれまで以上に増える結果になったようです。


また、企業にとっても数の制限がなくなったため、製品名やキャンペーンごとに異なるドメイン名を取得するケースが増えているようです。これまでの".co.jp"には主に企業情報を掲載し、".jp"には製品情報を掲載すると言ったように、ドメインを使い分けている企業も増えています。


汎用JPドメインでは日本語をドメイン名に使う事も始まっていますが、WEBブラウザーやメーラーのサポートが必要ですから、思ったようには伸びていないようです。ただ、日本語を始めとする国際化ドメイン名は、日本語以外にも多くの言語をサポートしますから、今後は各国内のみを対象にしたサイトで需要が増えそうです。


日本語を使ったドメイン名は、汎用JPドメインに限らず".com"や".org",".net"でも登録できるようになっています。入力された日本語を変換してASCIIにするため、通常では使われることのないようなASCII文字列をドメイン名に使うことができますから、TLDの資産をより有効に使うことができるでしょう。


では次回は、JPドメイン以外のccTLDにはどのようなものがあるかを簡単に紹介した後、気になるドメイン登録・維持の費用を見て行きましょう。