80.ダウンサイジング推進計画3: パソコンからの脱却 (2003/04/24)

サーバー&クライアント、または分散処理と呼ばれるシステムにおいて、パソコンはどのような役割を果たしたのでしょうか?


それまでの、電算室に任せっきりだったデータの処理を、データの使い手(本当にデータを必要としている人)の自由な処理に委ねたという事が、一番大きいのではないでしょうか?それまでは、データの使い手は、電卓ぐらいしか自由にデータを処理するのに使えなかったのですから、パソコンがもたらした功績は大きかったと思います。逆に言えば、そのころから電卓の地位は落ちて、鉛筆並の文房具になってしまいました。


しかし、功績が大きければ、今度は次の段階に進みにくくなります。その一つが、ページと言う概念です。


パソコンの画面も、印刷する用紙も、1ページ、例えばA4のサイズに決められています。パソコンが、その発達の歴史においてドキュメントの作製がメインだった為、1ページごとの物理的な情報の切れ目物理レコードなどと呼んでいました)が、そのまま継承されています。


この事は、大きく2つの弊害をもたらします。



  1. 1ページというサイズは、紙に印刷するのに適している為、いつまでたっても紙をオフィスからなくす事が出来ない。
  2. 1ページという大きさは、その時に本当に必要な情報を記載するには大きすぎる為、無駄な情報も羅列され、そのためのデータベースが肥大化し、なおかつデータベース間の融合を図りにくい。

この2に関して、もう少し説明をすると、1ページの中には、論理的に同じ種類のデータが並ぶ訳ですが、実際に同時に必要になる情報が、複数の論理情報にまたがる場合、複数のページを同時に参照しなければならないという事です。まさに、Windowsで複数のスクリーンを立ち上げている様を思い浮かべて頂ければ、わかりやすいと思います。


この1ページにこだわるとどうなるか?その究極の姿は、タブレットPCです。まさに、1ページがそのまま形になったパソコンです。確かに、スタートレックのカーク船長は、それらしきものにサインを求められています。これもパソコンの一つの形として、あっても良いとは思います。


しかし、1ページにこだわらなければ、パソコンをもっと小さく出来るのではないか、つまりパームを含めたPDAのサイズのものに、パソコンを置きかえる事が出来るのではないかと考えています。


でも、ただ小さくしただけでは、不便さだけが目立ってしまい、結局使われる事はありません。何らかの、アイデアが必要です。


ウェブページで、1ページを使いやすいように分ける時、フレームを使いますね。フレームの定義は、いろいろあるのでしょうが、ここでは、ページより小さい単位の物理的な情報の単位とします。


ページからフレームへ転換する事が、パソコンからパームへのダウンサイジングを実現させる為の鍵になります。次回は、「フレームの勧め人間の知性を問う」です。